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クロトウゾクカモメ(Stercorarius parasiticus)の分類 トウゾクカモメ科(Stercorariidae)
クロトウゾクカモメ(Stercorarius parasiticus)の概要 トウゾクカモメ属(Stercorarius)

クロトウゾクカモメ(Stercorarius parasiticus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Stercorarius parasiticus (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:28~35 mm
・翼長:289~341 mm
・跗蹠:39~47 mm
・尾長:164.5~235 mm
・卵:長径 49~63.1 mm×短径 37.2~44.3 mm 平均長径 57 mm×短径 40.9 mm

参考文献

最終更新日:2020-08-12 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の寒帯・亜寒帯で繁殖し、冬は熱帯海域から南半球まで渡るものもいる。

日本には、春から夏にかけて主に太平洋岸の沖合を渡りの途中で通過するが、数は多くない。

北海道北部では7~8月にも見られることがある。

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分類学的位置付け

トウゾクカモメ科

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形態

成鳥の形質

【雌雄淡色型】
額・頭上・後頭・眼先は黒色を帯びた暗灰鼠色、眼の下は褐色、腮・喉は白色、耳羽の大部分と喉の両側は淡黄色を帯びた白色である。

後頸は黄白色、翕は灰褐色で、各羽には白色の軸線がある。

背・肩羽・腰・上尾筒は暗灰褐色、胸・腹・脇は白色で、上胸側に褐色の斑があり、下腹と下尾筒は灰褐色である。

下雨覆・腋羽は暗灰褐色である。初列風切は暗灰褐色で、内弁の基部は白色を帯び、羽軸は暗灰褐色で、中央の部分は黄白色を呈している。

次列風切・三列風切・大、中、小雨覆・初列雨覆・小翼羽は暗灰褐色である。

尾は暗灰褐色で、羽軸の基部は黄白色である。嘴色は黒色、上嘴の基部は褐色またはオリーブ緑色。虹彩は暗褐色。脚色は黒色。

【雌雄暗色型】
全身は暗褐色で、頭上は背より黒色を帯びている。体の下面は色が淡く、褐色を帯びている。

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幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は全身に軟らかい幼綿羽が密生し、体は暗褐色で、眼の周囲、翼端・腮および体の下面の中央などは灰色を帯びる。

【幼鳥】
(淡色型)体の上面は濃褐色で、各羽縁には黄味がかった赤錆色の斑があり、頭上と後頸は全体に黄味がかった淡赤錆色を帯び、ときには後頸が白色で、暗褐色の縦斑があるものもある。

体の下面は白色で、各羽縁には褐色の斑があり、中央には褐色の縦斑がある。

前頸・喉には褐色の縦斑がある。脇・下尾筒は白色で、褐色の太い横縞があり、下尾筒は赤錆色を帯びている。

第2~4羽または第5羽までの羽軸は白色である。

(暗色型)全身は暗褐色、雨覆羽・下腹・下尾筒・風切羽・下雨覆の各羽の先端には赤錆色の斑点がある。跗蹠は鉛青色、趾の基部は白色。

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卵の形質

卵はオリーブ緑色、オリーブ色、灰色、稀には淡青色、黄褐色、赤褐色などの地にセピア色の斑点や斑紋と褐色の斑点とが散在する。

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生態

生息環境

外洋性の海鳥で、繁殖期以外は沖合で生息することが多く、海岸や内陸で記録されることはごくまれである。

洋上で見られるので、船から観察されることが多い。繁殖期には、北極圏のツンドラ地帯の地上に浅い窪みを掘って巣とする。

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食性

小型のカモメ類、ウミスズメ類、アジサシ類などを襲って食物を吐き出させ、それを食べる習性があり、これらの鳥に狙いをつけ、空中でホバリングしたり、急降下したり、しつこく追い回したりと巧妙な飛び方をする。

繁殖期には、昆虫や液果(ベリー)、レミング類などの小型の哺乳類、小鳥やたまごを食べ、非繁殖期にはアジサシ類など小型の海鳥を襲って餌を強奪する。

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特徴的な行動

イギリス北部では年に1回、5~9月、一夫一妻で繁殖する。1巣卵数は2個、1~2日おいて第2卵を産む(Cramp & Simmons, 1983)。

雌雄交替で初卵の産下日より25~28日抱卵する。雌雄共同で育雛し、雛は25~30日で巣立つが、巣立ち後さらに約2~5週間は親の給餌を受ける(Cramp & Simmons, 1983)。

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その他生態

番がなわばりをもって分散するが、場所によっては大きなコロニーをつくって繁殖する。

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種・分類一覧