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- オオノスリ(Buteo hemilasius)について
オオノスリ(Buteo hemilasius)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Buteo hemilasius Temminck & Schlegel, 1844
基本情報
- 分布
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中国北東部・モンゴル北東部・チベット・シベリア南東部などで繁殖し、冬期は北インド・ミャンマー・中国中部・朝鮮半島などに渡る。
日本ではまれな冬鳥として、九州・対馬で記録された。
参考文献
最終更新日:2020-09-23 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄成鳥】
頭上は褐色で各羽の先はやや淡く、各羽の両側には鏽バフ色の縁がある。後頸および背は濃い暗褐色で各羽は両側にバフ色の縁がある。
腰は一様に濃い褐色。上尾筒は褐色で各羽の先はバフ白色、外弁にはバフ色および白色の不規則斑がある。
尾は角尾だが外側のものは約 2 cmくらい短い。尾羽の数は12枚。
中央尾羽は淡褐色で軸および軸に沿う部分は白く、先端はバフ色である。
5~8本の暗色帯が認められるが、先の方の2~3本以外は完全に不明瞭である。
そのほかの尾羽の外弁は褐色、内弁の先はバフ色または褐色であるが基部に近い方は白く、内弁にのみ不規則な褐色横帯が4~5本ある。
各尾羽とも斑紋に変化が多く、しばしば虫蠧斑および不定形な斑紋が混じっている。
初列風切の第2または第5羽の外弁には段があり、第1または第4羽の内弁には深い欠刻がある。
初列風切の色は先半は暗褐色、基半は白色。両者の境には褐色の虫蠧斑を有する。
外弁は先に近いところ以外は灰色を帯びており、内側数枚の先端は淡褐色である。
次列風切は内側初列風切に似ているが内弁にはかなり明らかな褐色横帯があり、三列風切も同様であるが、この横帯は不鮮明ながら外弁まで通っている。
初列雨覆は次列風切に似ている。そのほかの雨覆は褐色で鏽バフ色の円がある。
ただし翼の前縁をなす1列の小雨覆は羽縁が白色である。眼先はクリーム白色で、各羽の先は毛状となっている。
頬および耳羽はバフ色で、褐色軸斑を有する。下面の地色はクリーム白色であるが、喉および耳羽はバフ色を帯びている。
腮および喉にはやや細い褐色縦斑があり、上胸には広い褐色斑がある。
下胸の色は変化が多くほとんどクリーム白色無斑紋のもの、細い褐色縦斑を有するもの、ほとんど一様に褐色であるものなどがある。
腹および下尾筒は通常斑紋はないが、ときには小縦斑または小横斑があることがある。
脛の羽毛はチョコレート褐色で各羽の先には狭い鏽バフ色縁がある。跗蹠も上半部は脛と同色の羽毛に覆われている。
この羽衣は完全な換羽によって得られるもので、早いものは2月頃体羽の換羽に入るが、換羽は11月頃まで徐々に行われるため、全体が新羽に覆われているときはない。
風切および尾羽は6,7月移行に換羽するもののようである。嘴は角黒色であるが基部は淡く青色を帯びている。
蝋膜は帯青黄色。跗蹠および趾は黄色。爪は黒色。虹彩は淡褐色または茶褐色。
【雌成鳥】
羽色は雄成鳥と同じ。雄成鳥より遥かに大きい。
参考文献
最終更新日:2020-09-23 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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頭上の羽毛の羽縁が広く、白味勝ちで、背以下の背面の褐色が淡く、尾羽の褐色横斑が中央対までその全長に渡って明らかなものが幼羽と考えられる。
このようなものは下面の褐色縦斑は狭く、下胸はクリーム白色に少しばかりの縦斑を有するのみで、脛の羽毛は淡いチョコレート色である。
(第1回冬羽)第2年の春から秋にかけて徐々に完全な換羽を行い成鳥になると考えられる。
参考文献
最終更新日:2020-09-23 キノボリトカゲ
生態
- 食性
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ウサギ・ネズミなどのほか、カモ・カエル・トカゲ・ヘビや大型昆虫なども捕食。
そのほか多種の齧歯目小獣を主食とすることが知られている。雛はネズミウサギなどを切り裂いたものを与えられる。
参考文献
最終更新日:2020-09-23 キノボリトカゲ
- 産卵
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産卵期は5~6月で、チベットでは4月に産卵するものがいる。
岩壁の棚や岩の間などに枯れ枝などで巣をつくり、産座には羊毛やウシの毛を敷く。1腹卵数は2~3個、まれに4個。
参考文献
最終更新日:2020-09-23 キノボリトカゲ