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アマツバメ(Apus pacificus)の分類 アマツバメ科(Apodidae)
アマツバメ(Apus pacificus)の概要 アマツバメ属(Apus)

アマツバメ(Apus pacificus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Apus pacificus (Latham, 1802)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:6.8~8.5 mm
・翼長:170~184 mm 
・跗蹠:10~13 mm
・尾長:外側 72~86 mm 中央 46~50 mm
・体重:43~50 g
・卵:長径 24.8~29 mm×短径 16.5~18.4 mm 平均長径 26.7 mm×短径 17.4 mm 重量 4.4 g位

参考文献

最終更新日:2020-06-22 キノボリトカゲ

分布

旧北区、東洋区。ヒマラヤ、中国南部からカムチャッカ半島、台湾、日本で繁殖し、冬はマレーシア、大スンダ列島、ニューギニア島、オーストラリア大陸で越冬する。

日本には夏鳥として渡来し、九州から北海道にかけて局地的に繁殖する。

春と秋の渡りの時期には、高空を群れて飛ぶ姿を各地で見ることができる。

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亜種・品種

日本では、南千島・北海道で亜種キタアマツバメ A. p. pacificus

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別名・方言名

カマツバメ

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分類学的位置付け

アマツバメ目 アマツバメ科

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形態

成鳥の形質

雄雌同色。額、頭上、後頭、後頸は黒褐色で、秋季は各羽に白色の細い縁がある。

眼先、頬、耳羽は暗褐色で、各羽の羽軸は黒色である。秋季は各羽に白色の羽縁がある。

腮、喉は白色で、各羽の羽軸は黒色である。背、肩羽、上尾筒は黒褐色で、秋季は各羽に白色の細い羽縁がある。

腰は白色で、各羽の羽軸は黒色である。腹、脇、下尾筒の各羽は暗褐色で、羽端に近いほど黒色勝ちで、羽端には白色縁がある。

翼は藍緑色の金属光沢のある黒褐色で、秋季は外縁と内弁の羽端とに白色の細い縁がある。

下雨覆、腋羽は黒褐色で、各羽端には白色の縁がある。尾は金属光沢のある黒褐色である。

嘴色は黒色、虹彩は濃褐色、脚色は黒色、脛羽は黒褐色。

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幼鳥の形質

【雛】
孵化直後の雛は肉色の裸体のままで初毛を欠く。

【幼鳥】
頭上は暗褐色で、各羽には白色の細い羽縁があり、翼は黒褐色で、白色の羽縁がある。ほかは成鳥と同様である。

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卵の形質

卵は長卵形または楕円卵形で、色は純白色で斑紋を欠く。

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生態

生息環境

本州中部では標高 2.300~3.100 mぐらいの高山帯に生息し、採食時には標高 500 mぐらいの山麓にも飛来する。

崖のある高山以外に、海岸、周辺の小鳥でも多数が繁殖する。

北海道では生息域は少ないが、海岸から高山帯まで生息する。

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食性

単独のこともあるが、多くは群れをつくって飛来し、大きな口をあけて空中でハナアブ、ガガンボ、ハエ、カ、アブ、ゴミムシなど空中に漂う昆虫を捕食する。

胃の内容分析から、クロヤマアリなどアリ類を多食していることがわかっている(千羽, 1968)。

ふだんは高空で採食するが、天候が悪化すると低空域に集中する。

飛行速度が速く、身近を飛ぶと風を切るすさまじい羽音が聞こえる。

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鳴き声

チイ―チイ―というすさまじい叫声を発する。

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特徴的な行動

高山や滝壺の岩壁、火口壁や海岸の岩壁の亀裂や隙間に集団営巣する。

巣は植物の根、茎、葉を材料に、粘着性のある唾液を用いて椀形につくる。

飛翔しつつ、空中に漂うこれらの巣材を集める。海岸や島では、海草を巣材にする。

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関連情報

その他

蕃殖地附近ではチイ―、チイーまたはチリリーと鋭い声で啼きつつ群れをなして高空を追いつ追われつ飛翔し、空中で交尾する。

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種・分類一覧