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- ユキホオジロ(Plectrophenax nivalis)について

ユキホオジロ(Plectrophenax nivalis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Plectrophenax nivalis (Linnaeus, 1758)
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:9.6~12 mm
・翼長:雄 104~115 mm 雌 98~110 mm
・跗蹠:20~23 mm
・尾長:62~72 mm
・卵:長径 19.5~23.4 mm×短径 15.3~17.1 mm 平均長径 21.2 mm×平均短径 16 mm
参考文献
- 清棲幸保 1955 ユキホオジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 110-111.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 渡り区分
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樺太には冬鳥として9月頃(まれに8月頃)渡来し、翌春の4月頃まで留まっている。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ユキホオジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 110-111.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 分布
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全北区に分布する。
環極地方のユーラシア大陸から北アメリカ大陸、グリーンランドにかけて繁殖し、冬はユーラシア大陸と北アメリカ大陸の中緯度地方に渡ってすごす。
日本では主として北海道で冬鳥として越冬する。本州から九州にかけて少数が訪れるまれな冬鳥だが、日本海沿岸地方では比較的よく見られる。
参考文献
- 中村登流 1995 ユキホオジロ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 199.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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スズメ目 ホオジロ科
参考文献
- 吉井正 2005 ユキホオジロ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 524.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
形態
- 成鳥の形質
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雄:頭部は純白色で、冬季は眼の上に淡赤褐色を帯びた白色の眉斑があり、頭部の各羽には赤褐色の羽縁がある。頸は純白色、肩羽と背は黒色で、冬季は体の上面の各羽に、淡赤褐色を帯びた白色の羽縁をつける。胸、腹、脇、腰、上尾筒、下尾筒は純白色で、冬季は上胸の両側に赤褐色の斑がある。
腰、上尾筒の各羽には淡赤褐色の羽縁があり、基部は黒色をしている。上尾筒の先端の各羽は黒色で、各羽縁は白色、冬季は縁が淡赤褐色を帯びている。初列風切は黒色、基部(全体の3分の1くらい)は純白色、次列風切、初列雨覆は全部純白色である。
三列風切は黒色で羽縁は白く、冬季は淡赤褐色を帯びた白色の幅の広い縁がある。大、中、小雨覆は純白色で、各羽の基部は黒褐色を呈する。
小翼羽は黒色をしている。尾は中央の3対が黒色、先端と先端近くの外縁は白色で、冬季は淡赤褐色を帯びている。ほかの尾羽は白色で、外弁の先端近くには軸に沿って細長い黒色の斑があり、外側から3番目の尾羽では、内弁の先端にも黒色斑がある。
下雨覆、腋羽は純白色をしている。嘴色は雄が黒褐色、雌が暗褐色であり、冬季になると雄の嘴色は黄褐色になる。虹彩は褐色、脚色は雄が黒色、雌が暗褐色になる。脛羽は白色で、各羽の基部は暗褐色である。
雌:額、頭上、後頭、後頸は汚白色で、各羽の基部は黒色である。背と肩羽は黒色で、各羽縁はやや淡赤褐色を帯びた白色をしている。上尾筒の先端の部分には、淡赤褐色を帯びた白色の縁がある。初列風切は暗褐色で、白色の細い外縁と汚白色の内縁がある。三列風切には淡赤褐色の羽縁がある。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ユキホオジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 110-111.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 幼鳥の形質
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雛:抱卵後12~15日くらいで孵化し、その後10~14日くらいで巣立ちする。孵化直後の雛は肉色の裸体のままで、暗灰色の長い初毛が眼の上、後頭、上膊、背、前膊、腿、脛などの羽域に生えている。口中及び口角縁は黄色である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ユキホオジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 110-111.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 卵の形質
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卵は黄白色、青白色、緑白色などの地に、赤褐色の粗大な斑紋や斑点と灰紫色の斑点があり、少量の黒褐色の斑紋もある。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ユキホオジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 110-111.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
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冬は沿岸地方の砂丘地帯、水田の畔、麦畑などの農耕地、干拓地などの草の多いところに現れ、荒れ地上で露出土の多い草つき地を好む。繁殖地では、低地から山岳地域にかけて岩石の多い荒れ地に住み、海岸や谷間の崖、産学の岩場やガレ地などを好む。
参考文献
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 生息環境
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冬は沿岸地方の砂丘地帯、水田の畔、麦畑などの農耕地、干拓地などの草の多いところに現れ、荒れ地上で露出土の多い草つき地を好む。繁殖地では、低地から山岳地域にかけて、岩石の多い荒れ地に住み、海岸や谷間の崖、山岳の岩場やガレ地などを好む。
参考文献
- 中村登流 1995 ユキホオジロ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 199.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 食性
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地上を歩きながら、イネ科などの種子をつまみ上げて食べる。そのため、種子がよく見つかるような雪解けの場所や、干上がりつつある水たまりのへりなどでもよく見かける。夏は大いに昆虫を食べ、雛にも与える。ときにガガンボ類やユスリカ類を食べる(Nethersole-Thompson,1966)。
参考文献
- 中村登流 1995 ユキホオジロ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 199.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 鳴き声
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チリリリリと優美な声で鳴き、チィーと高い声で鳴くこともある。繁殖期には岩上、低い切株などに止まってチュリー、チュリー、チュリー、チュリーと麗しい声で囀り続け、舞上がりながら盛んに囀る。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ユキホオジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 110-111.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 生殖行動
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雄は雌を連れてあちこちと割れ目を紹介し、巣材をくわえて伸び上がったり飛んでみせたりする(Nethersole-Thompson,1966)。
参考文献
- 中村登流 1995 ユキホオジロ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 199.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 産卵
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繁殖期は6~8月頃、一夫一妻で繁殖するが、一夫二妻の例も知られる。巣は岩の割れ目や、重なった岩石の隙間の中に椀形につくる。巣づくりそのものは雌だけで行う。1巣卵数は2~6個、雌のみが抱卵し、雄は雌に給餌する。
参考文献
- 中村登流 1995 ユキホオジロ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 199.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 子育て
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12~13日で孵化し、4日ほど雌が抱雛する。雄が餌を運んでくると、雌は立ち上がって直接雄に育雛させる。9~13日ぐらいで巣立つ(Nethersole-Thompson,1966)。
参考文献
- 中村登流 1995 ユキホオジロ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 199.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- 特徴的な行動
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繁殖期にはなわばりを分散し、直径 300~400 mぐらいの範囲が雄によって激しく防衛される(Nethersole-Thompson,1966)。雄は岩の上や空中へ飛び上がり、下降しながら囀る。冬は群れで過ごす。北海道では50~200羽にもなる大群がしばしば現れる。
参考文献
- 中村登流 1995 ユキホオジロ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 199.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
- その他生態
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繁殖期以外には群をなして、海岸の砂礫地を両脚を交互にして速足で走るように歩みつつ、あちこちと餌を漁る。ときには、両脚を揃えて跳ね歩くこともある。
常に地上生活をし、特に繁殖期には岩上、建築物、垣などにとまり、まれに樹上にとまることもある。
飛翔時には翼を激しく羽ばたいて波形を描いて飛翔する。群飛する時にはやや高空を飛び、舞い降りるときには急降下して地上を掠めるように 2~4 mくらい滑翔してから舞い降りるのが常である。
警戒時には尾と翼を軽く震わせる。夜間は単独または小群で地上の岩陰、土塊の陰、叢陰などをねぐらとして眠る。繁殖期には、雄は翼と尾を広げ、地上から 6~9 mくらいの低空に垂直に舞上がりつつ囀り、翼を45°くらいに傾けて下降するのが常である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 ユキホオジロ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 110-111.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン
関連情報
- その他
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日露渡り鳥条約、日中渡り鳥協定指定種である。
参考文献
- 吉井正 2005 ユキホオジロ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 524.
最終更新日:2020-04-27 ハリリセンボン