- 解説一覧
- シロチドリ(Charadrius alexandrinus)について
シロチドリ(Charadrius alexandrinus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Charadrius alexandrinus Linnaeus, 1758
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:16~19 mm
・翼長:102~119 mm
・跗蹠:25~30 mm
・尾長:44~54 mm
・体重:36~67 g
・卵:長径 30.5~35 mm × 短径 22.5~25 mm 平均長径 32.5 mm × 短径 23.9 mm 重量 9.4~10.3 g
参考文献
- 清棲幸保 1955 シロチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 764-767.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 分布
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全北区。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸西部の低・中緯度地方に点々と不連続に繁殖分布し、冬はアメリカ大陸、インド、東南アジア、メキシコなどに渡ってすごす。
日本には夏鳥として本州以南に渡来して繁殖する。
3月に現れ8月ごろまでいるが、渡りのものを含めると9~11月ごろまで見られる。本州西南部以南で、少数が越冬する。
参考文献
- 中村登流 1995 シロチドリ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 176.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 学名の解説
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種小名は基産地のエジプトのアレキサンドリアに由来。
参考文献
- 吉井正 2005 シロチドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 273-274.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
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ハシボソシロチドリ
参考文献
- 吉井正 2005 シロチドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 273-274.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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チドリ目 チドリ科
参考文献
- 吉井正 2005 シロチドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 273-274.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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三重県の県鳥
参考文献
- 吉井正 2005 シロチドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 273-274.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄夏羽】
額は白色で、頭上との境には黒色の帯があり、頭上・後頭・後頸は淡赤褐色で、額の黒色の帯の付近は黄味がかった赤錆色を帯びている。
眼の上には白色の眉斑があって、額の白色部に引き続いている。
眼先から耳羽の丈夫までは黒色で、幅の広い過眼線をなしている。頬・腮・喉は白色で、頸にある白色の太い頸輪に引き続いている。
肩羽・背・腰・上尾筒は淡黄褐色で、ときには淡赤錆色を帯びているものもある。
胸・腹・脇・下尾筒は白色、両胸側には黒色の太い帯がある。下雨覆・腋羽は白色。初列風切は暗褐色で、内弁の縁は白色である。
内側のものの外弁の一部は白く、先端には白色の縁がある。第2羽の羽軸は白色であるが、ほかは褐色で、その中央部だけが白色である。
次列風切は暗褐色で、内弁の縁は白色であり、内側のものの先端には白色の縁があり、最内側のものが大部分白色である。
三列風切、大、中、小雨覆、初列雨覆、小翼羽は淡黄褐色である。
尾は中央の1対は暗褐色、ほかは暗褐色で一部分は白色を呈し、外側の3対は白色である。
嘴色は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は黒色を帯びた石盤色。
【雌夏羽】
額にある黒色の帯を欠き、眼先から耳羽の上部まで淡黄褐色の過眼線が走っている。
頭上は雄より赤錆色が少なく、胸側の帯は淡黄褐色を呈する。
【雌雄冬羽】
雌の夏羽に類似するが、頭上は暗色である。雄では額および胸の黒色の斑は夏羽のままである。
参考文献
- 清棲幸保 1955 シロチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 764-767.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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雌成長に類似するが、頭上・体の上面の各羽には黄味がかった赤錆色の縁と暗褐色の軸線とがあり、全体に赤錆色を帯びている。
参考文献
- 清棲幸保 1955 シロチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 764-767.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 卵の形質
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卵はクリーム色または赤錆色を帯びたクリーム色の地に、暗褐色またはセピア色の小斑点や曲線形の斑紋および灰色の斑点が散在し、これらの斑は鈍端の方に密在するのが常である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 シロチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 764-767.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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海岸の砂浜、河口の干潟、大きい河川の広々とした砂州などで繁殖し、渡り期や越冬地では海岸や河口の干潟、潟湖、湖沼、溜池、河川などの砂泥地で見られる。
参考文献
- 中村登流 1995 シロチドリ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 176.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 食性
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急速に走って急停止し、急に方向を変えてついばむ。見てみぬふりをして、急襲するタイプである。
鞘翅類や半翅類などの昆虫、クモ類、ハマトビムシなどの甲殻類、ミミズやゴカイ類、小型の貝類などを食べ、引く波を追いかけ、砂に隠れるヨコエビを捕らえる。
参考文献
- 中村登流 1995 シロチドリ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 176.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は3~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は、砂地の漂流物の間や疎らな草の間などの浅い窪みに、木片、小石、貝殻片などを敷いてつくる。
雄がいくつもの窪みを掘り、雌がその1つを選んで雌雄共同でつくる。1巣卵数は3個が多い。雌雄交替で抱卵する。
主として雄が夜間を、雌が昼間を担当し(中澤. 1979)、日中、雄は巣の近くで見張る。
24~27日ぐらいで孵化した雛は早成性の離巣性で、両親の世話で育ち、27~31日ぐらいで独立する。
参考文献
- 中村登流 1995 シロチドリ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 176.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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ピョイ、ピョイ、ピピピピピまたはピォ、ピォ、ピォと清く澄んだ声で啼き、飛翔中にはピリッ、ピリッまたはピルッ、ピルッ啼く。
参考文献
- 清棲幸保 1955 シロチドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 764-767.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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非繁殖期には群れ、ふつうは20~40羽ぐらいの小群だが、200~3000羽の大群になることもある(清棲. 1978)。
繁殖期にはなわばり分散をし、なわばりがルーズに集まっていることが多い。
雄は、地上で水平くらいになり冠羽や背の羽毛を起こして、突撃する脅しのディスプレイをする。
また雄は、地上 15 mぐらいの高さで体を左右に傾けながら、バタフライ型で飛び回るフライトディスプレイをするが、コチドリやイカルチドリほど盛んでない。
さらに、雄は砂地に窪みを掘りながら雌を呼ぶスクレイピングディスプレイをする。
コチドリなどとちがう点は、近づいた雌が雄の開いた尾羽の下に入るのではなく、雄を押しのけて窪みに入ることである。
参考文献
- 中村登流 1995 シロチドリ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 176.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ