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- アナドリ(Bulweria bulwerii)について
アナドリ(Bulweria bulwerii)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Bulweria bulwerii (Jardine & Selby, 1828)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:23~24.5 mm
・翼長:190~216 mm
・跗蹠:25~29 mm
・尾長:104~119 mm
・卵:長径 39.4~47 mm×短径 29.6~33 mm 平均長径 43.1 mm×短径 31.1 mm
参考文献
最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ
- 分布
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北大西洋および北太平洋南西部に分布し、ハワイ諸島、アゾレス諸島、マルキーズ諸島などで集団繁殖する。
にっぽんでは小笠原諸島の西之島、硫黄列島の硫黄島・南硫黄島で繁殖する。
また、最近、太平洋海域北限の繁殖地として、伊豆諸島八丈島の属島で繁殖が確認された。
八重山諸島の仲ノ神島でも1982年に繁殖が確認されており、少なくとも100羽程度の個体が生息するものと推測されている(河野ほか, 1986)。
仲ノ神島に近い繁殖地には台湾と中国福建省沿岸の島々があり、南西諸島では5~10月に観察されるので、仲ノ神島以外の島でも繁殖の可能性があり、今後の調査が待たれる。
小笠原諸島、硫黄列島では5月ごろに渡来し、11月ごろに渡去するという(清棲, 1978)。
また、仲ノ神島でも4月下旬から5月上旬に渡来し、10月中旬ごろに渡去するが(河野ほか, 1986)、越冬地や渡りのルートなどはよくわかっていない。
繁殖期にはコロニーのある島の近海で見られるが、そのほかの地域でめったにみることはなく、とくに日本海ではまだ記録がない。
参考文献
最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雌雄】
頭部は煤けた暗褐色、頭側と喉は多少灰鼠色を帯びている。
頸・肩羽・背・腰・上尾筒は煤けた暗褐色、胸・腹・脇・下尾筒は煤けた褐色である。
風切羽は煤けた暗褐色、大雨覆は淡灰色を帯びた煤けた褐色、中・小雨覆、初列雨覆・小翼羽は煤けた暗褐色である。
尾は煤けた暗褐色である。嘴色は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は淡灰色、跗蹠の外側や外趾、趾膜は黒色である。
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最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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繁殖地は海岸や島嶼の海沿いに限られ、断崖の上に広がる平坦地や丘陵地などの裸地や草地に巣穴を掘って繁殖する。
また、岩の下、崖地の岩の間の奥や隙間にも営巣する。
ハワイ諸島で繁殖する個体群の営巣場所は島によってかなり異なり、サンゴ礁の下やよく繁茂している草木の陰などでも繁殖するという(Berger, 1972)。
南硫黄島では、傾斜地のクサトベラやセンダンが生育している地上に産卵する(塚本, 1983)。
生涯のほとんどを外洋ですごすため、海岸から観察することはできず、繁殖期でも陸に上がるのは夜間だけで、未明には海にもどる。
ミズナギドリ科のほかの種と同様、コロニーでその姿が日中観察されることはほとんどない。
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最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ
- 食性
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水面近くを低く飛び、帆翔とはばたきを繰り返し、小さく旋回して餌を探す。餌を見つけると水面に下りる。
飛び方は大型ウミツバメ類に似ている。水面に浮いて泳ぎ回り、魚類の卵、オキアミなどの甲殻類、イカの幼体、稚魚など小型の海洋動物を食べると考えられるが、よくわかっていない。
日中、海上では1羽で飛行するのがふつうで、単独では採餌することが多い。
繁殖期にはコロニー周辺の海上で見られるので、採食海域はコロニーからあまり離れていないのではないかと考えられる。
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最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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繁殖期は6~10月、年に1回、一夫一妻で繁殖するらしいが、繁殖生態の詳細はよくわかっていない。
1巣卵数は1個。抱卵日数は44日と47日の2例の記録があるにすぎない(Cramp & Simmons, 1977)。
雌雄が1~5日おきに交替で抱卵するという(Cramp & Simmons, 1977)。
抱卵中の親鳥は、その間ずっと絶食することになる。雛は半晩成性で、黒い幼綿羽に覆われている。
雌雄共同で雛に給餌し、雛は孵化後57~67日で巣立つが、巣立ち後数日たってから親から独立する(Cramp & Simmons, 1977)。
昼間は海上で餌をあさり、胃の中に餌を貯えて夜間に巣に帰り、雛に給餌する。
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最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ
- その他生態
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集団で繁殖するが、採食時や繁殖期以外は単独でいることが多い。
コロニーでは、岩の下や巣穴の中でウッウッウッウッウッと啼くが、洋上ではほとんど啼かない。
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最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ