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アオアシシギ(Tringa nebularia)の分類 シギ科(Scolopacidae)
アオアシシギ(Tringa nebularia)の概要 クサシギ属(Tringa)

アオアシシギ(Tringa nebularia)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Tringa nebularia (Gunnerus, 1767)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:50~57 mm
・翼長:172~200 mm
・跗蹠:54~66 mm
・尾長:65~100 mm
・体重:147~245 g
・卵:長径 45.7~59.8 mm × 短径 31~37.7 mm 平均長径 51.4 mm × 短径 34.8 mm

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオアシシギ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 696-698.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸の高緯度地方に繁殖分布し、冬はアフリカ大陸中南部からインド、東南アジアを経て、ニューギニア島、オーストラリア大陸にかけてすごす。

日本には旅鳥として各地に現れ、8~10月と4~5月に見られる。沖縄県では少数が越冬する。

参考文献

  • 中村登流 1995 アオアシシギ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 108-109.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

学名の解説

種小名は曇りや霧の意味。

参考文献

  • 吉井正 2005 アオアシシギ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 1.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

チドリ目 シギ科

参考文献

  • 吉井正 2005 アオアシシギ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 1.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

雌雄同色。

【夏羽】
額、頭上、後頭、後頸、眼先は白色で各羽には黒色の軸斑がある。喉、頬、耳羽、頸側も同様であるが、軸斑は細長い。腮は白色。

肩羽、翕、背は赤錆色を帯びた灰褐色で、各羽には黒色の幅の広い軸斑がある。

下背、腰、上尾筒は白色で、上尾筒には黒褐色の横縞がある。

胸、腹、脇、下尾筒は白色で、胸、胸側、脇には黒褐色の小縦斑が多数ある。

下雨覆は白色で、黒色の横縞と矢筈形の縞があり、腋羽は白色で、黒色の細い横縞があるが、内側のものは縞を欠いている。

初列風切は黒色で、内弁の先端以外には灰褐色の幅の広い縁がある。初列風切の第2羽の羽軸は白色である。

次列風切は灰褐色で、白色の細い縁があり、三列風切は形が細長くて、灰褐色で、黒色の横縞と黒色の軸斑とがある。

大・中・小雨覆、初列雨覆、小翼羽は暗褐色で、大・中雨覆には白色の幅の広い縁がある。

尾は中央の1対は灰褐色で、黒色の横縞があるが、ほかの尾羽は白色で、外側のものでは外弁だけ、内側のものでは内・外弁とも黒褐色の横縞がある。

嘴色は黒色、基部の外側は青灰色、嘴は中央から先は上方に反っている。虹彩は暗褐色、脚色は緑色、関節の部分は青灰色。

【冬羽】
頭上、後頭、後頸は白色で、各羽には黒褐色の軸斑があり、前額、眼先、耳羽の下部は白色。

体の上面は灰褐色で、各羽には灰白色の縁があり、この縁の内側には黒褐色の線になった斑があり、灰白色の羽縁には黒褐色の斑点がある。

羽軸は黒褐色である。背、腰は白色、体の下面は白色で、頸側、喉の両側には黒褐色の小斑点がある。

7月から翌春の1月までに全部換羽し、1月から5月までの間に一部分だけ羽換する。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオアシシギ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 696-698.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は全身に綿羽が密生し、体の上面は灰白色で、翕・背・腰は淡黄褐色を帯びている。

顔・頸・前頸は灰白色、各綿羽の基部は煤けた褐色で、眼先から黒色の過眼線が走り、上嘴の基部から後頭まで黒色の頭央線が走り、後頸から背を過ぎ尾端まで黒色の縦線が走る。

背の両側にも各々の黒色の縦線があり、翼には黒色の横帯がある。

腿の周囲、跗蹠の上部には黒色の斑があり、前頸以下の体の下面は白色である。

【幼鳥】
頭上、後頭、後頸は黒褐色で各羽には白色の縁があり、額と頭側は白色で、黒色の軸斑がある。

体の上面は黒褐色で、背、肩羽、大・中雨覆、三列風切には淡赤錆色を帯びた淡褐色の羽縁がある。

体の下面は白色で、喉・喉側・頸側・胸側には黒褐色の斑点がある。

尾は中央の尾羽は白色で、黒褐色の横縞がある。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオアシシギ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 696-698.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は淡黄褐色、黄白色、クリーム色などの地に濃赤褐色または暗褐色と青灰色との粗大な斑点と小斑点とが散在する。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオアシシギ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 696-698.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

生態

生息環境

繁殖地では、寒帯の海岸から山岳までの開けた沼沢地、湖沼縁の湿地、枯れ木の多い荒れ地、蘚類や地衣類の多い灌木地などにすむ。

非繁殖地には、河川、河口、干潟、海岸の水溜り、潟湖、池沼、水田などの砂泥地で見られる。

参考文献

  • 中村登流 1995 アオアシシギ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 108-109.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

食性

浅く水につかる泥地を歩きながら、嘴でついばんだり、探りを入れたりして採食する。

くちばしを水に入れたまま前進し、あるいは走ったりする。水生昆虫、甲殻類、ミミズ、カエル類や小魚も食べる。

参考文献

  • 中村登流 1995 アオアシシギ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 108-109.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は4~7月、一夫一妻で繁殖するが、一夫二妻もしばしば記録されている。

また1つの巣に2羽の雌が産卵する例もある(Nethersole. Thompson D.&M., 1979)。

巣は樹木の石のそばにつくる。1巣卵数は3~4個で、ほとんどは4個、日中は雌が、夜間は雄が抱卵する。

雛は22~25日ぐらいで孵化し、早成性の離巣性で、両親の世話で育ち、25~31日ぐらいで独立する。

参考文献

  • 中村登流 1995 アオアシシギ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 108-109.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

鳴き声

清く澄んだ声でピィーヨ、ピィーヨ、ピィーヨ、ピピピピピ、ピィーヨ、ピィーヨと啼き、鷸類としては美しい声である。

飛翔中や飛び立ち際に啼くことが多い。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 アオアシシギ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 696-698.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

特徴的な行動

非繁殖期には単独か小群でいることが多い。繁殖期には 800 mから 4 ㎞ぐらい離れてなわばり分散する。

雄は、さえずりながら急速な羽搏きによる上昇と滑空による下降を交互に繰り返しながら、空中を旋回するフライトディスプレイを行う。

これは雌の上空で行うスイッチバック型のフライトディスプレイで、60~300 mぐらい上がり、雌に向かって下降する(Nethersole. Thompson D.&M., 1979)。

地上では、翼を背上に立てて、翼の白色の下面や白色の腰を見せる雄どうしの対立のディスプレイがある。

参考文献

  • 中村登流 1995 アオアシシギ, 中村雅彦、中村登流(著) 原色日本野鳥生態図鑑:水鳥編. 保育社. 108-109.

最終更新日:2020-06-01 キノボリトカゲ

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