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ハシビロコウ(Balaeniceps rex)の分類 ハシビロコウ科(Balaenicipitidae)
ハシビロコウ(Balaeniceps rex)の概要 Balaeniceps

ハシビロコウ(Balaeniceps rex)

危急 (VU)

【IUCN】絶滅の危険が増大している種

【 学名 】
Balaeniceps rex Gould, 1850

基本情報

大きさ・重さ

・成鳥全長:約 120 ㎝

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最終更新日:2020-07-15 En

分布

アフリカのスーダン・ウガンダ・コンゴ南東部などの沼沢地。

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生息状況

危急種VU(IUCN)、環境省記載なし

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和名の解説

嘴の幅が広いという意味。

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別名・方言名

英名では Whale-headed Stork・Shoebill Stork ともいう。

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形態

成鳥の形質

雌雄同色。全身が銀灰色。背は濃く青緑色の光沢を帯びる。頭は大きく、後頭に短い冠羽がある。虹彩は黄色。嘴は汚れた黄緑色で、木靴のような形で異常に厚くて大きい。上嘴先端は鋭くかぎ爪状に曲がる。足は黒い。

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幼鳥の形質

雛は銀灰色の羽毛に包まれ、頭でっかちだが、嘴があの独特の形になるまでにはかなり時間がかかる。雛が小さい頃は、親は餌を巣の上に吐き戻して与えるが、雛が大きくなると獲物を丸ごと巣の上に置き、雛はそれを丸呑みにする

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生態

食性

夕方にアシやパピルスの茂みから出て、魚・カエル・小哺乳類などを捕る。

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ライフサイクル

ハシビロコウは滅多に遠出せず、お気に入りの湿地の一角に住みつき、そこで魚をとる。そして湿原の状態が変わらない限り移動しない。コウノトリのように上昇気流に乗って空高く舞い上がるが、頸はサギのようにすくめて飛ぶ。普段は単独で魚をとるが、水が干上がり、一か所の水たまりにたくさんの魚がとり残されているようなところでは、サギ類やコウノトリ類のように、同種の個体と一緒に採食することもある。抱卵はオス、メスともに行い、時々立ち上がっては嘴や足で卵をひっくり返す。そして暑い日には、卵を冷やすために嘴いっぱいに含んできた水を卵にかける。

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産卵

地上または束になった水生植物の根元に巣を造り、汚白色の卵を1〜3個産む。抱卵は約30日、雛は95〜105日で独立する。

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特徴的な行動

巣の上で番が交わすあいさつは、コウノトリ類のそれによく似たクラッタリングとおじぎ行動である。

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その他生態

ハシビロコウは、巨大な上に動作も非常にのんびりしている。
採食の際も、先端がかぎ型になった嘴を下に向けてじっと立っている。そして獲物を見つけると頸を伸ばし、翼をひろげて前方にとびかかり、獲物を丸呑みにする。獲物は、上下の嘴をハサミのように動かすことによって粉々にする。食物と一緒に口に入った草の葉は後で捨てる。そして食後に大量の水を飲む。

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関連情報

その他

ハシビロコウの咽頭と頭側の食道は、左右両側へ著しく拡大している。また、巨大な咽頭と頭側の食道、固定されていない柔軟な舌骨、退化した舌が観察された。これらはハシビロコウがその採餌生態に特徴的な大きな食魂を受け止めることを可能にしていると考えられている。ハシビロコウの咽頭腔領域の構造は、大きな食塊を消化管へ通過させる柔軟な憩室として機能していることが示唆された。

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種・分類一覧