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コブハクチョウ(Cygnus olor)の分類 カモ科(Anatidae)
コブハクチョウ(Cygnus olor)の概要 ハクチョウ属(Cygnus)

コブハクチョウ(Cygnus olor)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Cygnus olor (Gmelin, 1789)

基本情報

大きさ・重さ

・成鳥全長:140~160 ㎝
・成鳥翼開長:200~240 ㎝
・体重:6.6~15 ㎏

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

分布

ユーラシア温帯域。北アメリカ・南アフリカ・オーストラリアの一部に移入。

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

生息状況

本来のアジアの生息地では用心深くて近づきがたく、おそらくすでに生息地の破壊によって絶滅の危機にある。

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分類学的位置付け

カモ目 カモ科

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人間との関係

ヨーロッパでの家禽化には長い歴史がある。

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形態

成鳥の形質

全身が灰色で、嘴は大部分が桃色をおびた橙黄色であるが、鼻孔部・額瘤(嘴基部の瘤状突起)・眼先は黒い。

虹彩は褐色。足は黒色。雌は体が小さく、瘤状の突起も小さい。

ポリッシュスワン Polish Swan と呼ばれる色変型成鳥の足は肉灰色。雌雄は似るが、雄の方が嘴のオレンジが濃い。

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

幼鳥は全体に灰色ないし灰褐色(ポリッシュスワンでは全身が白色)。

額瘤はないが、1年めの冬には瘤状の突起が生じ、2年目までは小さい。1年目の夏か、2年目の秋に白い羽毛へと生え替わる。

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地理的変異

つがいは巣とする植物の塚周辺をなわばりとして活発に防衛。

しかし数か所の繁殖地では集団営巣し、強力ななわばり本能も巣と巣の距離が約 1 mしかないほど弱まる。

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似ている種 (間違えやすい種)

飛んでいる様を遠くから眺めるとハクチョウと区別しにくいが、コブハクチョウはその嘴の模様からまるで頭が切断されたかのように色の境界がはっきりと区切られて見える。

幼鳥は、ハクチョウの幼鳥より羽毛が黒く、茶色い点で区別する。

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

生態

食性

水辺を歩いたり、水面を泳いだりしながら、水草や草本などを食べる。

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ライフサイクル

北半球での繁殖期は3~6月、ニュージーランド・オーストラリアでは9~1月。

草や小枝を積み上げた大きな巣を雌雄共同で造り、緑灰色の卵(平均115×75㎜)を1日おきに5~6個産む。

普通は雄のみが抱卵し、35~36日で孵化する。雄は巣に接近するものに対して激しく攻撃する。

雌雄で育雛し、雛が飛べるようになるまで120~150日を要する。

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鳴き声

もっともよく聴かれるのは、破裂音のように力強く、いびきのようなゴロゴロとした"heeorr!!"という声。

単独で泳いでいる際、ほかの個体を探すときには幾分大きな声でカモメのように"ga-oh"と鳴く。

若鳥、未成熟の鳥は幾分弱く甲高い声で"büi-büi-büi-..."と鳴く。

いわゆるヘビの「シューシュー音」と同様、積極的に意思を伝えるように鳴いている。

大きな鳴き声や規則正しいリズム、それに伴う羽音のリズムで個体同士の意思疎通を図っている。

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その他生態

寒さに強く、冬季でも開けた水域で生息可能。

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関連情報

外来種としての影響

日本でも観賞用の放し飼いから逸出し、野生化で繁殖した個体が見られる。

各地で放し飼いにされているため、移入個体と考えられることが多いが、自然渡来個体が混じっている可能性は否定できない。

例えば、1933年に八丈島で捕獲された個体は自然分布とされており、北海道のウトナイ湖で繁殖した個体が茨城県霞ケ浦まで渡ったことが確認されている。

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種・分類一覧