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クビワカモメ(Xema sabini)の分類 カモメ科(Laridae)
クビワカモメ(Xema sabini)の概要 クビワカモメ属(Xema)

クビワカモメ(Xema sabini)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Xema sabini (Sabine, 1819)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:22~29 mm
・翼長:雄 265~292 mm 雌 258~295 mm
・跗蹠:30~35 mm
・尾長:117~130 mm
・卵:長径 41~49.2 mm×短径 29.8~33.9 mm  平均長径 44.4 mm×短径 32.2 mm

参考文献

最終更新日:2020-08-06 キノボリトカゲ

分布

全北区分布型。北極圏、ユーラシア大陸の東半分、北アメリカ大陸、グリーンランドで繁殖し、冬は北極圏、南・北アメリカ大陸の太平洋沿岸、ヨーロッパとアフリカ大陸の大西洋岸に広がるが、アジア沿岸にはこない。

日本には迷鳥としてごくまれに渡来し、宮城県気仙沼、愛知県渥美郡に記録がある。

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分類学的位置付け

カモメ科

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形態

成鳥の形質

【雄雌夏羽】
頭部・上頸は多少青味がかった黒色で、下頸の白色の部分との境には黒色の細い頸輪がある。

眼瞼は赤色、眼の下には白色の小斑がある。肩羽・背・腰は石盤色で、肩羽の先端の部分には白色の縁がある。

胸・腹・脇・上尾筒・下尾筒は純白色である。下雨覆・腋羽は白色。

初列風切は黒色で、先端には白色の小斑があり、内弁の縁は幅広く白色であるが、先端までは達していない。

内側の初列風切および次列風切は白色、三列風切は青灰色で、羽端には白色の縁がある。

大・中・小雨覆は青灰色で、大雨覆の羽端には白色縁があり、雨覆羽の縁にあたる部分は黒色である。

初列雨覆・小翼羽は黒色である。尾は白色。嘴色は黒色、先端は黄色。虹彩は暗褐色、脚色は灰黒色。

【雄雌冬羽】
頭部・頸は白色で、後頭は石盤色、頭上と耳羽には石盤色の斑が多少ある。ほかは夏羽と同様である。

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最終更新日:2020-08-06 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は全身に幼綿羽が密生し、体の上面はクリーム褐色で、頭上には黒色の斑点が散在し、それ以下には黒色の斑点や雲形の斑紋が散在する。

体の下面は暗クリーム色である。

【幼鳥】
額・腮・喉は白色、眼の前には黒色の斑があり、頭上・後頭・後頸および体の上面は灰褐色で、羽換をしたときには各羽縁はクリーム白色または黄白色で、後に白色を呈する。

肩羽・雨覆羽の各羽の先端には黒褐色の帯がある。小雨覆は黒褐色で、後頭は石盤色、頭上と耳羽には石盤色の斑が多少ある。

ほかは夏羽と同様である。

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最終更新日:2020-08-06 キノボリトカゲ

卵の形質

卵はオリーブ褐色またはオリーブ緑色などの地にオリーブ褐色の粗大な斑紋や斑点が散在する。

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生態

生息環境

繁殖地は、湖沼や海岸沿いの湿原ツンドラである。

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最終更新日:2020-08-06 キノボリトカゲ

食性

昆虫類の双翅目(例えばベッコウバエ、アシナガバエ)、鞘翅目(例えばオオルリオサムシ、コガシラナガゴミムシ)の成幼虫を主食とするが、そのほか軟体動物斧足類完靭帯目(例えばイガイ)、環形動物毛足類の多毛目、甲殻類の端脚目、小魚類なども食物とする。

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最終更新日:2020-08-06 キノボリトカゲ

鳴き声

繁殖期にはクリッ、クリッ、クリッ、またはキッキッキッなどと喧しく啼き叫んで巣の上空を飛び回るが、冬期はあまり啼かない。

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最終更新日:2020-08-06 キノボリトカゲ

特徴的な行動

繁殖期は6~8月、一夫一妻で繁殖する。巣は草の株の上などにあり、1巣卵数は2~3個、両親が抱卵し、23~26日ぐらいで孵化する(Demen’tev et al., 1969)。

雛は両親に養われ、他者が近づくと親は激しく攻撃してくる(Portenko, 1981)。

6~30番のコロニーで繁殖する(Cramp & Simmons, 1983)。

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最終更新日:2020-08-06 キノボリトカゲ

種・分類一覧