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イワミセキレイ(Dendronanthus indicus)の分類 セキレイ科(Motacillidae)
イワミセキレイ(Dendronanthus indicus)の概要 イワミセキレイ属(Dendronanthus)

イワミセキレイ(Dendronanthus indicus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Dendronanthus indicus (Gmelin, 1789)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:12.5~14.8 mm
・翼長:71~83 mm
・跗蹠:19~24 mm
・尾長:63~72 mm
・体重:13~18 g
・卵:長径 19~21.5 mm×短径 14~16 mm

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最終更新日:2020-08-03 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸東部の中国中北区で繁殖し、冬は中国南部、東南アジアに渡って過ごす。

日本には本州中部以南に冬鳥または旅鳥としてまれに現れ、9月から翌年の2月ごろまでの記録が多い。

1971年に福岡市、1975年に鳥取市で繁殖が確認されている。

また4~8月に盛んに囀っていた記録が鹿児島、宮崎、佐賀、山口、島根、鳥取、岐阜などの各県にもあり、繁殖した可能性がある。

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分類学的位置付け

セキレイ科

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形態

成鳥の形質

【雄】
額・頭上・後頭・後頸はオリーブ灰色、眼の上には白色の眉斑があり、その上部には暗色の不明瞭な線が走っている。

耳羽の上部はオリーブ灰色、下部は白色で、オリーブ灰色の斑がある。

頬・喉・腮は白色、前頸には黒色の三日月型の幅の広い斑紋があり、その中央の部分から極く短い線が胸の方に走っている。

肩羽・背・腰はオリーブ灰色、胸・腹・脇は白色、胸側には黒色を帯びたオリーブ色の短い曲線形の斑紋がある。

下尾筒は黄白色で、先端の部分はオリーブ灰色である。下雨覆・腋羽は黄白色で、オリーブ灰色の縁がある。

初列風切は暗褐色で、基部は白色、外弁には黄色の細い縁があるが、第1~3羽までは基部が白色を呈せず、外弁には淡黄色の斑がある。

次列風切は黒褐色で、基部は白色、先端には黄白色の斑がある。三列風切は黒褐色で、先端にはオリーブ灰色の縁がある。

中雨覆は黒褐色で、各羽縁には黄色を帯びた白色の幅の広い縁がある。

小雨覆はオリーブ灰色である。尾は中央の1対はオリーブ灰色であるが、次の3対の尾羽は黒褐色である。

外側の2対の尾羽は白色で、基部には内外弁に黒褐色の楔形の縦斑があり、外弁は灰褐色である。

嘴色は暗褐色、下嘴は褐色を帯びた肉色。虹彩は暗褐色、脚色は褐色を帯びた肉色、趾は暗色。

【雌】
雄より小型で、翼は褐色勝ちである。

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最終更新日:2020-08-03 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

体の上面は暗オリーブ褐色で、各羽には赤錆色を帯びた褐色の縁がある。

眼の上には黄味がかった淡赤錆色の眉斑があり、その上部には黒色の幅の広い縁がある。

体の下面は白色、前頸には黒褐色の帯があり、胸は褐色を帯びたクリーム色を呈している。

初列風切は暗褐色で、外弁には白色の縁があり、次列風切は暗褐色で、内弁の基部は白色である。

尾は黒褐色で、褐色の縁があるが、外弁の尾羽は白色で、基部には黒色の楔形の縦斑がある。

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卵の形質

卵は青灰色、暗灰色などの地に暗褐色、暗赤色、黒褐色などの斑点および線と灰紫色の斑点とが散在する。

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生態

生息環境

常緑樹林や落葉樹林の中の川沿い、伐採地、空地、踏み跡、川の砂地、水田、コーヒー園内などにすむ。

繁殖地では、深い渓谷など流れの近くの樹林にすむ。

越冬地では流れ沿いによく見られるが、流れから離れた林緑や農耕地、庭園などにも現れる。

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食性

地上や樹林で採食し、地上を歩いたり、走ったりして虫を捕える。

しかし警戒すると、直ちに近くの樹枝に飛び上がり、体の後半を上下ではなく、左右にゆする。

むしろ樹上で採食することが多く、横枝の上をすばやく走っては虫を驚かすように、斜めに飛び上がっては下りる。

フライングキャッチもする。主として昆虫のアリ類、鞘翅類、直翅類などを食べ、クモ類、カタツムリ、ナメクジ、ミミズなども食べる。

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鳴き声

地上を走るときや樹上にとまっているとき、飛翔中などに絶えずジット、ジット、ジー、ジット、ジット、ジーまたはギッコ、ギッコ、ギー、ギッコ、ギッコ、ギーと啼き立てる。

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特徴的な行動

繁殖期は5~7月、多分一夫一妻で繁殖する。

巣は樹上の横枝の上につくり、低木のことが多く、地上 2~3 mぐらいだが(Ail & Ripley, 1973)、鳥取市の例ではモミの地上 13 mであった(塩村, 1976)。

巣は椀形で、セキレイ属よりも緻密で、外装は小枝、細い葉、細根などにコケ類を混ぜてクモ糸で綴り、地衣類をくっつける。

内装には獣毛やコケの仮根などを使う。

巣づくりは雌が行い、雄は近くでさえずり、巣材採集の雌につききりでメイトガードをする。

1巣卵数は4~5個、抱卵は雌のみが行い、雄は抱卵中の雌に餌を運ぶ。

雛は13~15日ぐらいで孵化し、両親の給餌で育つ。巣内外の育雛期間はわかっていない。

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その他生態

越冬地では単独かルーズな番、ときには小群で見られる。日本では単独の記録が多いが、沖縄県で6羽の小群の例がある。

ヨシ原、サトウキビ畑、マングローブ林などに集まって塒をとる。

しばしばほかのセキレイ類と混群で塒をとる。

繁殖期のなわばりについては記載がないが、番で分散するらしく、高い所で盛んにさえずり、飛翔さえずりも行う。

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種・分類一覧