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- コシギ(Lymnocryptes minimus)について
コシギ(Lymnocryptes minimus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Lymnocryptes minimus (Brunnich, 1764)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:38~47 mm
・翼長:97~120 mm
・跗蹠:19~25 mm
・尾長:50~55 mm
・卵:長径 35~44.5 mm×短径 25.5~30 mm 平均長径 38.6 mm×短径 27.4 mm
参考文献
最終更新日:2020-08-13 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸の高緯度地方に繁殖分布し、ヨーロッパ南部、アフリカ大陸中部、インド、東南アジアなどに渡って越冬する。
日本では旅鳥かまたは冬鳥で、北海道と本州の宮城、福島、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川、静岡、石川、兵庫、山口の各県に記録がある。
記録は10月から翌年の5月までである。
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形態
- 成鳥の形質
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【雄雌】
額・頭上・後頭は黒色で、中央には赤錆色の小斑からなる頭央線が走っている。
頭上の両側には黄褐色の幅の広い線があり、その中央には更に黒色の線が走っている。
眼先から眼の後方まで褐色の斑からなる過眼線がある。眼の下一帯は汚白色で、下部には褐色の線が過眼線とやや平行に走っている。
腮・喉は汚白色である。後頭は褐色で、黒色の小斑と線があり、各羽の先端には白色の小斑がある。頸側は白色で黒褐色の斑がある。
背・肩羽の各羽の中央は黒色で、赤褐色の斑があり、外弁には淡オーカー色の幅の広い縁があり、内弁には金属光沢のある緑色の縁がある。
この淡オーカー色の縁は背に2条の縦線を描いている。前頸から上胸までは淡赤錆色で、暗褐色の縦斑がある。
胸・腹・脇・下尾筒は白色で、脇には暗褐色の幅の広い縦斑があり、下尾筒には暗褐色の細い縦斑がある。
腰は汚紫色で、各羽端には白色の細い縁がある。上尾筒は赤錆色で、黒色の軸斑がある。
下雨覆の中央は白色、翼縁の部分および大雨覆の下部は汚灰色で、各羽には白色の縁がある。
初列風切は無光沢の黒色で、羽端には汚白色の細い縁がある。
次列風切は無光沢の黒色で、羽端には汚白色の幅の広い縁がある。
三列風切は黒色で、赤褐色の小斑と横斑とがあり、内弁は無光沢の暗褐色である。
大雨覆は黒色で、褐色の縁があり、内弁の先端には白色の斑がある。
中・小雨覆は黒色で、赤褐色の斑と白色の細い縁とがある。初列雨覆・小翼羽は黒色。
尾は中央の1対は赤錆色で、羽軸付近には黒色の斑があり、ほかの尾羽は灰褐色で、淡黄褐色の斑と縁がある。
嘴色は黄色を帯びた肉色、先端は黒色、会合線は暗灰色。虹彩は暗褐色。
脚色は春季は、緑色または灰色を帯びた肉色で、ほかの時期には褐色を帯びた肉色で、関節だけ緑色または灰色を帯びている。
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最終更新日:2020-08-13 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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河原の藪の多い水辺、水田、沼沢地、ヨシなどの草地で見られる。地上に潜むとなかなか飛び立たない(清棲, 1978)。
繁殖地では、針葉樹林の沼地や湿地、灌木草原にすむ。
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最終更新日:2020-08-13 キノボリトカゲ
- 食性
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めったに見ることができず、よくわかっていない。泥の上を歩きながら、くちばしで探りを入れるという。
またくちばしの先で地面を叩き、トビムシなどを表面に追い出して食べるともいう(Johnsgard, 1981)。
淡水生の軟体動物、昆虫、草の種子などを食べる。
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- 特徴的な行動
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繁殖期は5~7月と比較的長い繁殖期をもち、多分一夫一妻で繁殖する。地上に巣をつくり、1巣卵数は4個。
雌のみが抱卵し、21~24日ぐらいで孵化し、雛の世話は雌のみが行う。
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- その他生態
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非繁殖期は単独か小グループですごす。雄はなわばり期のみ目立つ。地上や空中から馬の走るような鳴き声でさえずる。
フライトディスプレイは地上 50~60 mを旋回し、急降下のとき尾羽で出す音響はなく、くちばしを叩いてメタリックな音響を出す(Johnsgard, 1981)。
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