- 解説一覧
- ハイタカ(Accipiter nisus)について
ハイタカ(Accipiter nisus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Accipiter nisus (Linnaeus, 1758)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:雄 10~12 mm 雌 14~16 mm
・全嘴峰:雄 17~20 mm 雌 22~26 mm
・翼長:雄 202~220 mm 雌 232~258 mm
・跗蹠:雄 52~55 mm 雌 59~65 mm
・尾長:雄 145~161 mm 雌 176~194 mm
・体重:雄 113~210 g 雌 157~265 g
・卵:長径 33~39.3 mm×短径 32.2~34.2 mm 平均長径 42.2 mm×短径 34 mm 重量 22.4~25.2 g
参考文献
最終更新日:2020-06-16 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸の温帯・亜寒帯で繁殖し、亜寒帯で繁殖するものは南下して越冬する。
日本では本州以北で繁殖する留鳥だが、少数は冬は暖地に移動する。希少種に指定されている。
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形態
- 成鳥の形質
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【雄】
額、頭上、後頭、後頸は暗青灰色か暗石盤灰色で、各羽の羽軸は黒色である。
額、頭上、後頭の各羽の基部は灰色であるが、後頸の各羽の基部は白色で、白色部が暗石盤灰色の羽の間から所々現れている。
額は全体にやや赤錆色を帯びている。眼の上には白色の眉斑がある。
眼先は灰色、眼の後方と眼の下は暗石盤灰色である。
耳羽の下方は赤錆色で、黒褐色の軸線があり、腮、喉は白色または灰白色で、黒色の軸斑があり、ときには全体に赤錆色を帯びているものもある。
背、肩羽、腰、上尾筒は青灰色または石盤灰色で、背の各羽には黒色の羽軸があり、腰と上尾筒の各羽には暗色の羽軸がある。
肩羽の各羽の中央には白色の斑がある。
胸、腹、脇は白色で、赤錆色または赤錆色を帯びた暗褐色または褐色の横縞が多数あるが、その幅はときには広くときには狭く個体によりいろいろで、各羽には暗色の羽軸がある。
ときには下面全体が一様に赤錆色を帯びているものもある。脇の横縞は腹より幅が広く、下腹まで横縞の色が淡い。
下尾筒は多くは白色であるが、稀に腹と同色の横縞が少しあるものある。下雨覆、腋羽は腹と同様である。
風切羽は暗灰色で、初列風切、次列風切には黒色の横縞が3~5条くらいあり、内弁の基部は白色である。
三列風切もこれと同様であるが、中央には白色の斑が3箇くらいある。大、中、小翼羽、初列雨覆、小雨覆は青灰色または石盤灰色である。
尾は汚灰色で、暗石盤色の幅の広い横縞が4条あるが、中央の尾羽の横縞はときに不明瞭なものもある。
各羽端には白色の縁がある。嘴色は灰色の角色で、両側に淡色の斑がある。蝋膜は黄色。
虹彩は雄の場合は暗黄色からオレンジ赤色までの各種の色、雌は暗黄色。脚色は黄色、脛羽は腹と同様である。
【雌】
雄より形が大きい。頭上、後頭、後頸は青味がなく灰褐色勝ちである。眼の後方の上部には白色の幅の広い眉斑がある。
背、肩羽、腰、上尾筒は褐色勝ちで、ときには灰色の羽縁がある。
胸、腹、脇は白色で、黒褐色または灰褐色の横縞があるが、雄のように下面全体が赤錆色を帯びているのは稀である。
翼は褐色勝ちで、小雨覆にはときに灰色の羽縁があるものもある。ほかは雄と同様である。
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- 幼鳥の形質
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【雛】
初毛は白色で、短くまばらである。初綿羽は白色で極めて少ない。
これに替わって生える幼綿羽は白色であるが、背および翼は淡バフ色を帯びている。
【幼鳥】
体の上面は褐色で、雄では各羽に赤錆色の羽縁があり、全体として赤褐色を呈している。
雌では各羽に赤錆色を帯びた褐色の羽縁がある。後頭と眉斑は白色で、各羽の先端は黒褐色である。
雄では体の下面はクリーム色、淡赤錆色、白色などで、喉、上胸には褐色の縦斑、雨滴形の斑あるいは丸い斑などがある。
下胸、腹には褐色の横縞が多少ある。雄の横縞は雌の幼鳥の横縞の様に規則正しいものは稀で、ときには下胸と腹にも褐色の丸い雨滴形の斑があるものさえある。
雌では、体の下面は雌の成鳥のそれとほとんど類似してるが、横縞の幅がそれより広く、ときには暗褐色を呈する。
横縞は雌では規則正しい。喉には褐色のハート形の斑があり、各羽の先端には褐色の軸線がある。虹彩はレモン黄色である。
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生態
- 生息環境
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平地から亜高山帯の林に生息し、林内、林緑の高地や草地などで獲物を捕える。秋と冬には海岸近くの農耕地やヨシ原まで出てくることがある。
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- 食性
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主にツグミくらいまでの小鳥を狩るが、ネズミやリス、ヒズミなどを捕えることもある。
ハイタカとツミは第3趾が異常に長く、指だこが発達しており、獲物をつかまえやすくなっている。
雌の体重は雄の2倍あり、雌のほうが大きめの鳥を餌にする(東條, 1993)。
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- ライフサイクル
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産卵期は5月、一夫一妻で繁殖する。カラマツの枝を主材に、皿形の巣を雌雄共同でつくる(Cramp & Simmons, 1980)。
1巣卵数は4~5個、雌が32~34日抱卵し、雛は24~30日で巣立つ(清棲, 1978)。雛への給餌は雌だけが行う(東條, 1992)。
雄から雌への餌の受け渡しは巣の外で行われる。雄は雌が出巣している間にしばしば巣を訪れ、転卵や巣材を整える(東條, 1993)。
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