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マミジロタヒバリ(Anthus novaeseelandiae)の分類 セキレイ科(Motacillidae)
マミジロタヒバリ(Anthus novaeseelandiae)の概要 タヒバリ属(Anthus)

マミジロタヒバリ(Anthus novaeseelandiae)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Anthus novaeseelandiae (Gmelin, 1789)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:13~16 mm
・翼長:雄 90~101 mm 雌 85~94 mm
・跗蹠:29~33 mm
・後趾の爪:12~21 mm
・尾長:68~81 mm
・体重:29~39 g
・卵:長径 19.7~23 mm×短径 14.6~17.2 mm  平均長径 21.3 mm×短径 16.4 mm

参考文献

最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ

分布

旧北区、東洋区、オーストラリア区、エチオピア区。

日本は主要な渡りのコースから離れているため迷鳥で、本州中部の新潟県、石川県以南から、沖縄県までにときどき記録される。

対馬には4月の春の渡り期に定期的に訪れる。

琉球諸島南部では越冬するものがあり(沖縄野鳥研究会, 1986)、9月から翌年4月まで記録され、10~12月に多い。

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分類学的位置付け

セキレイ科

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形態

成鳥の形質

【雄】
額・頭上・後頭・後頸は暗褐色で、各羽には黄味がかった赤錆色の縁がある。

眼の上には淡黄褐色の眉斑がある。耳羽は淡黄褐色で、褐色の小斑が多数ある。

腮・喉・頬は褐色を帯びた白色で、喉の両側には黒褐色の斑点からなる顎線がある。

前頸は褐色を帯び、暗褐色の雨滴形の斑点がある。頸側には暗褐色の縦斑がある。

肩羽・背・上尾筒は暗褐色で、各羽には黄味がかった赤錆色の幅の広い縁がある。

腰は褐色を呈している。胸・腹・脇・下尾筒は褐色を帯びた白色で、脇は褐色が強い。

下雨覆・腋羽は褐色を帯びたクリーム色である。

初列風切・次列風切・三列風切・初列雨覆・小翼羽は暗石盤褐色で、黄褐色の縁があり、三列風切の縁はその幅が広い。

大・中雨覆は暗褐色で、黄褐色の幅の広い縁がある。小雨覆は暗褐色で黄味がかった赤錆色の縁がある。

尾は中央の1対は暗石盤褐色で、黄褐色の縁があるが、ほかの尾羽は暗褐色で、淡色の縁がある。

最外側の尾羽の1対は白色で、内弁には灰褐色の縁があり、羽軸は白色を呈している。

次の1対の尾羽は白色で、内弁には灰褐色の幅の広い縁があり、羽軸は暗褐色を呈している。

嘴色は濃褐色、下嘴は淡褐色、先端は暗色。虹彩は暗褐色、脚色は淡黄褐色。

【雌】
雄より少し小形で、春季には体の上面は色が淡くて赤錆色が少ない。体の下面は白色勝ちである。

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最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

体の上面は黒褐色で、各羽にはクリーム色の細い縁がある。

下喉には暗褐色の斑が多く、脇には暗色の縦斑がある。雨覆羽の羽縁は白色勝ちである。

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卵の形質

卵は緑灰色、黄白色、淡黄色、淡紅白色などの地色にオリーブ色または赤褐色と灰鼠色との斑点が一様に密在する。

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生態

生息環境

渡り期には低地の沼沢地、水田、農耕地、川沿いの湿地や草地に現れる。繁殖地では水辺の湿地草原、灌木草原、林緑などにすむ。

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食性

昆虫を主食とし、鱗翅目、直翅目(例えばバッタ)、双翅目、膜翅目(例えばヒメバチ)、鞘翅目(例えばナナホシテントウ)などを好んで食物とする。

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鳴き声

地上でチチ、チウ、チウ、チウ、チウ、チウ、チウ、チチ―、チイ、チイ、チイとヒバリに似た声で早口に囀り、ときどきヒバリのように空高く舞い上がって囀り続けることもある。

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特徴的な行動

繁殖期は5~7月、年に2回繁殖する。巣は地上の窪みに椀形につくり、外装に枯れ草やコケ類などを、内装には細根、細い草の茎、獣毛などを使う。1巣卵数は4~6個、雄が抱卵する。繁殖についての詳しいことはわかっていない。

単独で現れることが多い。越冬地では4~6羽ぐらいの群れで生活する。

また渡りのコースでは、たいてい10~12羽ぐらいの小群で通過する。

繁殖期の分散状態はわかっていない。樹木や空中でさかんにさえずる。

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その他生態

常には雄雌で生活し、冬期は小群でいることがある。両脚を交互にして早足に歩みつつ地上で餌を捜し求めることが多い。

主として灌木の枝上や岩上にとまり、比較的稀に喬木の枝上にとまり、ときには電線にとまっていることもある。

飛翔時には搏翔と滑翔とを交互にして全体として波形の大きな弧を描いて飛ぶ。

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最終更新日:2020-07-29 キノボリトカゲ

種・分類一覧