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- ジョウビタキ(Phoenicurus auroreus)について
ジョウビタキ(Phoenicurus auroreus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Phoenicurus auroreus (Pallas, 1776)
目次
基本情報
- 分布
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モンゴル、中国西部からウスリー、サハリンなどで繁殖し、インド北部から中国南部、日本などで越冬する。
日本には冬鳥として全国に渡来するが、主に積雪の少ない地方で越冬する。
参考文献
- 中村雅彦 1995 ジョウビタキ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. p. 134.
最終更新日:2021-04-23 ハリリセンボン
- 和名の解説
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ジョウビタキの鳴き声は「ヒッヒッ」あるいは「カッカッ」と聞こえる単純もの。この声を、火打ち石を叩く音にたとえヒタキの名前に由来になったと言われている。
キビタキやサメビタキなど、多くの鳥にヒタキという名前が付いているが、この語源説が正しいとするならば、ヒタキの元祖はジョウビタキということになる。
参考文献
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- 別名・方言名
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このオス・メス共通の翼の白い斑紋を和服につけられた家紋に見立てて、「紋付鳥」という別名も付けられている。親しみを込めて「紋付さん」と呼ぶ人もいる。
参考文献
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形態
- 成鳥の形質
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オスとメスで羽色が大きく異なる。
成鳥雄は額から後頸までがシルバーグレーで、顔から喉、背から肩羽、雨覆は黒く、一部に褐色の羽縁がある。風切も黒いが、次列風切と三列風切の基部近くの白い部分が目立つ白斑となる。
胸から腹、脇、腰、上尾筒、下尾筒は赤橙色である。尾羽は中央の一対は黒色、ほかは赤橙色である。
成鳥雌は、頭部から背、顔から喉にかけては赤橙色を帯びた灰褐色。胸、腹は淡黄色を帯びた赤橙色、翼は暗褐色で雄よりも小さめの白斑がある。下尾筒と外側尾羽は淡い橙色をしている。
参考文献
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- 幼鳥の形質
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孵化直後の雛は肉色の裸体の儘で、淡灰褐色の初毛が眼の上(内、外)、背、上膊などの羽域に生えている。口中は橙黄色、口角縁は黄白色、脚は黄肉色である。
参考文献
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- 似ている種 (間違えやすい種)
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クロジョウビタキ、シロビタイジョウビタキ
参考文献
- 2014 日本の鳥550 山野の鳥 - 書籍全体, 五百澤日丸、山形則男(著) 日本の鳥550 山野の鳥. 文一総合出版. .
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生態
- ライフサイクル
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越冬地には10月中旬ごろ渡ってくる。渡来とともにオスとメスは別々になわばりを構えて生活する。繁殖地では4月ごろ飛来すると、オスはすぐさえずり始め、巣作りはオスとメスが共同で行う。毎日1卵ずつ産卵することが多く、最終卵を産むと同時に、主にメスが抱卵する。ヒナへの給餌はオスとメスが共同で行う。
参考文献
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- 鳴き声
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越冬期は灌木の頂等の低い場所に止まり「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と澄んだ声で鳴き、時折低い声で「カッ、カッ、カッ」と鳴くことが多い。また、嘴を鳴らして「カタカタカタ」と音を出すが、これは警戒音と思われる。
日本でさえずりを聞く機会は少ないが、「チチルリ チチロリ ピーチクピ、チチルリ チチロリ」と聞こえ、余り長くないが複雑で美しい声である。巣立ち雛は「ジッジッ」と鳴く。
参考文献
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- 特徴的な行動
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採食時にはピョコンとおじぎをして尾をふるわせる行動がよく見られる。樹木の茂みの中で採食するほか、低い庭木の枝や、花壇の竿の上などから地上に飛び降りて採食し、短時間で戻ることも多い。
参考文献
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