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マダラウミスズメ(Brachyramphus perdix)の分類 ウミスズメ科(Alcidae)
マダラウミスズメ(Brachyramphus perdix)の概要 マダラウミスズメ属(Brachyramphus)

マダラウミスズメ(Brachyramphus perdix)

近危急種 (NT or LR/nt)

【IUCN】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Brachyramphus perdix (Pallas, 1811)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:17~22 mm
・翼長:125~133 mm
・跗蹠:18~20 mm
・尾長:30~38 mm
・卵:長径 62.5 mm×短径 41.2 mm

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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ

分布

全北区。オホーツク海、ベーリング海、北太平洋の沿岸に分布し、千島列島、サハリンの山岳地帯で繁殖しているらしく、冬はアラスカやカリフォルニアあたりまで南下する。

日本では北海道道東部で少数が繁殖し、冬は本州中部の沿岸、東京湾や駿河湾あたりまで現れる。

太平洋側では奄美大島、久米島までに記録があり、日本海側では新潟県、富山県沿岸で比較的よくみられ、福岡県博多湾に採集記録がある。

1961年に北海道の藻琴山の山麓で繁殖が記録された(関根, 1987)。

また1982年にオホーツク海沿岸の小清水海岸で幼鳥4羽が採集されている(黒田ほか, 1983)。

知床半島でも繁殖しているといわれる(中川, 1988)。希少種に指定されている。

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分類学的位置付け

ウミスズメ科

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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

【雄雌夏羽】
額・頭上・後頭・後頸・眼先・眼の後方は煤けた褐色で、後頸の各羽には淡赤錆色の縁がある。

腮・喉・頬・前頸・頸側は白色で、煤けた暗褐色の小斑が多少ある。

肩羽・背・腰・上尾筒は煤けた褐色で、各羽には淡赤錆色の縁がある。

胸・腹・脇・下尾筒は白色で、各羽には煤けた暗褐色の縁がある。

下雨覆・腋羽は煤けた褐色、翼は煤けた褐色であるが、大・中・小雨覆の各羽には淡赤錆色の縁がある。

尾は煤けた褐色である。嘴色は黒色、虹彩は暗褐色。脚色は黄肉色、跗蹠の後端と趾膜は黒色。

【雄雌冬羽】
眼の周囲には白色の輪になった斑紋がある。体の上面は暗灰色または石盤灰色で各羽の基部は黒褐色である。

肩羽の大部分は白色。体の下面は白色で、各羽には煤けた褐色の縁がある。

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幼鳥の形質

体の上面の各羽には白色の縁があり、体の下面は白色で、各羽には煤けた褐色の縁がある。

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卵の形質

卵は淡黄色の地に赤褐色の斑点と石盤色の斑点とが多数散在する。

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生態

生息環境

沿岸性の島で外洋に出ることはなく、入江などで見られる。

繁殖地は、ほかのウミスズメ類と異なりかなり内陸部や森林帯に入る。

藻琴山の場合、海岸から 24 kmも入った針広混交林である。

アラスカでも 5~10 km内陸に入った針葉樹林で繁殖する(Johnsgard, 1987)。

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食性

沿岸の水面に浮いて、水中に潜って採食し、遠く洋上に出ることはない。

オキアミのような甲殻類やイカナゴなどの小型の魚類を食べる。

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鳴き声

小声でフィーフィーと啼くが、常にはあまり啼かない。

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特徴的な行動

繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は、地上 4~7 mぐらいの樹上にあったり地上にあったりする。

樹上では横枝の地衣類やコケ類が茂った上に、地上では窪みを利用し、とくに巣材を集めてつくることはない。

1巣卵数は1個、両親が抱卵し、雛は約30日ぐらいで孵化する。

抱卵交替は夕方に行われる。雛は両親から給餌をされ、27~28日ぐらいで巣を離れる。

地上の巣の雛は親の誘導によって海まで歩いていく。巣立ちは夜間で、最初の日は 500 mぐらいしかいない。

樹上の巣の雛は、一気に海まで飛ぶのではないかと考えられている(Johnsgard, 1987)。

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その他生態

孤独な鳥である。繁殖期には番で分散しており、コロニーにはならない。

非繁殖期にも単独か2羽でいることが多く、せいぜい10羽ぐらいまでで、群れることはまれである。

なわばり行動については知られていない。求愛行動は水面で行われ、頸を上方に伸ばすディスプレイが知られている。

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最終更新日:2020-08-05 キノボリトカゲ

種・分類一覧