ウミオウム(Aethia psittacula)の解説トップに戻る
ウミオウム(Aethia psittacula)の分類 ウミスズメ科(Alcidae)
ウミオウム(Aethia psittacula)の概要 エトロフウミスズメ属(Aethia)

ウミオウム(Aethia psittacula)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Aethia psittacula (Pallas, 1769)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:14~18 mm
・翼長:146~159 mm
・跗蹠:28~31 mm
・尾長:40~47 mm
・卵:長径 51.5~58 mm×短径 33~40 mm 平均長径 54.3 mm×短径 37.3 mm

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

分布

全北区分布型。ベーリング海の島々やアリューシャン列島で繁殖し、冬はベーリング海一帯、アラスカ沿岸、千島列島沿岸に広がって過ごす。

日本には北海道と本州中北部の沿岸に冬鳥として現れ、太平洋側では宮城県あたり、日本海側では新潟県あたりまで南下し、11月ごろから翌年の3月ごろまでみられる。

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

ウミスズメ科

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雄雌夏羽】
額・頭上・後頭・後頸は煤けた黒色、顔・腮・喉は石盤灰色である。

眼の後方には白色の細い毛のような羽からなる線がある。

前頸・頸側は石盤灰色、背・腰・上尾筒は煤けた黒色、胸・腹・下尾筒は白色、脇は灰褐色である。

下雨覆と腋羽は灰褐色で、羽縁は細く白色である。風切羽と雨覆羽は煤けた黒色で、尾も煤けた黒色である。

嘴色は朱色、鼻孔付近は褐色、上嘴の会合線の基部縁は白色。虹彩は白色。

脚色は黄色を帯びた青白色、関節は褐色、蹼は黒色、趾は青白色。

【雄雌冬羽】
腮・喉・前頸・頸側および体の下面は全部白色で、喉の両側には石盤色の斑がある。

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は無光沢の白色かまたは淡青色で、光線の具合では淡緑色を帯びる。

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

生態

生息環境

非繁殖期にはほとんど洋上にいる。繁殖期には岩石海岸の崖下の岩砕堆積物に営巣する。

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

食性

雛にもってくる餌の分析によると、肉食性のプランクトン、甲殻類、頭足類、幼魚などが含まれる。

下嘴が上に反り返った形をしており、水底まで潜って、すくうようにして底性のアミ類や魚をとると考えられる(Johnsgard, 1987)。

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

鳴き声

ピーピ―と低い声で啼く。

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

特徴的な行動

一夫一妻で、コロニーで繁殖する。15~68万羽も集まる大コロニーになる。巣は堆積する岩の割れ目や隙間の穴の中にあり、地面に直に産卵する。

1巣卵数は1個、両親の抱卵で35~36日で孵化し、雛は34~37日で親の体重の78%ぐらいになって巣立つ(Johnsgard, 1987)

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

その他生態

常に海上生活をし、巧に泳いだり潜ったりして餌を漁っている。潜水時には翼と脚とを働かせて活発に活動する。

繁殖期には朝早く巣のある岩礁を離れて海洋に餌を漁りに出るが、午後には帰来するのが常である。

海上では体を平にしてかなり高く浮かび、顎を縮めている。

飛び立つときには海面を多少滑翔してから舞い上がり、飛び立ってからはウミスズメ類よりやや高い中空を翼を力強く羽搏いて迅速に直飛する。

地上では体を垂直にし跗蹠を曲げて地上につけているが、歩行時にはそのままの姿勢でよちよちと歩む。

ときには岩礁の上に腹をぴったりとつけて休むこともある。 

参考文献

最終更新日:2020-08-11 キノボリトカゲ

種・分類一覧