- 解説一覧
- フクロウ(Strix uralensis)について
フクロウ(Strix uralensis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Strix uralensis Pallas, 1771
目次
基本情報
- 大きさ・重さ
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成鳥全長:50 cm
成鳥翼開長:95~110 cm
幼鳥全長:孵化後30日位で 350 g前後
参考文献
- 2014 ♪鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670 - 書籍全体, 永井真人(著) 茂田良光(監修) ♪鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670. 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 和名の解説
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フクロウは陰気な鳴き声が印象的な鳥で、フクロウをいう方言には鳴き声に由来すると思われる「ゴロチョ」「フルツク」「ホーホードリ」「ホロスケ」などがあることから、その鳴き声が語源と考えられる。
漢字の「梟」が「木」の上に「鳥」野略体なのは、昔、フクロウの死骸を木の上にさらして、小鳥を脅したことに由来する。
参考文献
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 亜種・品種
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日本に繁殖するフクロウは、次の4亜種に分類される。
亜種 エゾフクロウ は北海道で繁殖。全体に白っぽい。
亜種 フクロウ は中部地方北部以北の本州で繁殖。以前は亜種トウホクフクロウと呼ばれていた。亜種エゾフクロウよりも褐色味が強い。
亜種 モミヤマフクロウ は関東地方の一部、東海、北陸、中部地方近辺で繁殖。亜種フクロウよりも全体の羽色が濃いが大きな相違はない。
亜種 キュウシュウフウロウ は関東、東海地方の南部、近畿、四国、九州地方に生息し、どの亜種よりも全体の羽色が濃く、赤褐色味も強い。この亜種には全体が黒褐色の暗色型もいる。
参考文献
- 叶内拓哉 2013 フクロウ, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. p. 398.
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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フクロウ目 フクロウ科
参考文献
- 叶内拓哉 2013 フクロウ, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. p. 398.
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 人間との関係
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自然界で一番静かに飛ぶことができる野鳥、それはフクロウである。フクロウの初列風切にある静穏飛翔の仕掛け、セレーションが新幹線の一番騒音源であるパンタグラフに生かされた。完成品は翼型パンタグラフと呼ばれた。
現在の里山で、野生動物がどのような営みをしているかを明らかにするときに、フクロウはとてもよい調査対象種となる。
フクロウは、里山の生態系のうち、高次捕食者としての位置付けにある。したがって、その生態を明らかにすると、下位に位置する生物の生息状況なども見て取ることができるのである。
また、フクロウは、里山に営巣するとともに、餌を田畑でも捕るため、里山とその周辺に広がる里地の調査にも適した種である。つまり、フクロウを調べることで、里山と里地のつながりや食べる食べられる動物のつながりを調べることが可能になる。
参考文献
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
形態
- 成鳥の形質
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雌雄同色。
虹彩はどの亜種でも濃黒褐色で、嘴と足の指は黄色っぽい。風切と尾羽にはタカ斑同様の模様があり、翼全体は幅広で丸みのある形をしている。足の指の上面に羽毛がある。
参考文献
- 叶内拓哉 2013 フクロウ, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. p. 398.
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
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平地から山地の林、農耕地、草原などに生息する。
参考文献
- 叶内拓哉 2013 フクロウ, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. p. 398.
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 食性
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餌の平均は4ヵ月程度は1日平均 200g位であるがその後は成長と同じ量になる。
与えた餌は鶏の雛40%、キジの雛20%、鶏頭10%、ノウサギ5%、タヌキ5%、カモ類5%、スズメ5%、ネズミ5%、イクチ4%、ヘビ類1%の割合であった。
参考文献
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 鳴き声
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低音で「ホーホーゴロスケホオホオ」「ギャッ」と鳴く。
参考文献
- 2014 ♪鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670 - 書籍全体, 永井真人(著) 茂田良光(監修) ♪鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670. 文一総合出版. .
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
- 特徴的な行動
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巣は、樹洞やカラスなど他種の古巣や、ときには壁の穴や地上に作る洞穴借用型で、巣箱も利用する。巣材は使わないか、枯葉を敷く程度である。
1羽かつがいで生活する。羽音を立てずに飛び回り、主にネズミや鳥類を獲る。
参考文献
- 叶内拓哉 2013 フクロウ, 叶内拓哉、安部直哉、上田秀雄(著) 日本の野鳥. 山と渓谷社. p. 398.
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン
関連情報
- その他
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フクロウは270度も首が回るといわれる。人間を始めとする哺乳類の首の骨は7個であるが、フクロウの仲間は倍の14個ある。骨の数が倍になっているため、人間のほぼ倍近く首を回すことができる。
一般に、鳥類は眼球をあまり動かすことができない。しかしフクロウのなかまは眼球が固定されており、視野は110度程度しかないため、首を回してものを見る。
参考文献
最終更新日:2021-04-05 ハリリセンボン