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ジュウイチ(Cuculus fugax)の分類 カッコウ科(Cuculidae)
ジュウイチ(Cuculus fugax)の概要 カッコウ属(Cuculus)

ジュウイチ(Cuculus fugax)

【 学名 】
Cuculus fugax Horsfield, 1821

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:20~22 mm
・翼長:191~215 mm
・跗蹠:20~23.5 mm
・尾長:131~156 mm
・体重:100 g位 
・卵:長径 26.5~30 mm×短径 19.5~20.5 mm 平均長径 28.1 mm×短径 19.9 mm 重量 5~5.9 g位

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ジュウイチ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 413-415.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分布

旧北区、東洋区。インド北部から中国東北部、ウスリー、東南アジア、大スンダ列島、ボルネオ島などに分布し、温帯では夏鳥、亜熱帯や熱帯では留鳥である。

日本には夏鳥として渡来し、九州以北で繁殖する。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 ジュウイチ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 152.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

カッコウ目 カッコウ科

参考文献

  • 吉井正 2005 ジュウイチ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 262.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

カッコウよりもひとまわり小さく、下面は淡赤褐色。上面は石板色で、ツミによく似ている。

参考文献

  • 吉井正 2005 ジュウイチ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 262.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

背、肩羽の各羽には赤錆色を帯びた暗赤褐色の縁があり、胸、腹は白色で、黒色の軸斑があり、ところどころ赤錆色を帯びている。

翼は暗褐色で、内外弁に赤褐色に赤錆色を帯びた赤褐色の斑が横縞をなして数条ある。

ほかは大体成鳥と同様である。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ジュウイチ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 413-415.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

生態

生息環境

主にオオルリ、コルリ、ルリビタキ、コマドリの巣に托卵するため、日本のカッコウ類では最も標高の高い山地にまで生息する。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 ジュウイチ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 152.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

食性

昆虫を主食とし、樹上で鱗翅類の幼虫を好んで食べる。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 ジュウイチ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 152.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

ライフサイクル

産卵期は6~7月。卵の色は淡青色で斑紋がなく、コルリの卵とよく似ている。

ビンズイ、ノビタキ、クロツグミ、アカハラ、キビタキ、コサメビタキにも托卵する。

自分では巣をつくらず、雌は仮親の産卵期の巣を選んで卵を1個抜き取り、自分の卵を1個托卵する。

卵は仮親の卵より早く孵化し、孵化した雛は2~3日のうちに巣の中の仮親の卵や雛を背中で押し上げて放り出し、巣を独占して仮親の育雛を受け、19~20日ぐらいで巣立つ(清棲, 1978)

参考文献

  • 中村雅彦 1995 ジュウイチ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 152.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

鳴き声

ジュイチ―、ジュイチ―、ジュイチ―と烈しく絶叫する様に啼き、その後でギチ、ギチ、ギチ、ギチまたはジュク、ジュク、ジク、ジク、ジクと迅速に啼き叫ぶことがある。

5月上旬頃から啼き始めて7月頃まで盛んに啼き、夜間(午後12時:長野県東筑摩郡塩尻 17/V 1936 清棲確認)や早暁(午前3時38分:富士山山麓山中湖 6/VI 1937 清棲確認)にも啼き、また飛翔中にも啼く。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ジュウイチ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 413-415.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

特徴的な行動

自分で巣をつくらず、ほかの小鳥の巣のその卵を委託して抱卵や育雛をさせる。

コルリ、オオルリ、コマドリなどの巣に委託するものが多いが、そのほかキビタキ、ビンズイ、ルリビタキ、ノビタキ、クロツグミ、アカハラ、コサメビタキの巣などにも委託する。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ジュウイチ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 413-415.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

関連情報

その他

通常、単独で森林中に生活するためなかなか姿は見られない。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 ジュウイチ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 152.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

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