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ノガン(Otis tarda)の分類 ノガン科(Otididae)
ノガン(Otis tarda)の概要 ノガン属(Otis)

ノガン(Otis tarda)

危急 (VU)

【IUCN】絶滅の危険が増大している種

【 学名 】
Otis tarda Linnaeus, 1758

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:50 mm
・翼長:560~645 mm
・跗蹠:140~158 mm
・尾長:250~270 mm
・体重:3~10 kg
・卵:長径 74.4~86.2 mm×長径 52~60 mm 平均長径 79.8 mm×短径 55.7 mm

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最終更新日:2020-07-14 キノボリトカゲ

分布

迷鳥として北海道、本州(青森、長野、岐阜、兵庫、三重、鳥取)、九州、五島列島で獲られた記録がある。

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学名の解説

属名はギリシャ語でノガンの意味。種小名はラテン語で遅いという意味もあるが、スペイン語のノガンに由来したという。

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最終更新日:2020-09-01 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

ツル目 ノガン科

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最終更新日:2020-09-01 キノボリトカゲ

人間との関係

ハンガリーの国鳥

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最終更新日:2020-09-01 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雄】
頭部は淡灰色、頭上には暗色の縁があり、中央は石盤色である。

腮・喉は淡灰白色、喉の両側には同色の長さ 170 mmくらいの細長いヒゲのような羽が10数本生えている。

後頸は赤錆色で、ときには暗色のものや淡色のものなどがある。

前頸・頸側は淡灰色、肩羽・背・腰・上尾筒は赤錆色で、黒色の幅の広い横縞が多数あるが、赤錆色は濃淡さまざまである。

胸は淡灰色で、黄味がかった赤錆色の幅の広い帯がある。腹・脇・下尾筒は白色である。

下雨覆・腋羽は白色。初列風切は暗褐色で、基部は淡色、羽軸は褐白色である。

次列風切は黒褐色で、外弁の基部と内弁の基半部とは白色である。

内側のものは灰白色で、先端は黒色、最内側の2~3枚は全部灰白色である。三列風切は背と同様である。

大・中雨覆は淡灰色で、基部と先端とは白色で、内側のものは黄味がかった赤錆色で、黒色の横縞がある。

小雨覆は淡灰色で、内側のものは黄味がかった赤錆色で、黒色の横縞がある。

尾は赤錆色で、黒色の横帯が2条ずつあり、前後には黒色の大理石様の斑があり、基部は白色である。

最外側の1対は白色で、先端は灰色を呈し、先端近くには石盤色の横帯がある。

次の1対の先端は灰色で、先端近くには黒色の帯があり、この帯から後は黄味がかった赤錆色を帯びている。

嘴色は鉛灰色、先端は黒色を帯びた角色、虹彩は暗褐色、脚色は赤錆色を帯びた暗灰色。

【雌】
胸には黄味がかった赤錆色の帯がなく、喉の両側は黄味がかった赤錆色で、黒色の横縞がある。ヒゲ様の細長い羽を欠いている。

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最終更新日:2020-07-14 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は全身に短い幼綿羽が密生し、体の上面はクリーム黄褐色で、黒褐色の斑紋や線が散在し、体の下面はクリーム黄褐色で中央部は淡色で白色に近い色である。

【幼鳥】
頭上は赤錆色で、黒色の大理石様の斑紋がある。

頸・喉は淡灰色で、各羽縁は黄味がかった赤錆色である。鬚様の羽を欠いている。前頸は淡灰色である。

体の上面は赤錆色で、黒色の不規則な横縞がある。雨覆羽は灰鼠色で、暗褐色の横縞が多数ある。

三列風切は赤錆色で、黒色の大理石様の斑紋があり、初列風切には白色の縁がある。

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卵の形質

卵はオリーブ緑色、オリーブ黄緑色などの地に黒褐色の斑紋と灰鼠色の斑点とが散在し、ときには斑紋が密在するものもある。

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生態

生息環境

日本には迷鳥として稀に各地に渡来するが、韓国には冬鳥として毎年渡来する。

中国東北部やモンゴルでは灌木の散在する広々とした平原や耕地に生息する。山岳、森林、湿地などに生息することは稀である。

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食性

植物質を摂り穀類(例えば高粱)、農作物(例えば大豆、緑豆)、種子、植物の葉、根などを好んで食物とするが、そのほか昆虫類の直翅目(例えばバッタ、コオロギ、ダイミョウバッタ、ケラ)、鞘翅目(例えばゲンゴロウダマシ、ヒラタシデムシ、コフキコガネ、センチコガネ、カタビロオサムシ、コメツキムシ)、革翅目(例えばハサミムシ)、半翅目、双翅目や両生類の無尾目(例えばカエル)、爬虫類のトカゲ目、ヘビ目、哺乳獣類囓歯目、(例えばネズミ)、環形動物、軟体動物の腹足類有肺目(例えばナメクジ)なども食物とする。

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鳴き声

誇示するときに雄はフーフーと啼くことがある。

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最終更新日:2020-07-14 キノボリトカゲ

特徴的な行動

広濶な平原に降りて数羽または10数羽くらいの小群で餌を漁る。

渡りのときには10~20羽くらいで群れるのが常で、ときには40~50羽くらいの大群のこともある。

採食地を定め、常に同じ場所に飛来して餌を漁る。頭部を直立させ体を水平にして堂々と両脚を交互にして歩行し、走ることは稀である。

ときには地上に胸や腹をつけて日光浴をすることもある。

警戒心が強くて中々近寄らせず、視力が良いので遠方から飛び立つのが常である。

飛び立つときには風上に向かって数歩走ってから舞い上がり、翼を緩慢に力強く羽搏いて飛翔する。

飛翔速度は遅いように見えるが、1時間に 6~8 kmである。

飛翔時には 30 m以下の低空を飛翔するのが常で、下方からは体全体が真っ白く見え、翼の割合に体が巨大で、頸と脚を前後に長く伸ばす。

繁殖期には雄同士で激しく争闘し、相手が全く飛べなくなるまで闘う。

繁殖期に雄は頭を後方に引いて、頸部を前方に突き出し、喉を膨らまし、胸の羽を立て、両翼を下げて裏面の白色部を裏返すくらい前方に向け、尾を扇形に立てて誇示する。

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最終更新日:2020-07-14 キノボリトカゲ

関連情報

その他

「日露渡り鳥条約」指定種、「ボン条約」付属書Ⅰ・Ⅱ掲載種

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最終更新日:2020-09-01 キノボリトカゲ

種・分類一覧