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- ツルクイナ(Gallicrex cinerea)について
ツルクイナ(Gallicrex cinerea)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Gallicrex cinerea (Gmelin, 1789)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:30~38 mm
・翼長:166~227 mm
・跗蹠:60~81 mm
・尾長:66~88 mm
・体重:雄 380~510 g 雌 228~370 g
・卵:長径 39.9~46.6 mm×短径 28.1~33.1 mm 平均長径 42.2 mm×短径 31 mm 重量 21~22 g
参考文献
最終更新日:2020-07-28 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区、東洋区。アジアの熱帯に生息する。ほぼ日本全土に記録があるが、数は少なくめったにみられない。
先島諸島に1年中生息し、石垣島では繁殖記録もあるが数は少ない。
そのほか、迷鳥として北海道、本州、四国、九州などで記録がある。
最近では、宮城県の水田に張られた防鳥ネットにかかった個体が保護されている。(田中・佐藤, 1984)。
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形態
- 成鳥の形質
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【雄夏羽】
額から頭上まで鮮紅色の額板がある。頭上・後頭・後頸は石盤黒色で、各羽には石盤灰色の縁がある。
眼先は黒色、耳羽・頬・腮・喉は石盤灰色で、各羽には淡色の縁がある。
肩羽・背は石盤黒色で、各羽には石盤灰色の縁があり、肩羽の所々の羽には淡赤錆色を帯びた淡褐色の縁がある。
下背・腰は石盤黒色で、各羽には淡赤錆色を帯びた淡褐色の縁がある。
胸・腹・脇は石盤灰色で、各羽には白色の縁がある。
上尾筒は石盤黒色で、各羽には石盤灰色の縁があり、所々の羽には淡赤錆色を帯びた淡褐色の縁がある。
下尾筒は石盤灰色で、各羽にはクリーム色または白色の縁がある。
下雨覆・腋羽・初列風切・次列風切は褐色で、外弁は多少灰色を帯びている。
初列風切の第1羽の外弁は多少クリーム色を帯びた白色である。
三列風切は石盤黒色で、各羽には淡赤錆色を帯びた淡褐色の縁がある。
大雨覆・初列雨覆・小翼羽は暗褐色で、各羽には淡赤錆色を帯びた淡褐色の縁があり、中・小雨覆は石盤黒色で、各羽には石盤灰色の縁があり、中雨覆の所々の羽には淡赤錆色を帯びた淡褐色の縁がある。
尾は黒色で、褐白色の縁がある。嘴色は雄が黄色、雌が黄褐色。虹彩は雄が赤褐色または赤色、雌が褐色。脚色は灰褐色。
【雌夏羽】
雄より形が小さく、雄夏羽にある額板を欠き、体は雄各羽に類似する。
【雄冬羽】
頭上は暗褐色、頸側は黄味がかった赤錆色、腮・喉は白色である。体の上面は暗褐色で、各羽には淡黄褐色の幅の広い縁があるが、腰の羽縁は幅が狭い。
体の下面は黄味がかった赤錆色またはクリーム白色であるが、腰の中央以外には石盤褐色の横縞がある。
雨覆羽は灰鼠色で、各羽には黄白色の縁がある。
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最終更新日:2020-07-28 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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【雛】
孵化直後の雛は全身に黒色の幼綿羽が密生し、体の下面は褐色を帯びる。嘴は赤黄色で基部は黒色である。
【幼鳥】
雌に類似するが、体の下面の羽縁はそれより幅が狭い。
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- 卵の形質
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卵は褐色を帯びた灰白色、クリーム褐色、黄味がかったクリーム色、赤味を帯びたクリーム褐色、緑色を帯びたクリーム色などの地に暗赤褐色と灰鼠色の斑点とが散在し、斑点は鈍端の方に密在するのが常である。
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生態
- 生息環境
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湖沼、河川など水辺のヨシやイの草むら、水田、湿地などにも生息する。水面を泳ぐことができ、潜水もする。
水に潜って鼻孔だけ出して隠れるという。ほかのクイナ類に比べ、本種は比較的乾燥した草地で見られることも多い。
草原では、長めの首を伸ばして警戒にあたる。
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- 食性
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草地を歩いて、イナゴ、バッタなどの昆虫やカタツムリ、イネ科植物の芽・種子を食べる。
水面に浮く水草の葉の上を巧に歩いて、水生植物の芽や種子をついばむ。
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- 鳴き声
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繁殖期には、クポン、クポン、クポンと太く力強い声で鳴く。
初めはテンポがゆっくりで、次第に速くなり、一鳴きが終わるとまた鳴きはじめる。単独あるいは番で生活する。
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- 特徴的な行動
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一夫一妻で繁殖するらしい。6~9月ごろ、ヨシの茂みの中にイグサやヨシの枯れ葉を利用して皿形の巣をつくる。
1巣卵数は3~5個で、ときには6個、8個などの例もある(清棲, 1978)。抱卵期間は約24日(Ripley, 1977)。
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- その他生態
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なわばりをもつかどうかは不明だが、繁殖期には雄どうしで蹴り合ったり、相手の頸をくわえたりと激しく闘争する(Ripley, 1977)。
クイナ類にしてはめずらしく雌雄2型がはっきりしており、雄は頭上にまで達する額板をもち、繁殖期には鮮紅色になる。雌には額板はほとんどない。
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