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- ハシグロヒタキ(Oenanthe oenanthe)について
ハシグロヒタキ(Oenanthe oenanthe)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Oenanthe oenanthe (Linnaeus, 1758)
基本情報
形態
- 成鳥の形質
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【雄成鳥】
(冬羽)額は白色であるが各羽の先が灰色であるため白色は種々の程度に匿されている。
そのほかの頭上・後頸・背・肩羽は淡いフレンチ灰色で、冬羽はバフ褐色の縁を有し、極く新しいときはその外周に更に白い細い縁を囲らしている。
腰・上尾筒は白色。鼻孔から眼の上を通って後方に達する白色の眉斑がある。
眼先より眼を通って耳羽に達する過眼線は黒く、しかしこの部分の羽毛の先は褐色である。腮は白色。喉および胸は濃淡があるバフ色。
そのほかの下面はクリーム色ないし淡バフ色、ただし下尾筒はほかの部分よりバフ色に富む。
下雨覆および腋羽は黒色で、各羽の縁と先端とは白色。尾羽は枚。角尾であるが中央対はやや短い。
尾羽は黒色で灰白色の縁があり、また各羽の基部は白い。
この白色部の範囲は中央対の場合は尾長3分の1以下であるが、そのほかの尾羽では3分の2に達する。
初列風切第1羽は 2~6 mmで、初列雨覆より短い。
風切は黒色で各羽の先と外縁は濃淡があるバフ色を呈するが、バフ色縁の幅は初列風切では細く、次列および三列風切では広い。
大雨覆は次列風切と同様であるが、縁はバフ色ではなく通常灰色を帯び、ときには白色を帯びていることさえある。
中雨覆および小雨覆は黒色で先は白色ないしクリームバフ色である。この羽衣は7~8月に完全な換羽をして得られるものである。
(夏羽)1~2月に体羽、ときとして内側大雨覆、稀には三列風切を換羽して夏羽となる。
新たに生じた羽毛は冬羽と同様であるが、上面は一層美しいフレンチ灰色を呈し、バフ褐色の縁は狭く、胸は一層鮮やかなバフ色を呈し、下腹は白い。
もし内側大雨覆を換羽した場合にはその縁はフレンチ灰色を呈し、また先端はバフ色を呈する。
なお翼および尾の黒色部は摩耗のために褐色を帯びて、その縁は狭くなる。
晩春になると体羽の羽縁が摩耗消失するため、額は白くなり、背面のフレンチ灰色は純となり、黒色の過眼線と白色の眉とは鮮明となり、下面は白色となり、ただ胸のみバフ色を帯びる。
嘴は多少尖り、基部は広く、平たい。上嘴の先は少し曲がり、下嘴より突出している。色は黒色。
鼻孔は嘴毛より露出しており、嘴毛中の毛状羽とヒゲとは存在するが細い。脚は黒色、虹彩は帯褐黒色。
【雌成鳥】
(冬羽)腰および上尾筒以外の全上面はバフ褐色ないし赤褐色。腰および上尾筒は白色。
眉斑は淡クリーム色。眼先は汚褐色。耳羽は褐色。腮は淡褐色。喉は淡バフ色。胸は濃バフ色。
そのほかの下面はクリームバフ色。翼は雄と同様であるが、黒色部は黒色ではなく暗褐色を呈し、風切および雨覆の羽縁はバフ色ないしバフ褐色で雄の場合よりも濃い。
(夏羽)換羽は雄と同様。新たに生じた羽毛の背面は帯灰褐色を呈し、眉は白く、眼先は暗色で、ときに帯褐黒色のこともあり、耳羽は暗い褐色である。
また下面は淡いバフ色。春季以後は羽縁の摩耗のため背面は灰色を帯びてくるが、決して雄のような純な灰色にならない。
夏季に至れば翼の淡色羽縁は消失する。
参考文献
最終更新日:2020-09-28 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
初毛は暗灰色で長く、腿以外は多量である。羽域は内眼上域・後頭域・上膊域・背域(上部のみ)・腿域・尾域(極く細小)。口内は淡橙色で斑点はない。口縁は極く淡い淡黄色。
【幼鳥】
上面は帯灰または帯バフ褐色で各羽は淡色の中央斑と狭い暗褐色の縁とを有する。
腰と上尾筒とは白色または帯クリーム白色で、各羽は通常極く狭い暗褐色の縁を有する。
わずかなクリーム色を帯びた眉斑が認められる。耳羽はバフ色で褐色の縁がある。腮および喉はクリーム白色、胸はかなり濃い帯バフクリーム色。
しかしこれらの各羽は明らかな褐色の縁を有するため、腮・喉・胸は斑点状の外観を呈している。
下腹および下尾筒は淡クリーム色で、わずかな暗色の縁を有する。尾羽・風切・大雨覆は雌成鳥と同じ。
中雨覆・小雨覆は各羽の先に淡クリーム色の楔状斑を持っている。
(第1回冬羽)
この羽衣でもまだ雄雌は異ならず、両者ともに成鳥雌と同様である。ときとして中雨覆に小さい白色の楔状斑を有するものもある。
この羽衣は8月中に体羽・小雨覆・中雨覆のみを換羽して得られるものである。
(第1回夏羽)
幼鳥は第2年早春に成鳥と同様の換羽を行って第1回夏羽となる。この羽衣で雄雌の羽色の差が生まれる。
雄の場合は雄成鳥に似るが背面は褐色に富み、耳羽は先に褐色はあり、額は白色が少なく、下腹は白色ではなくクリーム色を帯びている。
また尾および翼羽は成鳥より遥かに褐色に富む。雌の場合は雌成鳥の夏羽に似るが、上面は褐色味に富んで灰色味少なく、風切は淡い。
(第2回冬羽)
幼鳥は第2年の夏より秋に渡って全身を換羽し、成鳥冬羽となる。
参考文献
最終更新日:2020-09-28 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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北欧からシベリアにかけては海岸地方より標高 2500 mくらいの高いところまで各所に見られる。
その生息地は比較的限られており、荒れた山腹・岩石が多い沙漠および草原・海岸などにのみ棲んでいる。また南欧では山岳地方にのみ棲んでいる。
参考文献
最終更新日:2020-09-28 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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イギリスでは4月下旬から5月上旬に産卵。ただしシベリアにおける産卵期は遥かに遅く、6月初旬から中旬である。
巣は地面の穴・岩石の下・古い壁の間などに営み、よく隠匿されている。
材料は草・根・穂などで、ときにコケを混じることがあり、産座には獣毛・羽毛・羊毛などを敷く。
1腹卵数は5~7個。抱卵は雌は主として行うが、雄も参加することがある。孵化に要する日数は14日。
参考文献
最終更新日:2020-09-28 キノボリトカゲ