- 解説一覧
- アカゲラ(Dendrocopos major)について
アカゲラ(Dendrocopos major)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Dendrocopos major (Linnaeus, 1758)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:25~29 mm
・翼長:124~135.5 mm
・跗蹠:18~23 mm
・尾長:76.5~92 mm
・体重:62~76 g
・卵:長径 22.7~27.5 mm×短径 18~20.8 mm、平均長径 25.7 mm×短径 19.2 mm、重量 5.1 g
参考文献
- 清棲幸保 1955 アカゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 382-384.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸の中緯度地方に分布し、ヒマラヤ山地と中央部の砂漠や草原地帯を除く森林の分布と一致する。
旧北区を代表する普通種で、留鳥。
日本では北海道から本州まで分布するが、西南日本では少なく、中部地方以北に多く、ほとんど留鳥である。
参考文献
- 中村登流 1995 アカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
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日本ではアカゲラ D. m. hondoensis・エゾアカゲラ D. m. japonicus・ハシブトアカゲラ D. m. brevirostris の3亜種が記録され、アカゲラは本州以南、エゾアカゲラは南千島・北海道の林や住宅地域に留鳥として生息。
ハシブトアカゲラはシベリア・モンゴルに生息するが、1978年3月に山口県見島で迷鳥として記録された。
参考文献
- 吉井正 2005 アカゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 18-19.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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キツツキ目 キツツキ科
参考文献
- 吉井正 2005 アカゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 18-19.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄】
額は幅 8~10 mmくらい褐白色または淡褐色である。
頭上、後頸は光沢のある藍黒色、後頭には幅 10 mmくらいの紅色の帯がある。
眼の周囲、耳羽は褐色を帯びた白色、腮、喉、頸側は褐白色または淡褐色である。
下嘴の基部から黒色の頬線が走り、頸側で胸側の方に分かれて幅が広くなり、他方後頸と肩羽の方にも細い2線を出している。
背、腰、上尾筒は光沢のある藍黒色、胸、腹、脇は褐色を帯びた白色または淡褐色である。
下腹は薔薇色、下尾筒は鮮紅色である。肩羽は黒色で、各羽の先端の部分は白色である。下雨覆、腋羽は白色。
風切羽は黒色で、初列風切の第1羽の内弁の基半部には白色の斑が横縞をなして多数あり、第2羽では内外弁の基半部に同様の班があるが、ほかでは内弁の基半部と外弁全体に同様の斑がある。
次列風切、三列風切では内外弁に同様の白色斑がある。大、中雨覆は黒色で、内側のものは白色である。
小雨覆、小翼羽は黒色、初列雨覆は黒色で、白色斑がある。
尾は黒色で、中央の2対は多くは全部黒色であるが、ときにはその外側のものの先端に褐白色の斑があるものもある。
次の1対は先端に褐白色の斑があり、外弁に褐白色の斑2箇と内弁に1箇があり、ほかの尾羽も先端に褐白色の班があり、内、外弁に褐白色斑が2箇ある。
嘴毛は白色で、先端は黒色、嘴色は鉛灰色、虹彩は赤褐色または赤色、脚色は緑灰色、脛羽は暗褐色。
【雌】
後頭は雄にある紅色帯を欠き藍黒色を呈する。ほかは雄と同様である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 アカゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 382-384.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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孵化直後の雛は肉色の裸体のままで初毛を欠いている。口中と口角縁は肉色である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 アカゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 382-384.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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低地、低山帯、亜高山帯のいろいろなタイプの樹林にすみ、落葉広葉樹林、アカマツ林など比較的明るい林を好む。
河辺林や農耕地に点在する雑木林、樹木の多い公園や集落でも繁殖する。
参考文献
- 中村登流 1995 アカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 食性
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樹木の幹から大枝にかけてよじ登りながら、樹皮の表面や割れ目、とくに枯死部で採食する。
生木の枯れた枝や割れ目、枯れ木の材、地上に落ちている枯れ枝などを好み、くちばしで叩いてほじくり、枯死材の中にいる甲虫の幼虫をとり出す。
アリ類や鱗翅類の幼虫も食べる。
植物質ではヌルデやウルシの実、ノイバラやヤマブドウなどの果実、ときには人家に残ったカキの実を食べる。
参考文献
- 中村登流 1995 アカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は5~7月ごろ、一夫一妻で繁殖する。
枯れ木や枯れた大枝に、雌雄共同で樹洞を掘って巣にするが、何年も同じ木に穴を掘ることが多く、雄のほうが雌より多く作業をする(小林, 1975)。
巣は、よく地上 2~5 mぐらいにつくり、穴の入り口の直径は 4~6 ㎝ぐらい、深さは 20~40 cmぐらいで、とくに内装はつくらず、直に卵を産む。
1巣卵数は4~6個、雌雄交替で抱卵し、14~16日で孵化する。雄は卵が産まれると、夜間は巣穴内で塒をとり、雛が巣立つ2日ぐらい前まで続ける(Short, 1982)。
雛は両親に養われて、20~21日で巣立つ。
参考文献
- 中村登流 1995 アカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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警戒時にはキョッ、キョッと烈しく啼き、頭を左右に振りながら啼くのが常である。
アオゲラのように蕃殖期の特別の啼きをしない。
参考文献
- 清棲幸保 1955 アカゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 382-384.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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春先には盛んに枯れ木を太鼓にドラミングをする。
番の形成は冬のうちに始まり、幹や大枝をはさんで向き合うように止まり、首を左右に振ったり、追いかけたりしてディスプレイする。
ディスプレイ中はしばしば赤い下尾筒を逆立てる。このころ、雄はしばしば特異な羽音をたてて飛ぶ。
参考文献
- 中村登流 1995 アカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139.
最終更新日:2020-06-26 キノボリトカゲ