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アメリカヒレアシシギ(Phalaropus tricolor)の分類 シギ科(Scolopacidae)
アメリカヒレアシシギ(Phalaropus tricolor)の概要 ヒレアシシギ属(Phalaropus)

アメリカヒレアシシギ(Phalaropus tricolor)

【 学名 】
Phalaropus tricolor (Vieillot, 1819)

基本情報

分布

新北区。北アメリカ大陸北部の中緯度地方の内陸部に繁殖分布し、冬は南アメリカ大陸西・部に渡って過ごす。

日本はこれらの分布範囲から遠く離れており、ごくまれに渡来する迷鳥である。

1985年5月11~12日に愛知県幡豆郡一色町に現れたのが最初の記録で、2回目は1986年7月14日で、同じ場所である。

1992年現在、その後の記録はない。

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

ヒレアシシギ科

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最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

生態

生息環境

日本での記録は塩田跡の浅い池である。繁殖地も越冬地も、海岸ではなく内陸の淡水域である。

繁殖地では、内陸の池や湖沼の多い湿った草原、あるいは浅く水につかる湿地にいる。淡水から塩水まで利用する。

渡りは湖沼、貯水池などを伝わっていく。越冬地では、内陸の淡水湿地、浅い湖沼、平坦な湿った泥沼地にいる。

またときどき塩性湿地や海岸にも現れる。

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食性

繁殖期には、甲虫類、ハエ類、ハチ類などの幼虫・成虫、小さい甲殻類、クモ類、水草の種子などを食べる。

水面を活発に泳ぎ回り、盛んにターンして小さいサークルに描き、水面近くにくちばしをつっこんで採食する。

このスピンはハイイロヒレアシシギよりゆっくりしている(Hohn, 1971)。

くちばしは横になぐように水中に打ち込み、深い水では頭を水中に入れたままくちばしを左右に動かす(Johnsgard, 1981)。

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特徴的な行動

繁殖期は5~7月、基本的には一夫一妻で繁殖するが、番の関係は短期的で、抱卵が始まるころには解消される。

一妻多夫の記録もある(Colwell, 1986)。抱卵に入ると雄は近づいてくる雌を追い払う(Howe, 1975b)。

巣は水辺近くの地上に窪みを掘り、枯れ草などで内張りをしてつくる。

雌雄でつくるが、雄はいくつかの窪みを準備し、雌はいくらか手伝う程度で、そのひとつを選んで産卵する(Johnsgard, 1981)。

1巣卵数は4個。雄のみが抱卵し、早成性で離巣性の雛は16~21日ぐらいで孵化する。雛期についてはまだわかっていない。

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その他生態

非繁殖期は小群ですごす(Johnsgard, 1981)。春の渡りは、雌のほうが雄より先立つ傾向がある。

雌はよく目立ち、盛んに追い合いをするがなわばりはない。渡来当初、雌は池の水面に5~10羽ぐらいの春の集まりをつくり(Colwell & Oring, 1988)。

入ってくる雄をめぐって複数の雌が1羽の雄を追いかけたり、3 m以内に入ってくるほかの雌を追い払ったりする。

このとき、雄は雌の上へホバリングをしかけて雌たちの追いかけを誘発しており、むしろ雌どうしの争いをそそのかしている(Howe, 1975a)。

雄1羽がホバリングすると、雌たちはその雄の回りでホバリングをする(Howe, 1975a)。

空中で追いかける雌は追いかけパーティーへかけつけるとき、頭を上げてウワッといいつつ飛び、雄の直前近くに出ようとアビ型の猫背姿勢の飛び方に変わる(Howe, 1975)。

1羽の雄が2羽の雌につき従われている場面がよく見られるが、これは、雄が飛ぶことによって近くの雌を引き込んで雌たちに追いかけさせるのであって、ときには7羽の雌を飛び立たせることもある(Hohn, 1967)。

巣場所探しは雌がイニシアチブをとり、穴掘り行動も初めは雌のほうが行うが、やがて雄のほうが熱心になり、抱卵になると雌を寄せ付けなくなる(Howe, 1975)。

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種・分類一覧