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ウミバト(Cepphus columba)の分類 ウミスズメ科(Alcidae)
ウミバト(Cepphus columba)の概要 ウミバト属(Cepphus)

ウミバト(Cepphus columba)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Cepphus columba Pallas, 1811

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:31.5~36 mm
・翼長:171~187 mm
・跗蹠:31~35 mm
・尾長:45~50.5 mm
・卵:長径 53.5~64 mm×短径 38.2~43 mm  平均長径 61 mm×短径 41 mm

参考文献

最終更新日:2020-07-22 キノボリトカゲ

分布

全北区。ベーリング海の島々や沿岸、アリューシャン列島、千島列島に繁殖分布し、冬はベーリング海一帯、北アメリカ大陸西部海岸、千島列島沿岸一帯に広がってすごす。

日本には北海道と本州中北部の沿岸海上に冬鳥として現れ、10月から翌年の3月ごろまで見られる。

海岸から沖合を探すとときどき見られ、北海道の納沙布岬や落石岬などでは比較的よく見られるという。

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最終更新日:2020-07-22 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

ウミスズメ科

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最終更新日:2020-07-22 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雌雄夏羽】
チシマウミバトの夏羽に酷似しているが、大雨覆の内側のものは全部純白色で、外側のものは黒褐色を呈し各羽縁だけが白色である点が異なる。

翼には巨大な白色斑がある。

【冬羽】
チシマウミバトの冬羽に酷似している。

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最終更新日:2020-07-22 キノボリトカゲ

生態

生息環境

非繁殖期は洋上ですごすが、深さ 50 m以上の沖合に出ることは少なく、むしろ沿岸寄りにいる。

繁殖地では、岩石海岸の海水をかぶる上限の少し上、岩砕堆積地など崖の裾で岩が積み重なるところ、岩の割れ目や洞穴の多いところに営巣する。

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最終更新日:2020-07-22 キノボリトカゲ

食性

雛にもってくる餌には魚が多く、甲殻類が混じる。魚では、イソギンポ類、カジカ類、イカナゴ類などの砂底のものが多く、まっすぐに水底まで潜って捕えるらしい。

水中で、脚でホバリングしながら水底の魚の隠れ場を探すと考えられる(Johnsgard, 1987)。

コロニー周辺の海岸ではあまり採食せず、4~5 kmぐらい沖に出るという(Johnsgard, 1987)。

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最終更新日:2020-07-22 キノボリトカゲ

特徴的な行動

繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は漂石や岩砕の堆積物の割れ目や穴蔵の中、岩砕上に溜った土壌のウサギ穴などを使い、自分で穴を掘ることはない。

巣もつくらず、直に地面の上に産卵する。1巣卵数は1~2個、両親が抱卵し、29~30日ぐらいで孵化する。

両親が餌を運び、雛は29~39日ぐらいで親の体重の91%ほどになって巣立つ(Johnsgard, 1987)。

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最終更新日:2020-07-22 キノボリトカゲ

その他生態

繁殖期には8~18番の小さいコロニーでいるが、よい場所であると100番ぐらいになる(Johnsgard, 1987)。

なわばりは、巣の入口周辺と止まり場だけである。

巣の入口や水面で、防衛のためや雌雄間でくちばしを打ちつけ合うディスプレイがある(Johnsgard, 1987)。

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最終更新日:2020-07-22 キノボリトカゲ

種・分類一覧