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- チシマシギ(Calidris ptilocnemis)について
チシマシギ(Calidris ptilocnemis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Calidris ptilocnemis (Coues, 1873)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:23~32 mm
・翼長:雄 117~120 mm 雌 120~125 mm
・跗蹠:22~24 mm
・尾長:52~57 mm
・卵:長径 35.1~41 mm×短径 24.6~28 mm 平均長径 37.3 mm×短径 26.5 mm
参考文献
最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
- 分布
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全北区。チュコト半島、アラスカ西部、アリューシャン列島の限られた地域のみ繁殖するシギで、カナダ西部と千島列島の限られた地域で越冬する。
日本にはまれな冬鳥として現れ、北海道では納沙布岬・襟裳岬、本州では石川県河北潟、千葉県銚子市などで記録されている。希少種に指定されている。
参考文献
最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄雌夏羽】
額・頭上・後頭は黒色で、各羽には赤錆色を帯びた褐色の羽縁があり、眼の上には白色に褐色の小斑の散在する眉斑がある。
顔・耳羽・喉・頸側は灰鼠色で、黒褐色と白色の斑点がある。腮は白色、後頸は灰黒色で、暗色の線になった斑がある。
肩羽・背は黒色で、赤錆色の羽縁があり、所々に黄味がかった赤錆色や白色の羽縁が混在している。
胸は灰鼠色で、黒褐色と白色の斑があり、腹と脇・下尾筒は白色で、脇と下尾筒には暗色の斑がある。
腰・上尾筒は黒色である。下雨覆の中央は白色、先端の部分は灰褐色で白色の縁があり、腋羽は白色である。
初列風切は黒褐色で、内側のものには白色の細い縁があり、第2羽の羽軸は白色、ほかは褐白色である。
次列風切は黒褐色で、内弁には白色の縁があり、内側のものほど白色の縁が広く、最内側のものでは全部が白色に近い。
各羽縁には白色の縁がある。中・小雨覆は黒色で、灰鼠色の縁があり、初列雨覆・小翼羽は黒色で、羽端には白色の縁がある。
尾は灰褐色で、白色の細い縁があり、中央の1対は黒色である。
嘴色は黒褐色、基部はオーカー黄色、虹彩は褐色、脚色は褐色を帯びたオーカー黄色。
【雄雌冬羽】
額・頭上・後頭は煤けた灰黒色、腮は白色、喉は白色で、灰褐色の縦斑があり、喉の両側及び前頭・頸側は灰鼠色を呈している。
体の上面は黒色で、各羽には灰色の縁があり、雨覆羽は黒褐色で、灰白色の縁がある。
大雨覆の先端には白色の幅の広い縁がある。脇は白色で、灰褐色の縦斑があり、下腹は白色勝ちである。
嘴および脚の基部は黄色である。
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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
孵化直後の雛は全身に幼綿羽が密生し、額・頭上は赤味のあるクリーム色、頭上の中央には額から後頭まで黒褐色の頭央線が走る。
後頭、耳羽および体の上面はビロード様の黒褐色で、クリーム色と赤味がかった淡黄褐色との斑点が無数に散在する。
頬はクリーム色または赤味のあるクリーム色で、各綿羽の先端は黒褐色である。
上嘴の基部から眼の上、後頸まで黒褐色の線が走り、下嘴の基部からも同色の短い線斑が走る。
後頸はクリーム色で、各綿羽の基部は煤けた褐色である。体の下面は灰白色で各綿羽の基部近くは煤けた褐色である。
【幼鳥】
肩羽と背の各羽には白色またはクリーム色の縁があり、雨覆羽・初列風切の各羽には白色またはクリーム色の幅の広い縁がある。
前頸・前胸の暗色斑は成鳥より幅が狭く、数が少ない。
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- 卵の形質
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卵は淡灰緑色、クリーム褐色、オリーブ緑色などの地に濃赤褐色または暗褐色の線形の斑や斑紋、斑点などと灰色の斑点とが散在し、ときには黒色に近い斑紋のあるものもある。
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生態
- 生息環境
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岩石や石がゴロゴロする海岸や海藻が生えて荒波が打ち寄せる岩礁海岸にすむ。繁殖地は高地のコケ地、あるいは岩石ツンドラである。
越冬地でも岩石海岸でみられ、岩礁の波のかからないところで休息し、波のかかるところに出て採食する。
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- 鳴き声
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フィーッ、フィーまたはピイーッ、ピーあるいはチュイッ、チュイッ、フィッ、フィッ、フィッ、フィッ、フィッ、チュリッ、チュリッと低い声で啼き、主として飛び立つときに啼く。
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- 特徴的な行動
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繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は地上のコケ類や地衣類の中、あるいは矮性ヤナギの下などにつくる。
また、海岸の砂利地にもつくる。1巣卵数は4個。雌雄交替で抱卵し、20日ぐらいで孵化する。
そのほかの詳しいことはまだわかっていない。
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- その他生態
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なわばりなどはよくわかっていないが、フライトディスプレイが知られている。地上 9~12 mぐらいに飛び上がって旋回する。
到来時に番であることが多く、番の形成は冬に行われるらしい。
非繁殖期には30~40羽ぐらいの群れで現れる。日本での記録は1~11羽である。
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