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- シロハラトウゾクカモメ(Stercorarius longicaudus)について
シロハラトウゾクカモメ(Stercorarius longicaudus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Stercorarius longicaudus Vieillot, 1819
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:25~31.5 mm
・翼長:295~329 mm
・跗蹠:38~45 mm
・尾長:238~383 mm
・卵:長径 49~65.7 mm×短径 33~42.4 mm 平均長径 55.4 mm×短径 38.4 mm
参考文献
最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区、ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の寒帯・亜寒帯で繁殖し、冬は熱帯地域から南半球まで渡るものもいる。
日本には、春から夏にかけて主に太平洋岸の沖合を渡りの途中で通過するが、数は少ない。
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形態
- 成鳥の形質
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【雄雌】
額・頭上・後頭・後頸・眼先は黒色に近い濃褐色で、後頭の羽は長く、全体として楔形を呈している。
腮・喉は白色、耳羽の大部分および頸側・後頸の下部は淡黄色を帯びた白色である。
背・肩羽・腰・上尾筒は灰褐色、胸・腹は白色、脇・下尾筒は灰鼠色である。
下雨覆・腋羽は石盤灰色。初列風切は黒褐色で、内弁の先端以外は褐色である。
第2~3羽の羽軸は淡黄白色、第4羽以上のものは褐色で、ときには第3羽から褐色のものもある。
次列風切は黒褐色、三列風切、大・中・小雨覆、初列風切、小翼羽は灰褐色。
尾は黒褐色で、基部は暗灰色である。嘴色は黒色で、基部はオリーブ緑色。
虹彩は褐色。脚色は黒色で、多くは淡鉛灰色の斑があるが、繁殖期には淡青灰色。
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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
孵化直後の雛は全身に軟らかい幼綿羽が密生し、体は灰褐色で、頭部と体の下面とは灰色に近い。
【幼鳥】
クロトウゾクカモメの幼鳥に類似しているが、それよりも形が小さく、初列風切の第4羽の羽軸が褐色または暗褐色である点が異なる。
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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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外洋性の海鳥で、繁殖期以外は沖合で生息することが多く、海岸や内陸で記録されることはごくまれである。
洋上で見られるので、船から観察されることが多い。
繁殖期には、北極圏のツンドラ地帯の地上に浅い窪みを掘って巣とする。
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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
- 食性
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小型のカモメ類、ウミスズメ類、アジサシ類などを襲って食物を吐き出させ、それを食べる習性があり、これらの鳥に狙いをつけ、空中でホバリングしたり、急降下したり、しつこく追い回したりと巧妙な飛び方をする。
繁殖期にはレミング類などの小型の哺乳類、小鳥や卵、昆虫や液果を食べ、非繁殖期には、主にアジサシ類など小型の海鳥を襲って餌を強奪する。
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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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ピゥー、ピゥー、ピゥー、ピゥーと鋭い声で啼き、クルルルー、クルルルー、クリー、クリーなどと啼くこともあるが、繁殖期以外にはあまり啼かない。
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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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スカンジナビア半島ででゃ年に1回、5~8月、一夫一妻で繁殖する。
1巣卵数は2個、1~3日おいて第2卵を産む(Cramp & Simmons, 1983)。雌雄交替で初期の産下日より23~25日抱卵する。
雌雄共同で育雛し、雛は24~26日で巣立つが、巣立ち後さらに10~21日は親の給餌を受ける(Cramp & Simmons, 1983)。
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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ