- 解説一覧
- ヒメクイナ(Porzana pusilla)について
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:15~17 mm
・翼長:81~92 mm
・跗蹠:25~30 mm
・尾長:43~47 mm
・体重:雄 40~56 g 雌 27~48 g
・卵:長径 26~30.7 mm×短径 19.1~21.8 mm 平均長径 28.1 mm×短径 20 mm
参考文献
最終更新日:2020-07-31 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区、エチオピア区、オーストラリア区。
ユーラシア大陸の温帯、アフリカ大陸南部、マダガスカル島、オーストラリア大陸、ニュージーランドで繁殖し、ユーラシア大陸のものはアフリカ大陸北部、アジアの熱帯に渡って越冬する。
日本では本州、四国、北海道で少数が繁殖し、一部は本州、九州で越冬するが数は少ない。本州中部以南では、春と秋に通過する。
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最終更新日:2020-07-31 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄】
額の中央、頭上・後頭・後頸までは赤錆色を帯びたオリーブ褐色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。
額側から眼の上まで淡灰色の眉斑があり、眼先から眼の後方まで赤錆色を帯びた褐色の過眼線がある。腮・喉は白色である。
肩羽・背・腰・上尾筒は赤錆色を帯びたオリーブ褐色で、各羽には黒色の軸斑があり、羽縁近くには白色の小斑と小点がある。
胸・腹は淡灰色で、胸側の各羽には赤錆色を帯びたオリーブ褐色の縁があり、下腹と脇・下尾筒は黒褐色で白色の横縞が多数ある。
下雨覆・腋羽は黒褐色で、白色の横縞が多数ある。
初列風切は褐色で、第1羽の外弁には白色の縁がある。
次列風切は褐色で、各羽端には白色の小斑がある。三列風切は細長い形で初列風切との差は 10 mmくらいである。
色は背と同様である。小雨覆は赤錆色を帯びたオリーブ褐色、初列雨覆は褐色、小翼羽は褐色で、先端には白色の小斑がある。
尾は黒褐色で、赤錆色を帯びたオリーブ褐色の縁がある。
嘴色は暗オリーブ色、上嘴の基部と下嘴は草緑色。虹彩は暗赤色、脚色は淡オリーブ褐色または淡褐色。
【雌】
雄に酷似しているが、腮・喉は白色、胸は灰白色である。
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- 幼鳥の形質
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【雛】
孵化直後の雛は全身に黒色の長い幼綿羽が密生し、頭上、喉、体の上面は緑色の金属光沢が強く、体の下面は光沢が弱い。
【幼鳥】
眼の上には赤錆色を帯びた黄褐色の眉斑がある。体の上面は成鳥と同様である。
喉の両側は赤錆色を帯びた淡褐色である。
体の下面は汚白色で、下腹には褐色の太い横縞があり、脇は白色で、黒褐色の太い横縞がある。
嘴色は褐色褐、下嘴の基部は緑色。虹彩は淡褐色、脚色は褐色を帯びた肉色。
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最終更新日:2020-07-31 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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湖沼、河川、水田、湿地などのヨシや水草の茂った水辺を好む。
警戒心が強く、すぐヨシの中に潜行してしまうため姿をみる機会はまれである。
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最終更新日:2020-07-31 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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年に1~2回、一夫一妻で繁殖する。繁殖期にはヒクイナに似た声で啼くという。
草むらに枯れ草などを用いて、雌雄共同で皿形の巣をつくる(Cramp & Simmons, 1980)。
巣は分散して分散することから、番はなわばりをもつと考えられるが詳細は不明。
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- その他生態
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5~8月に6~8卵を産み、雌雄交替で14~16日抱卵する(Cramp & Simmons, 1980)。
雛は早成性で、孵化後まもなく巣を離れ、約35日で飛べるようになるが、その前に独立する。
雌雄共同で雛に給餌する(Cramp & Simmons, 1980)。冬は単独でいることが多い。
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