- 解説一覧
- キリアイ(Limicola falcinellus)について
キリアイ(Limicola falcinellus)
- 【 学名 】
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Limicola falcinellus (Pontoppidan, 1763)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:30-35 mm
・翼長:101-112 mm
・跗蹠:20-25 mm
・尾長:31-42 mm
・体重:42-50 g
・卵:長径 28.7-35.2 mm × 短径 21-24.8 mm 平均長径 32 mm × 短径 22.8 mm
参考文献
最終更新日:2020-05-20 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸の高緯度地方に点々と不連続に繁殖分布し、冬は紅海からペルシャ湾、インド、東南アジアに渡ってすごす。
日本には旅鳥として全土に現れるが多くなく、秋のほうによく見られる。
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形態
- 成鳥の形質
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【雌雄夏羽】
額・頭上・後頭・後頸は黒色で、各羽には赤褐色の縁があり、額側は白色、眼の上には白色の短い眉斑がある。
眼先から暗褐色の過眼線があり、耳羽は白色で暗褐色の斑が多数ある。
腮・喉は赤錆色を加味した褐色を帯び、暗褐色の斑がある。
肩羽・背は黒色で、各羽には赤褐色の縁があり、外側には更に白色の細い縁がある。
胸は白色で赤褐赤錆色を加味した褐色を帯び、暗褐色の縦斑がある。
腹・下尾筒は白色で、ときにはクリーム色のものもある。腰・上尾筒は黒色で、各羽には赤褐色の縁がある。
下雨覆・腋羽は白色。初列風切は褐色で、外弁は暗色、その先端は黒色を呈している。
第2羽の羽軸は白色、ほかの羽軸は褐色で、先端は白色である。
次列風切は灰褐色で、基部と内弁は白色で、先端には白色の縁がある。
三列風切は形が細長く、黒色で赤褐色の縁がある。
大雨覆は黒褐色で、羽端には白色の縁があり、中雨覆は黒褐色で、淡黄褐色の縁がある。
小雨覆は黒褐色、初列雨覆・小翼羽は黒褐色で、羽端には白色の縁がある。
尾は中央の1対は黒色で、赤褐色の縁があり、ほかの尾羽は灰褐色で、白色の細い縁がある。
羽軸はいずれも白色である。嘴色は赤錆色を帯びた灰褐色で、先端は黒色。虹彩は暗褐色、脚色は黒褐色。
【雌雄冬羽】
体の上面は灰褐色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。腰・上尾筒は黒褐色で、赤錆色の縁がある。
体の下面は白色で、下喉・上胸は灰色を帯び、褐色の縦斑がある。
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- 幼鳥の形質
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【幼鳥】
体の上面は成鳥の夏羽に類似しているが、前頸・頸側には黒褐色の斑がある。
【雛】
孵化直後の雛は幼綿羽が密生し、額は白色、頭上と体の上面は暗黄褐色と黒色の不規則な斑をなし、白色の小斑点が散在する。
前頭から後頭まで黒褐色の頭央線が走り、眉斑は白色、眼先からは黒褐色の過眼線があり、耳羽、頬は黄褐色である。
体の下面は白色で各幼綿羽の基部は灰色で、胸は黄褐色を帯びている。
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- 卵の形質
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卵は淡褐色、淡オリーブ褐色、黄灰色、淡黄褐色などの地に赤褐色またはチョコレート色の微細な斑点が一面に密在する。
ときには暗赤褐色のやや大きな斑点や斑紋が鈍端の方にあるものもある。
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生態
- 生息環境
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渡り期や越冬地では、河口の中州、干潟の砂泥地、砂浜の水溜まり、湖沼、水田などで見られる。
繁殖地は、森林ツンドラや針葉樹林に囲まれた湿性草原などで、Calidris タイプのシギ類としては珍しい場所である。
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- 食性
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砂泥地をハマシギのように歩き、しきりにくちばしで探りを入れる採食タイプで、昆虫、軟体動物、ミミズなどを食べる。
ほかにもニワヤナギの種子など植物質を摂ることもある。
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- ライフサイクル
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繁殖期は6~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は地上で、コケ類や草、矮性灌木などのクッションの上につくる。
地上 8~10 ㎝のところに雄がコップ状の窪みをいくつかつくり、雌はその一つを選ぶ(Cramp & Simmons, 1983)。
1巣卵数は3~4個で、4個の場合が多い。両親が交替で抱卵し、早成性の離巣性の雛は21~22日ぐらいで孵化する(Cramp & Simmons, 1983)。
抱卵と雛の世話は雌のみが行い、雄は抱卵開始とともに離れ、別の雌を求めて求愛活動をするという見方もあるが、十分な証拠はない(Johnsgard, 1981)。
巣立ち期間についてはわかっていない。
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- 特徴的な行動
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非繁殖期には群れるが、10羽以下が多い。採食なわばりを防衛するともいわれる。
繁殖期はルーズコロニーに集まり、雄の2~4羽ぐらいの小さいなわばりで成り立つ(Cramp & Simmons, 1983)。
雄はフライトディスプレイを1羽で行ったり、グループで行ったりする。
地上 10~20 mをゆっくり飛び回り、早いはばたき飛翔と滑空飛翔を交互に行う(Cramp & Simmons, 1983)。
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