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- アメリカウズラシギ(Calidris melanotos)について
アメリカウズラシギ(Calidris melanotos)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Calidris melanotos (Vieillot, 1819)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:27~30 mm
・翼長:121~141 mm
・跗蹠:25~28 mm
・尾長:48~60.5 mm
・卵:長径 36~39.7 mm×短径 25.5~28 mm 平均長径 37.5 mm×短径 26.7 mm
参考文献
最終更新日:2020-08-27 キノボリトカゲ
- 分布
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全北区分布型。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北極圏で繁殖し、南アメリカ南部に渡って越冬する。
日本は渡りのコースから離れており、まれな旅鳥で、8~9月に記録がある。
参考文献
最終更新日:2020-08-27 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄雌夏羽】
額・頭上・後頭・後頸は黒褐色で、各羽には赤錆色の縁がある。眼の上にはわずかに淡赤錆色を帯びた白色の眉斑がある。
眼先と耳羽は赤錆色を帯びた白色で、暗褐色の細い縦斑がある。
腮・喉・頬・頸側は赤錆色を帯びた白色で、頬と喉の両側および頸側には暗褐色の細い縦斑がある。
背・肩羽は黒褐色で、各羽には赤褐色の縁があり、先端近くの羽端には更に白色の斑がある。
上胸・上胸側は灰色を帯びた淡赤錆色で、暗褐色の細い縦斑が密集し、白色の下胸との境は明瞭な帯をなしている。
腹・下尾筒は白色、脇はわずかに淡赤錆色を帯び、暗褐色の細い縦斑がごくわずかある。
腰・上尾筒は黒色で、各羽には赤褐色の細い縁があり、上尾筒の両側は白色で、各羽には暗褐色の軸斑があり、先端は赤錆色を帯びている。
下雨覆は白色、翼縁は暗褐色、腋羽は暗褐色で、白色の縁がある。
初列風切は暗褐色、第2羽の羽軸は白色、ほかは褐色である。
次列風切は暗褐色で、白色の細い縁があり、三列風切は形が細長くて、黒色を呈し、赤褐色の縁がある。
大雨覆は暗褐色で、羽縁には白色の縁があり、小雨覆は暗褐色で、赤錆色の縁がある。
初列雨覆・小翼羽は暗褐色で、白色の細い縁がある。
尾は中央の1対は黒色で、赤錆色の縁があるが、ほかの尾羽は灰褐色で白色の細い縁がある。
ウズラシギに類似するが、胸の暗褐色の縦斑がそれより細長くて密集し、初列風切の第2羽の羽軸は白色で、尾の先端がそれより丸みがある点などが異なる。
嘴色は黒褐色、基部は黄褐色。虹彩は暗褐色。脚色は褐色を帯びたオリーヴ黄色または、緑黄色。
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最終更新日:2020-08-27 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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孵化直後の雛は全身に幼綿羽が密生し、額はクリーム白色、頭上は黒色と黄褐色とで疎斑をなし、クリーム色の小斑点が散在し、頭上の中央には黒色の頭央線が走っている。
眼先から眼まで黒褐色の線が走り、頬・前頸はクリーム白色である。後頸はクリーム色で、各綿羽の基部は黒色である。
背以下の体の上面は頭上と同様の色彩で、体の下面は白色である。
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最終更新日:2020-08-27 キノボリトカゲ
- 卵の形質
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卵は淡緑色、淡褐色、オリーヴ褐色などの地に暗褐色の斑紋や斑点と淡紫灰色の斑点とが散在し、斑紋や斑点は鈍端の方に密在するのが常である。
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最終更新日:2020-08-27 キノボリトカゲ
生態
- 食性
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動物質を主として摂り、軟体動物の腹足類の有肺目(例えばカタツムリ)、昆虫類の膜翅目(例えばヒメバチ、オオウスアメバチ)、鞘翅目(例えばコクゾウムシ、マルガタゴミムシ)、双翅目(例えばカ、ハエ、ガガンボ)、直翅目(例えばバッタ)などを好んで食物とする。
植物質の無患子科のハウチワノキ、菫菜科のスミレなども食物とする。
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最終更新日:2020-08-27 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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一夫多妻で繁殖するらしい。抱卵や雛の世話は雌が行う。
雄は、雌の上空で胸を拡張してブラブラさせながら奇妙な音を立てて飛び回るフライトディスプレイを行う。
これはレックであろうといわれる(Myers, 1982)。
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最終更新日:2020-08-27 キノボリトカゲ
- その他生態
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小群またはハマシギとの混群で干潟に降りて餌を漁るが、密集せずに所々に散在して単独または雄雌で採餌することが多い。
地上では両脚を交互にして静かに歩みながら餌を漁る。
飛翔、採食などの動作やそのほかの習性はウズラシギに酷似する。
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最終更新日:2020-08-27 キノボリトカゲ