- 解説一覧
- シジュウカラ(Parus major)について
シジュウカラ(Parus major)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Parus major Linnaeus, 1758
基本情報
- 大きさ・重さ
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・全長:145 mm(137~148)
・翼長:雄 69.3±1.5 mm(N=141)雌 65.9±1.8 mm(N=100)
・尾長:雄 66.0±2.3 mm(N=140)雌 61.1±2.2 mm(N=100)
・嘴峰長:11 mm(10~11)
・ふ蹠長:雄 17.9±0.5 mm(N=141)雌 17.4±0.5 mm(N=100)
・体重:雄 15.7±0.9 g(N=136)雌 15.0±0.8 g(N=95)
・卵:長径 15.3~18.6 mm × 短径 12.3~13.8 mm 平均長径 17.2 mm × 平均短径 13.3 mm 重量 1.1~1.6 g
参考文献
- 清棲幸保 1955 シジュウカラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 162-166.
最終更新日:2020-06-08 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区、東洋区、ユーラシア大陸の中緯度地方、インドからマレー半島、ボルネオ島、ジャワ島、小スンダ列島(バリ島からティモール島までの島々)にかけて分布。
日本では北海道から南西諸島までのほぼ全土にいる留鳥。小笠原列島や大東諸島のような大洋島にはいない。
本州にいる亜種シジュウカラ P. m. minor のほかに、奄美大島と徳之島の亜種アマミシジュウカラ P. m. amamiensis 、沖縄の亜種オキナワシジュウカラ P. m. okinawae 、石垣島と西表島の亜種イシガキシジュウカラ P. m. nigriloris がいる。
参考文献
最終更新日:2020-06-08 キノボリトカゲ
- 亜種・品種
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アマミシジュウカラ、オキナワシジュウカラ、イシガキシジュウカラ
参考文献
- 吉井正 2005 シジュウカラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 251.
最終更新日:2020-06-08 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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スズメ目 シジュウカラ科
参考文献
- 吉井正 2005 シジュウカラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 251.
最終更新日:2020-06-08 キノボリトカゲ
- 人間との関係
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松尾芭蕉「老の名のありともしらで四十雀」の句がある。
参考文献
- 吉井正 2005 シジュウカラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 251.
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形態
- 成鳥の形質
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成鳥雄の冬羽は、頭上および後頸は青色光沢が強い黒色で、これと眼先・腮・喉・上胸・頸側の光沢ある黒色と連なって、頬および耳羽の白色を囲む。
後頸に接する部分に汚白色斑があり、この部分と背のオリーブ緑色との境はオリーブ黄緑色を呈する。
背の腰に接するところは緑色味少なく、腮は灰青色である。
上尾筒は暗青灰色。尾は浅い円尾。中央尾羽は暗青灰色。最外側尾羽は内縁が黒褐色であるほかは白色。
そのほかの尾羽は黒褐色で外縁が暗青灰色、ただし外側より2~3番目のものは先に白斑を有する。
風切・初列雨覆・大雨覆は黒色で、初列風切には淡青灰色、次列風切にはオリーブ青灰色の外縁があり、三列風切には鮮明な汚白色の羽縁がある。
大雨覆の先は汚白色。中雨覆・小雨覆は青灰色。胸以下の下面は灰白色で脇はオリーブ色を帯び、胸の中央より腹の中央を経て下尾筒まで達する幅広い、しかし不整形な黒色帯が縦走している。
夏羽は、春季には換羽はしないが、羽毛の摩耗によって背は緑色味を減じ、上背は白色味を増す。
下面および大雨覆の先の白色は純となる。雌の成鳥は、雄成鳥に似るが、一帯に色が鈍い。
すなわち頭の黒色は光沢少なく、喉の黒色は範囲狭く、下面を縦走する黒帯は幅狭く、かつ所々断絶し、脇の灰色は淡い。
参考文献
- 吉井正 2005 シジュウカラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 251.
- 山階芳麿 1980 シジュウカラ, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅰ. 出版科学総合研究所. 362-365.
最終更新日:2020-06-08 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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孵化直後の雛は肉色の裸体のままで、濃鼠色の長い初毛が眼の上、後頭、上膊、背の羽域に生えている。
口中は橙黄色、口角縁は淡黄色である。幼鳥は、眼先・額・頭上は煤黒色で後頸より明瞭な境なく、背および腰の暗オリーブ緑色に移行する。
後頸に大きな黄白色斑がある。上尾筒は淡煤黒色。尾および翼は成鳥に似るが色彩鈍く、初列雨覆・中雨覆・小雨覆は煤灰色である。
腮および喉の中央は暗灰色。頬・耳羽および胸以下の下面全体は一様に黄白色。腹の中央には暗灰色斑がある。
嘴は暗角色で噛縁は淡い。脚は灰褐色。
【第1回冬羽】
幼鳥は8月から9月に体羽全部・大雨覆・中雨覆・小雨覆・三列風切・中央尾羽(ときとして尾羽全部)を換羽して第1回冬羽となる。
新羽は雄雌それぞれ雄成鳥および雌成鳥と同様である。
【第2回冬羽】
幼鳥は翌年秋季に風切をも含み全身の羽毛を更新して成鳥冬羽となる。
参考文献
- 清棲幸保 1955 シジュウカラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 162-166.
- 山階芳麿 1980 シジュウカラ, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅰ. 出版科学総合研究所. 362-365.
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- 卵の形質
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卵は白色の地に、灰鼠色と赤褐色との微細な小斑点が散在し、斑点は鈍端の方に密在するのが常である。
参考文献
- 清棲幸保 1955 シジュウカラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 162-166.
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生態
- 生息環境
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低地や低山帯、山地の常緑広葉樹林、落葉広葉樹林、町中の小さな樹林地、樹木の多い公園や住宅地などに幅広く生息する。
参考文献
- 中村登流 1995 シジュウカラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 126.
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- 食性
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樹林内の下層部で採食し、樹木の幹や大枝、根元、地上の林床、低木や藪の中などで餌をあさっていることが多い。
樹皮につかまって、やや長めの尾羽の先を樹皮面に押し付けて体を支え、くちばしで樹皮をほじくったり、樹皮片をはぎとったりする。
アカマツのコルク片も巧みにはぎとる。地上では落葉などをくちばしでくわえてひっくり返す。
また枯れ葉がからみ合った塊に関心が深く、これを盛んに壊して隠れている虫を見つけ出す。
さらに他種の鳥の行動をよく観察していて、採食場所に飛びついてほかの鳥を追い払って餌を探したり、自身は貯えないのに、コガラやヒガラの貯えの現場を狙って、貯蔵した種子などを奪って食べる(中村, 1970)。
昆虫の幼虫・成虫、クモ類、マツやカラマツなどの植物の種子・果実を食べる。
参考文献
- 清棲幸保 1955 シジュウカラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 162-166.
- 中村登流 1995 シジュウカラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 126.
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- ライフサイクル
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シジュウカラは、冬は群れ、春はつがいで過ごす。群れに出会うのは、巣立ち後の5月中旬から翌年の3月までである。
年が明けると、暖かな日には冬の群れを離れてさえずるオスが見られるようになる。
2月の末には群れのまとまりもゆるやかになり、次第に冬の群れは崩壊する。あちらこちらでさえずりが聞かれ、なわばり争いが起こる。
早ければ3月の末に産卵が開始される。離婚もあるが、生き残っていれば昨年の相手とつがいを組む。
新しいつがい相手は、基本群や複合群の顔見知りから選ばれることが多い。基本的には一夫一妻である。
1回目の繁殖に成功したつがいの中には、2回目の繁殖を行なうつがいもいる。
繁殖に失敗した場合、やり直し繁殖をするつがいがいる。
参考文献
- 中村登流 1995 シジュウカラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 126.
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- 鳴き声
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春先のツピーツピーツピーがさえずり。秋にもさえずりがぶり返すことがある。
名の由来となったジュクジュクカラカラは警戒声。鳴き声には地域差がある。
参考文献
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- 特徴的な行動
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繁殖期には雄は強いなわばりをもち、番を組んで分散する。
なわばり活動は、雄のさえずりやいろいろな対立行動、実際の戦い行動を通して維持される。
繁殖期の後半からなわばりはルーズになり、若鳥はルーズな群れをつくる。この群れは、ときには100羽ぐらいの大きさの移動群になる。
冬は番かまたは小群で分散する。群れの構成はその地域で繁殖した番に、他所から来た若鳥が加わったもので、9月ごろにでき、基本群とよばれ、0.5~15.9 haの行動圏で生活する(saito, 1979b)。
基本群による分散は翌年の繁殖期分散の基になり、1月下旬から2月上旬にかけて分裂しはじめ、3月までに若鳥がいなくなるか、置き換わって番ができる。
68.3%は前年からいるものである(saito, 1979b)。
参考文献
- 中村登流 1995 シジュウカラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 126.
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