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コクガン(Branta bernicla)の分類 カモ科(Anatidae)
コクガン(Branta bernicla)の概要 コクガン属(Branta)

コクガン(Branta bernicla)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Branta bernicla (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:31~37 mm
・翼長:325~352 mm  
・跗蹠:53~65.5 mm
・尾長:96~101 mm
・体重:1.1~2.5 g位
・卵:長径 67~78.5 mm×短径 44.5~51 mm 平均長径 71.5 mm×短径 47 mm 体重 62.7~74.4 g

参考文献

最終更新日:2020-06-19 キノボリトカゲ

分布

全北区。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の環極地方に繁殖分布し、冬はイギリス、中国南部、日本、北アメリカ大陸西部と東部沿岸などに渡ってすごす。

極地的な鳥で、どこにでもいるわけではない。日本には冬鳥として北海道、本州、佐渡島に渡ってくる。

函館湾、陸奥湾、松島湾はよく知られた渡来地で、松島湾では毎年100羽ぐらいが越冬する。

そのほか、本州、九州の各地の海岸に1~10羽ぐらいがまれに現れる。

北海道の根室地方には、11月ごろ数千羽の大群が現れる。希少種に指定されている。

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分類学的位置付け

カモ目 カモ科

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最終更新日:2020-06-19 キノボリトカゲ

人間との関係

1971年に天然記念物に指定。

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最終更新日:2020-06-19 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

頭部から上胸は煤黒色で喉の両脇に不規則な白色の横斑がある。

上面は煤黒色で、風切は黒色。上尾筒は白色、尾は黒色。

下面は煤黒色で羽縁の白色は尻に向かって目立つようになり、白色の横斑となる。下腹から下尾筒は白色。嘴と足は濃黒色。

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幼鳥の形質

頭部、頸は褐色勝ちで、成鳥の頸にある白色斑と脇の各羽にある白色と縁を欠き、雨覆羽には淡色の縁がある。

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卵の形質

卵は灰白色で斑紋を欠く。

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生態

生息環境

越冬地では、海岸の入江や内湾の砂浜、遠浅の砂泥地にいる。

漁港に入ってきたり、岩石の多い磯に現れることもある。

繁殖地では、低地の海岸の潮干帯からあまりはなれないところで、多数の潮の満ち干の流れに寸断されるようなツンドラ平原にすむ。

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食性

潮干帯の潮溜りや流れのふちで、草や藪の新しい枝・葉を食べる。雛は昆虫も食べる。

越冬地では浅い海でアマモを食べるが、アマモが減るとコクガンも減ってしまうといわれるほどアマモに依存しているガンである。

また、波の洗う岩礁地や漁船を引き上げるコンクリート岸壁の周辺などで、ゆっくり歩いたり泳いだりしながらアオサの葉や葉状体をくちばしで盛んにむしりとって食べる。海岸の採食者である。

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最終更新日:2020-06-19 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は6~7月、一夫一妻で繁殖する。

巣は、池の沿岸や小島の低い草の茂みや藪の下などの水につからない小丘状の場所の窪みにつくり、草で内張りをする。雌雄でつくる。

産卵・抱卵期を通して羽毛が加えられる。1巣卵数は3~5個で、ふつうは4個。

雌のみが抱卵し、雄は 100 m以内にとどまって見張り、警戒を必要とするときだけ巣に近づく。

雛は22~25日ぐらいで孵化し、早成性の離巣性である。

コロニー全体で雛の孵化はよく一致していて、失敗しても再営巣はしない。

突然の降雪で卵が全滅することもあり、その年はまったく繁殖できない。雛の世話は両親で行う。

雛の孵化後10日ほどで親は換羽になって飛べなくなるが、これは30日ほどで終わる。

雛は40~50日で独立できるようになる。若鳥は換羽のために安全な地域に移動する。

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鳴き声

クワーク、クワークまたはクラーク、クラークと2声または1声づつ啼き、飛翔中にはグルルルーと啼く。

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最終更新日:2020-06-19 キノボリトカゲ

特徴的な行動

非繁殖期には群れで生活する。繁殖地には群れでもどり、雪解けを待って近くの水域で群れてすごす。

番は、群れから離れて営巣場所を探しに出たりもどったりする。

このとき雌が先導で出かける。繁殖地ではコロニーへ集まる。番は約 4,000 ㎡を防衛する。

番は生涯のもので、生涯の第2の冬に形成されるらしく3歳で繁殖に入る(Johnsgard, 1978)。

番の形成は繁殖地の夏に始まり、冬の越冬地でピークに達する。

空中での追いかけや、ガンやハクチョウ類によく見られる凱旋セレモニーとよばれるディスプレイを行うらしい。

これは家族がもどってきたときなどに行い、コーリングをともなう騒ぎである(Johnsgard, 1978)。

若鳥は家族でいっしょにいることが多く、翌年の繁殖期まで続く(Cramp & Simmons, 1977)。

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最終更新日:2020-06-19 キノボリトカゲ

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