ホウロクシギ(Numenius madagascariensis)の解説トップに戻る
ホウロクシギ(Numenius madagascariensis)の分類 シギ科(Scolopacidae)
ホウロクシギ(Numenius madagascariensis)の概要 ダイシャクシギ属(Numenius)

ホウロクシギ(Numenius madagascariensis)

準危急種 (EN)

【IUCN】近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

絶滅危惧II類 (VU)

【環境省】絶滅の危険が増大している種

【 学名 】
Numenius madagascariensis (Linnaeus, 1766)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:105-190 mm
・翼長:280-330 mm
・跗蹠:81-96 mm
・尾長:104-116 mm
・体重:558-1040 g

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

分布

旧北区分布型。ユーラシア大陸極東部のカムチャッカ半島とウスリーに限定されて繫殖分布し、東南アジアからニューギニア島、オーストラリア大陸にかけて越冬する。

日本には旅鳥として全土に現れ、8~10月と3~6月に見られる。

本州中部以南では少数が越冬する。希少種に指定されている。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

学名の解説

種小名のマダガスカルは、分布地を間違えたもの。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

チドリ目 シギ科

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雌雄同色】
頭部は暗褐色で、各羽には淡赤錆色の羽縁がある。眼の上には淡赤錆色を帯びた白色の不明瞭な眉斑がある。

腮は白色、喉・前頸は淡灰褐色で各羽には暗色の軸斑がある。後頸は暗褐色で、各羽には淡赤錆色の幅の広い縁がある。

背は黒褐色で、各羽には淡赤錆色を帯びた淡褐色の縁がある。翕と下背は多少灰色を帯びている。

肩羽は黒褐色で、羽縁には赤錆色の鋸の歯形の斑紋があるが、春季は色が濃い。胸・腹は赤錆色を帯びた淡黄褐色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。

胸側には暗褐色の横縞のような斑紋があり、腋は赤錆色を帯びた白色で暗褐色の軸斑と同色の横縞がある。

腰は黒褐色で、各羽には淡赤錆色を帯びた淡褐色の縁がある。

上尾筒は淡赤錆色で、暗褐色の横縞があり、下尾筒は赤錆色を帯びた白色で、暗褐色の縦斑がある。

下雨覆は白色で、黒褐色の斑があり、腋羽は白色で、黒褐色の横縞がある。

初列風切は黒褐色で、第2羽~第5羽までは内弁の縁に、ほかは内外弁の縁に白色の斑が横縞のようになっている。

内側風切の羽端には白色の細い縁がある。第2羽の羽軸は白色、ほかは褐白色である。

次列風切は黒褐色で、内外弁の縁には白色の鋸の歯形の斑紋がある。三列風切は黒褐色で、羽縁には赤錆色の鋸の歯形の斑紋がある。

大、中、小雨覆は暗褐色で、羽縁には赤錆色を帯びた白色の鋸の歯形の斑紋がある。

初列雨覆と小翼羽は黒褐色で、羽端には白色の縁がある。尾は淡褐色で、暗褐色の横縞がある。

嘴色は黒色、下嘴の基部は肉色。虹彩は褐色。脚色は青灰色または鉛色。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

体の上面の各羽には淡赤錆色の縁があり、体の下面には幅の狭い軸斑がある。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は洋梨形で汚オリーブ緑色の地に、緑色を帯びた褐色の粗大な斑紋と小斑点が散在する。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

似ている種 (間違えやすい種)

ダイシャクシギ

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

生態

生息環境

海岸の砂浜、入江の干潟、沼沢、海湾近くの芝原、河口の砂泥地などで見られ、ときとして農耕地、水田に入ってくることもある。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

食性

平坦な砂泥地で、長くて下湾したくちばしを深く差し込み、探りを入れてゴカイやカニ類をとり出して食べる。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繫殖地では、蘚類のピート湿原、ヨシ原、湿地草原、灌木が散在する湿った荒れ地などに営巣する。

繁殖期は5~7月。巣は小さい盛り上がりの上につくり、草で内張りをする。1巣卵数は4個。繫殖のくわしいことはわかっていない。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

鳴き声

ピーヨ、ピーヨ、ピーヨ、ピーヨ、ホイ、ホイ、ホイ、ピーヨ、ピーヨと大きな声で啼き、飛び立つときには必ず啼き、飛翔中にも啼く。遠くではホーウィーと聞こえる。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

特徴的な行動

雄は地上 10~15 mぐらいでフライトディスプレイを行う。

繁殖地では2~3番ぐらいがコロニー状に集まり、それぞれがなわばり分散をする(Johnsgard, 1981)。

非繁殖期には群れ、数百羽になることもある。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

その他生態

採餌、飛翔、歩行などの習性や動作はダイシャクシギに類似する。

参考文献

最終更新日:2020-05-21 キノボリトカゲ

種・分類一覧