- 解説一覧
- セッカ(Cisticola juncidis)について
セッカ(Cisticola juncidis)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Cisticola juncidis (Rafinesque, 1810)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:10~11.5 mm
・翼長:46.5~57 mm
・跗蹠:19~21 mm
・尾長:中央 39~56.5 mm 外側 24~28 mm
・卵:長径 15.2~18 mm × 短径 11.2~12.6 mm 平均長径 16.5 mm × 短径 12 mm
参考文献
- 清棲幸保 1955 セッカ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 271-273.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。エチオピア区、東洋区。サハラを除くアフリカ大陸、ヨーロッパ南部、インド、東南アジアからオーストラリア大陸北部、日本、中国南部に生息し、熱帯・温帯で広く繁殖する。
日本では沖縄県から秋田県にかけて分布するが、とくに本州中南部に集中し、北陸・東北地方にかけては局地的に分布する。
中部以西では太平洋沿いの平野部に多い。北方の個体群は西南日本で越冬しているらしい。沖縄県では留鳥である。
参考文献
- 中村登流 1995 セッカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 205.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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スズメ目 セッカ科
参考文献
- 吉井正 2005 セッカ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 302.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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雌雄同色。額は暗色で、各羽には褐色の縁があるが、秋季には全体に赤錆色を帯びている。
頭上・後頭・後頸は褐色で、各羽には暗褐色の軸斑と淡色の羽縁があるが、秋季は全体に赤錆色を帯びている。
眼先・耳羽・頬は褐色を帯びた白色、腮・喉は極く僅かに褐色を帯びた白色である。
背・肩羽は褐色で、各羽には黒褐色の幅の広い軸斑があり、羽縁は白色を帯びている。
胸・腹は極く僅かに褐色を帯びた白色、脇は褐色を帯びた淡い赤錆色である。
上尾筒は赤錆色を帯びた褐色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。秋季は体の上面っは赤錆色勝ちである。
下尾筒は黄味がかった淡赤錆色である。
翼は暗褐色で、初列風切、次列風切には淡黄白色を帯びた褐色の外縁があり、三列風切、大・中・小雨覆、初列雨覆、小翼羽には淡黄白色を帯びた褐色の羽縁がある。
下雨覆、腋羽はわずかに黄褐色を帯びた白色。尾は中央の1対はやや黄味がかった赤錆色を帯びた暗褐色である。
ほかの尾羽の羽端には白斑があり、外側の尾羽ほどこの斑の幅が広く、中央尾羽ほど汚白色である。
白色斑の次には黒褐色の帯があり、その次に黄味がかった赤錆色の幅の広い帯があり、外弁は暗褐色を帯び、基部は暗褐色である。
嘴色は上嘴は暗褐色、下嘴は黄白色、虹彩は褐色、脚色は淡黄褐色または褐白色、脛羽は黄味がかった赤錆色。
参考文献
- 清棲幸保 1955 セッカ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 271-273.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
初毛は全くない。舌の基部表面には卵形の小黒色斑がある。
【幼羽】
斑紋は成長冬羽と同様である。ただし背面全部・翼・尾の羽縁は成鳥よりも遥かに赤褐色味を帯びている。
また下面は成長冬羽と異なって腮・喉・胸・腹の中央は淡黄色を呈し、脇・下尾筒および脛のみが帯褐バフ色を呈している。
【第1回冬羽】
幼鳥は秋季に体羽を換羽する。雨覆の換羽の有無は疑いがあるが、風切および尾羽は換羽しないことは確実である。
新たに生じた羽毛は成鳥冬羽と違いはない。
【第1回夏羽】
明らかならざるも、恐らく成鳥と同様の換羽を行うのであろう。雄の夏羽にて頭上に多少縦斑を現してるのは、恐らくこの羽衣のものと思われる。
【第2回冬羽】
幼鳥は第2年秋季の全身の換羽によって成鳥冬羽となる。
参考文献
- 山階芳麿 1980 セッカ, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅱ. 出版科学総合研究所. 177-183.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 卵の形質
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卵は淡青色の地に淡紫色と暗赤褐色の微細な小斑点が一面に散在し、斑点は鈍端近くに密在するのが常である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 セッカ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 271-273.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 似ている種 (間違えやすい種)
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カラセッカ
参考文献
- 山階芳麿 1980 セッカ, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅱ. 出版科学総合研究所. 177-183.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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低地から山地の草原、水田に生息し、チガヤやカルカヤのようにやや丈が低いイネ科の茂る草原を好む。
海岸や河口のやや湿った草原や河原の草原に多い。
参考文献
- 中村登流 1995 セッカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 205.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 食性
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植物の茎を移動しながら、昆虫、クモ類を食べる。
雛が小さいうちはクモ類や鱗翅類の幼虫を、大きくなるとバッタなどの直翅類を給餌する。
小さな鳥だが大食いだという。
参考文献
- 中村登流 1995 セッカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 205.
- 山階芳麿 1980 セッカ, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅱ. 出版科学総合研究所. 177-183.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は4月から9月中旬と長く、年に2~3回繁殖するが、番の関係がきわめて希薄な一夫多妻である。
1巣卵数は4~8個、1日1卵づつ産卵し、抱卵は雌だけが行い、抱卵日数は12~14日(母袋, 1976)。
巣立ちまでの日数は13~15日、雛への給餌も雌だけで行う(母袋, 1976;Ueda, 1984)。
巣は高い捕食圧にさらされており、巣立ち成功率は非常に低い(上田, 1986)。
巣立った雛は10日ほど雌に給餌され、その年生まれの雌の雛は、巣立ち後約1カ月で性成熟し繁殖に参加する(Ueda, 1984)。
参考文献
- 中村登流 1995 セッカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 205.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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飛びながらヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッと細く高い声で啼き、チョチョツ、チョ、チョツと叩くように啼き、舞い降りるときにはチョチョツ、チョチョツまたはジャッ、ジャ、ジャッと啼く。
参考文献
- 清棲幸保 1955 セッカ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 271-273.
最終更新日:2020-06-02 キノボリトカゲ