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エトロフウミスズメ(Aethia cristatella)の分類 ウミスズメ科(Alcidae)
エトロフウミスズメ(Aethia cristatella)の概要 エトロフウミスズメ属(Aethia)

エトロフウミスズメ(Aethia cristatella)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Aethia cristatella (Pallas, 1769)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:12~14 mm
・翼長:133~151 mm
・跗蹠:27~30 mm
・尾長:33~42 mm
・卵:長径 50~60 mm×短径 32.5~42.5 mm 平均長径 54.2 mm×短径 37.9 mm

参考文献

最終更新日:2020-08-24 キノボリトカゲ

分布

全北区。ベーリング海の島々、アリューシャン列島、サハリン、千島列島北部に繁殖分布し、冬はベーリング海一帯、千島列島沿岸全域、オホーツク海にかけて広がる。

Aethia 属のウミスズメのなかでは最も広く分布する種である。

日本には冬鳥として北海道、本州北部の沿岸に多数が渡来し、太平洋側では宮城県あたりまで、日本海側では新潟県あたりまで南下してくる。

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最終更新日:2020-08-24 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

ウミスズメ科

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形態

成鳥の形質

【雄雌夏羽】
額・頭上・後頭・頭側・耳羽・眼先は黒褐色で、額には長さ 30~50 mmくらいの黒褐色の細長い羽が10数本生え、前方に向かって直立し、先端は前方に巻いている。

繁殖期には頭上と後頭に白色の毛のような羽が多数生えるが、期間は極く短く交尾を終えると無くなるのが常である。

眼の後方には白色の長さ 40 mmくらいの細長い毛のような羽が10数本生えている。

腮・喉は暗灰色である。頸・背・肩羽・腰・上尾筒は黒褐色、胸・腹・脇・下尾筒は灰色である。

翼と尾は黒褐色である。嘴色はオレンジ赤色、先端は角色。虹彩は黄白色。脚色は石盤色。

【雄雌冬羽】
秋季は夏羽にある嘴の飾を欠き、額の飾羽は短い。

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最終更新日:2020-08-24 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

成鳥の冬羽に類似するが、成鳥の額にある飾羽を欠き、眼の後方の白色の毛様の羽も欠く。

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卵の形質

卵は白色で、表面は石灰色で覆われて無光沢である。

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最終更新日:2020-08-24 キノボリトカゲ

生態

生息環境

非繁殖期には洋上にいるが、あまり沿岸から遠く離れることはない。流水の境目に多い。

繁殖期には、岩石海岸の崖下の岩砕堆積地で、とくに大きい岩の堆積の間の深いところを好んで営巣する(Johnsgard, 1987)。

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最終更新日:2020-08-24 キノボリトカゲ

食性

雛にもってくる餌の分析では、オキアミ類やハマトビムシ類、カラヌス類、クラゲノミ類などのプランクトン性の甲殻類が多い(Johnsgard, 1987)。

下嘴を上向きに反り返っていて、水底近くに潜ってすくいとるタイプのプランクトン食である(Freethy, 1987)。

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最終更新日:2020-08-24 キノボリトカゲ

特徴的な行動

繁殖期は5~8月、一夫一妻で繁殖する。巣は堆積した石ころや岩砕の隙間の洞穴の中にあり、地面の上に直に産卵する。

1巣卵数は1~2個、抱卵は両親が行い、交替は夕方から朝の間である。

35~45日で孵化すると考えられる(Freethy, 1987)。雛は半晩成性の留巣性で、両親が育雛する。

親は食道の袋に餌を入れてもちかえり、このプランクトンスープを吐き出して与える(Freethy, 1987)。

33~35日ぐらいで親の体重の80%ほどになって巣立つ(Johnsgard, 1987)。

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最終更新日:2020-08-24 キノボリトカゲ

その他生態

島嶼の草地の地下にある他鳥(例えばエトピリカ)の穿った深い孔を巣としたり、岩礁の深い亀裂を巣としたりして集団で繁殖する。

巣は、巣材を使用せず孔の中の土の上や岩礁の亀裂の岩の上などに直接産卵する。

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種・分類一覧