- 解説一覧
- コハクチョウ(Cygnus columbianus)について
コハクチョウ(Cygnus columbianus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
-
Cygnus columbianus (Ord, 1815)
基本情報
- 分布
-
全北区。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北極圏に繁殖分布し、冬は両大陸南部に点々と渡ってすごす。
日本には本州から九州までの各地に、10月から翌年の4月まで冬鳥として渡ってくる。
北海道では旅鳥である。まれに亜種のアメリカコハクチョウ(C. c. columbianus)がくる。
希少種に指定されている。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
-
コハクチョウ C. c. bewickii とアメリカコハクチョウ C. c. columbia-nus の2亜種があり、コハクチョウの方がやや小さい。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 人間との関係
-
青森県の「小湊のハクチョウおよびその渡来地」は1952年に特別天然記念物に、福島県の「猪苗代湖のハクチョウおよびその渡来地」は1972年、新潟県の「水原のハクチョウ渡来地」は1954年に天然記念物に指定。
青森県、島根県ではハクチョウが県鳥。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
-
全身が白色で、嘴は黒く、上嘴基部が黄色。この黄色斑は鼻孔に達しない(オオハクチョウでは鼻孔の開口をこえて鋭角にとがる)。
アメリカコハクチョウの嘴はほとんど黒色で、眼の前に黄色の小斑があるが、斑のないものもいる。
足と蹼は黒い。頭・頸・下面は生息地の土壌環境によって橙褐色に染まることがある。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 似ている種 (間違えやすい種)
-
ハクチョウとはわずかに首が短く、頭が大きくて身体と嘴が短い点で区別されるが、単一個体として観察した際に識別するのは難しい。
もっとも安全な区別法としては、嘴の色のパターンがあり、コハクチョウは黄色の割合が黒色より少なくなっている。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
-
低地から山地にかけての、湖沼、潟湖、大きい河川、水田、湿地などで冬をすごす。
繁殖地では、ツンドラ地帯の曲がりくねってゆっくり流れる河川や湖沼の多い湿地にすむ。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 食性
-
地上を歩きながらついばんだり、草の穂をしごいたり、水面でくちばしをグチャグチャと動かしてこしとったりする。
浅い水中に首を入れたり、逆立ちになって上半身を入れたりして、水底の草や堆積物をついばむこともする。
大型で首が長く、カモ類よりも深い水底を採食に利用できる。
ほとんど植物食で、水草の葉・茎・地下茎・根茎・種子・果実などを食べる。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
-
繁殖期は6~7月、一夫一妻で繁殖する。地上の草むらか、あるいは水につかるところに、直径 1 mぐらい、高さ 50~60 ㎝ぐらいの大きな堆積物のような巣を、草、枝、コケ類などを用いて雌雄でつくるが、巣そのものは雌がつくる。
巣は皿形で、雌は自分の綿毛を産座に敷く。1巣卵数は3~5個、雌のみが抱卵し、雛は29~30日ぐらいで孵化する。
雛は幼綿羽に包まれ、早成性の離巣性である。両親が世話をし、40~45日ぐらいで自立できるようになる。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 鳴き声
-
通常のハクチョウと似ているが、ハクチョウと比べてブウブウと鳴くことが少なく、キャンキャンと大きく鳴くことが多い。
また、平均して甲高く、少し調子の狂った(二重母音のような印象を受ける)声を出す。
鳴き声の発声は3〜4回繰り返されることはなく、しばしば2回や1回に留まる。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
-
繁殖期にはなわばりをもって分散し、なわばりは約 2,000 haぐらいである(Cramp & Simmmons, 1983)。
繁殖に成功したものは家族群をつくって換羽地にいき、また越冬地にいく。
冬の群れはいろいろな大きさになり、塒では大群になるが家族は崩さない。
冬の群れの中で、しばしば家族間の一連の騒々しい挨拶のディスプレイが見られる。
参考文献
最終更新日:2020-06-18 キノボリトカゲ