- 解説一覧
- アカモズ(Lanius cristatus)について
アカモズ(Lanius cristatus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Lanius cristatus Linnaeus, 1758
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:15~18 mm
・翼長:85~94 mm
・跗蹠:20~25 mm
・尾長:80~95 mm
・体重:23~40 g
・卵:長径 19.4~25.9 mm×短径 15.3~18.3 mm 平均長径 22.6 mm×短径 17 mm 重量 3~3.2 g
参考文献
- 清棲幸保 1955 アカモズ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 201-203.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。アジアの温帯・亜寒帯で繁殖し、冬はインドや東南アジアに渡って越冬する。
日本には夏鳥として渡来し、北海道と本州中部以北で繁殖するが、本州西部ではまれである。
1970年に鹿児島県で別亜種のシマアカモズ( L. c. lucionensis )が繁殖してるのが確認され、それ以降、熊本県などで毎年のように繁殖が観察されている。
また、金沢市ではアカモズ雌とシマアカモズ雄の亜種間交雑例が報告された(石塚, 1990)。
参考文献
- 中村雅彦 1995 アカモズ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 52.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- 和名の解説
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モズタカ・シロモズ・タカモズとも呼ばれ、赤百舌とも書く。
参考文献
- 吉井正 2005 アカモズ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 28-29.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
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1970年に鹿児島県で別亜種のシマアカモズ( L. c. lucionensis )が繁殖しているのが確認され、それ以降、熊本県などで毎年のように繁殖が観察されてる。
参考文献
- 中村雅彦 1995 アカモズ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 52.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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スズメ目 モズ科
参考文献
- 吉井正 2005 アカモズ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 28-29.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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頭上から背・尾は赤褐色。翼は黒褐色で赤褐色の羽縁がある。額と眉斑は白黄色。過眼線は黒い。
喉・頬・下面は白黄色、側胸から脇は淡い橙黄色で雌にはこの部分に褐色波状斑をもつものがいる。
参考文献
- 吉井正 2005 アカモズ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 28-29.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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孵化直後の雛は黄味を帯びた肉色の裸体のままで、腹の羽域に白色の極く短い初毛があるだけでほかの初毛を欠く。
参考文献
- 清棲幸保 1955 アカモズ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 201-203.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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平地から山地の、アカマツ林やカラマツ林のような明るい林や、低木のある草原に生息する。
参考文献
- 中村雅彦 1995 アカモズ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 52.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- 食性
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採食生態はモズとよく似ているが、モズに比べて飛翔する昆虫や樹木の葉に止まっている昆虫を捕える割合が多い。
モズと同様、不消化物をペリットとして吐き出す。また、早贄もつくる。
参考文献
- 中村雅彦 1995 アカモズ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 52.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は5~7月、年に1回の繁殖がふつう。繁殖地に雄だけ、あるいは番で渡来する。
雄が単独で渡来した場合、さえずりとほかの鳥の鳴きまねを繰り返すが、雌を獲得すると鳴かなくなる。
一夫一妻で繁殖する。巣づくりは雌雄とも行うが、分担率は雌のほうが雄に比べてはるかに多い(羽田・高橋, 1968)。
密に茂った樹木や藪の中に、枯れ葉、枯れ草、草本の根、樹皮を用いて椀形の巣をつくる。
産卵にさきがけ、求愛ダンスや雄から雌への求愛給餌が観察される。
1巣卵数は4~6個、1日1卵づつ産卵する(羽田・高橋, 1968)。
抱卵は雌だけが行い、モズと同様、雄は抱卵中の雌に給餌する。
抱卵は産卵と同時に始まり、徐々にその時間は増加していくが、最終卵を産み落とした翌日から完全抱卵に入る(羽田・高橋, 1968)。
抱卵日数は約14日、雛への給餌は雌雄共同で行う(羽田・高橋, 1968)。
育雛初期には雄が抱雛中の雌に餌を渡し、雌が雛に給餌するが、育雛中期および後期には雌雄が雛に直接給餌するようになる(羽田・高橋, 1968)。
雛は孵化後14日目に巣立つ。
参考文献
- 中村雅彦 1995 アカモズ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 52.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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喬木の頂などにとまってキョ、キョ、キョ、キュ、キュなどと啼き、キチ、キチ、キチ、キチと啼くこともある。
参考文献
- 清棲幸保 1955 アカモズ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 201-203.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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雄雌で生活し、モズより領域を守ることが厳重でないのかまたは範囲がそれより狭いのか、森林や灌木材の棲息密度はそれより著しく密である。
蕃殖を終えると家族群でいるものもある。喬木や灌木の頂に止まって啼いたり、食物を捜し求めたりする。
樹枝上や電線などにとまっているときには尾を上下左右に振っている。
搏翔と滑翔を交互にして直線的に緩い波形を描いて飛び、主として地上に近い低空を飛び、高空を飛ぶことは稀である。
枯木や灌木、喬木などにとまるときには、舞上る様にしてとまる。
参考文献
- 清棲幸保 1955 アカモズ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 201-203.
最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ