- 解説一覧
- ハリモモチュウシャク(Numenius tahitiensis)について
ハリモモチュウシャク(Numenius tahitiensis)
【IUCN】絶滅の危険が増大している種
- 【 学名 】
-
Numenius tahitiensis (Gmelin, 1789)
基本情報
- 分布
-
新北区分布型。北アメリカ大陸のアラスカとベーリング海沿岸のごく限られた地域のみで繁殖し、ハワイ、ミクロネシア、ポリネシアなどの太平洋諸島に渡って越冬する。
日本に漂行することは当然あり得ることであるが、これまでまれにしか現れていない迷鳥である。
山形、千葉、新潟、愛知、京都などの各府県や小笠原諸島などに記録があり、海岸砂浜、海岸草原、溶岩地帯、水田などで観察されている。
参考文献
最終更新日:2020-08-31 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
-
【雄雌】
額・頭上・後頭は黒褐色で、中央には白色の小斑からなる頭央線が走っている。
眼の上には白色の地に黒褐色の小斑のある眉斑があり、眼先から黒褐色の過眼線が走り、眼の後方では暗褐色である。
後頸・耳羽・頬・喉・前頸・頸側は多少褐色を帯びた白色で、各羽には暗褐色の小軸斑がある。腮はクリーム白色である。
肩羽・背・腰は暗褐色で、羽端近くの羽縁には赤錆色を帯びたクリーム色の大きな斑紋があるかまたは羽縁に同色の鋸の歯形の斑があるかである。
上尾筒は赤錆色を帯びたクリーム色で、先端の部分の羽には暗色の横縞がある。
胸は褐色を少し帯びた白色で、暗褐色の軸斑があり、腹はクリーム白色で、淡褐色の軸斑があるが、腹の中央と下腹に軸斑を欠いている。
脇・下尾筒は白色で、褐色の横縞と軸斑がある。下雨覆は白色で、褐色の斑があり、腋羽は白色で、褐色の幅の広い横縞がある。
初列風切は暗褐色で、外側のものでは内弁の基部の羽縁に、内側のものでは、内外弁の基部の羽縁に白色の鋸の歯形の斑紋がある。
内側の各羽の羽端には白色の縁がある。
次列風切は暗褐色で、内外弁の羽縁には白色の鋸の歯形の斑紋があり、羽端には白色の細い縁がある。
三列風切は細長くて、暗褐色を呈し、各羽縁には赤錆色を帯びたクリーム色の鋸の歯形の斑紋がある。
雨覆羽も同様である。尾は淡灰褐色で、暗褐色の横縞があるが、外側のものの羽端には白色の縁がある。
腿羽の各羽の羽軸は細長くて針のように尖り、羽端から 45~50 mmくらい突出している。
嘴色は黒色で、基部に近いほど褐色を帯び、下嘴の基部は褐色を帯びた肉色である。
虹彩は暗褐色、脚色は鉛灰色または灰青色。
参考文献
最終更新日:2020-08-31 キノボリトカゲ
生態
- 食性
-
昆虫、甲殻類、腹足類を食べ、アジサシ、カツオドリ、アホウドリなどを卵を盗みだし、くわえ上げて硬いところに落として壊して食べるという(Johnsgard, 1981)。
参考文献
最終更新日:2020-08-31 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
-
繁殖期は6~7月。巣はコケ類の窪みで、内装はほとんどない(Johnsgard, 1981)。
1巣卵数は4個、多分、両親が抱卵するが、詳しいことはわかっていない。
非繁殖期には小群でいる。番の形成はやなわばりなどについても、ほとんどわかっていない。
参考文献
最終更新日:2020-08-31 キノボリトカゲ