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ヒメイソヒヨ(Monticola gularis)の分類 ヒタキ科(Muscicapidae)
ヒメイソヒヨ(Monticola gularis)の概要 イソヒヨドリ属(Monticola)

ヒメイソヒヨ(Monticola gularis)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Monticola gularis (Swinhoe, 1863)

基本情報

大きさ・重さ

・全長:約 18 cm

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最終更新日:2020-09-30 キノボリトカゲ

分布

ロシアのバイカル湖周辺からウスリー地方・中国北東部・朝鮮半島北部で繁殖し、ミャンマーやタイ・マレー半島で越冬。

日本では迷鳥として記録されたことがある。

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分類学的位置付け

スズメ目 ツグミ科

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人間との関係

羽色が美しく、さえずりもよく、大きさも適度であるため、飼い鳥として好適な鳥。中国北部ではしばしば飼養されていたという。

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形態

成鳥の形質

【雄成鳥】
(冬羽)頭上・後頸はコバルト青色で後頭の羽毛には通常先端に黒色の小斑があり、各羽はバフ色の縁を持っている。

背および肩羽は黒色で各羽は帯褐バフ色の狭い縁を有する。腰および上尾筒は赤栗色。尾形は角尾。

尾羽は暗灰褐色で中央対とそのほかの尾羽の外弁とは少しスレート蒼色を帯び、また各羽の先は少し暗色である。

初列風切は黒褐色で灰青色の外縁を有する。

次列風切は黒褐色で外弁基部に白斑があり、この白斑は内側のものほど大きく、また外縁には灰青色の、先には淡バフ色の狭い縁がある。

三列風切は次列風切と同様であるが、地色は黒味勝ちで帯褐黒色を呈し、外縁の灰青色縁は狭く、先の淡バフ色帯は濃くかつ広い。

初列風切第1羽は初列雨覆に等しいかまたはこれよりやや長い。初列雨覆は初列風切と同色。

大雨覆は黒色で外弁の外縁は青灰色、先は淡バフ色、以上の青灰色部および淡バフ色部の外側を更に淡バフ褐色の狭い縁が周っている。

中雨覆は帯褐黒色でバフ色の縁があるが、稀に先に近く栗色斑があることもある。

小雨覆は頭上と同様なコバルト青色で、極く狭い淡色の縁がある。下雨覆および腋羽は淡い帯橙栗色。

嘴毛・眼先・頬・顎・腮・喉・胸は栗色で、下胸・脇・腹側はこれに連なってやや淡い帯黄赤栗色を呈し、腹および下尾筒は一層淡く帯褐バフ色に近い。

眼瞼には帯バフ褐色の細羽が生じており、眼の下および耳羽を含む三角形の部は黒色を呈し、腮の下方から下喉の中央に渡っては不規則な楔状の広い白色またはバフ白色の縦帯がある。

なおこれら顔および下面の羽毛はすべて帯黄バフ色の縁を持っている。この羽衣は7~9月の全身の換羽により生じるものである。

(夏羽)羽毛の摩耗による変化が著しく、頭上のコバルト青色部分のバフ色縁がすべてなくなるほか、黒色斑もこれを失うかまたはこれを残している場合でも通常後頭に限られている。

背・肩羽のバフ色縁は狭くなり、翼および下面のバフ色縁はほとんど、あるいは全く失われる。

喉・胸の栗色は鮮橙栗色となり、喉の白斑は純白となる。

【雌成鳥】
(冬羽)額より後頸までは幾分オリーブ色を帯びた帯灰褐色。しかしこの部分には暗色の軸斑があるが外部には現れない。

背・肩羽・腰・上尾筒の羽毛は少しオリーブ色を帯びた灰褐色で先端に黒色の横帯があり、更に周囲は黄バフ色に縁取られている。

特に上尾筒はこの淡色縁の色が濃く、鮮やかである。尾羽は暗褐色で中央対とそのほかのものの外弁とはオリーブ褐色を帯びている。

風切は暗褐色で外縁は帯鏽オリーブ褐色を呈するが、三列風切の縁はほかのものより淡く、特に先はほとんど白色に近い。

初列雨覆は初列風切と同色。大雨覆は三列風切と同色。中雨覆と小雨覆とは背と同色。下雨覆はクリームバフ色。

眼先は淡バフ色。眼瞼にはクリーム白色の細羽を生じている。耳羽は黒褐色で各羽はクリームバフ色の軸斑を有する。

腮の下部から喉の下部に達する楔状の帯バフ白色の縦帯がある。この部分を除く喉・胸の各羽は帯褐バフ色で各羽は馬蹄形の黒色帯を有する。

また下胸・脇および側腹はクリームバフ色で各羽は新月状の黒色帯を有する。腹の中央は白色に近く、下尾筒はクリームバフ色である。

(夏羽)換羽の有無は不明。春季の換羽があるとされているが、新たに生じた羽毛は秋季の新羽と差が認められない。

5月以後になると摩耗のために背面はオリーブ色味をほとんど失い、頭上は少し青色味を帯びてくるものもある。

また頭上の羽毛は羽縁が磨滅するため暗色の軸斑が現れてくる。下面、特に喉および胸も褐色味滅じ、クリームバフ色になる。

嘴はこの属のものとしてはあまり長くはなく、嘴峰は先半で緩く弯曲している。鼻孔は円形で全く露出し、嘴毛およびヒゲは共に短い。

嘴の色は雄の場合は帯褐黒色、雌の場合は褐色で基部は淡い。脚もこの属のものとしては余り長くない。脚の色は帯褐肉色。虹彩は暗褐色。

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最終更新日:2020-09-30 キノボリトカゲ

生態

生息環境

岩石地に生息せず森林中に生息する。夏期にトランスバイカリアでは広い谷地の明るい樺の林に棲み、かつ繁殖するという。

ウスリー地方では森林内の枯れ木に止まり、極めて良い声で囀鳴するという。

またアムール地方では山地の岩に囲まれた谷間の林の中にも、平地の針葉樹林などにも棲む。

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食性

中国熱河省で採集された2胃はゾウビムシ科、ミツバチ上科および小型のカタツムリを食していた。

また中国中部で採集されたものの胃にはオサムシ科などの昆虫が入っていたという。

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特徴的な行動

雄は繁殖の初期には終日囀っているが、後には主として午前中かまたは夜間に囀っている。

雄の囀るのは高い樹の梢の頂であるから森林内ではよく響き渡る。

しかし極めて臆病な鳥であるため、囀鳴中でさえ接近することは大変困難であるという。

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その他生態

北朝鮮を5月中旬に通過するものが多い。秋には中国南部を9月に通過する。

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種・分類一覧