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カワリサンコウチョウ(Terpsiphone paradisi)の分類 カササギヒタキ科(Monarchidae)
カワリサンコウチョウ(Terpsiphone paradisi)の概要 サンコウチョウ属(Terpsiphone)

カワリサンコウチョウ(Terpsiphone paradisi)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Terpsiphone paradisi (Linnaeus, 1758)

基本情報

大きさ・重さ

・全長:雄約 470 mm 雌約 210 mm
・翼長:雄 94~94.5 mm 雌 85~90 mm
・尾長:雄 223~331 mm 雌 80~88 mm
・露出嘴峰:雄 20 mm 雌 18.8~20 mm
・跗蹠:雄 16 mm 雌 15.8~16 mm

参考文献

最終更新日:2020-10-14 キノボリトカゲ

分布

ウスリー、中国、朝鮮半島、マレー半島から、インド、ヒマラヤに繁殖分布。渡りをするものもいる。

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分類学的位置付け

スズメ目 カササギヒタキ科

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形態

成鳥の形質

【雄成鳥】
この種の雄には2型ある。

(白色型・冬羽)眼先はビロード黒色。額より後頭まで・頭側・頸側。腮・喉・前頸は金属青色の光沢が強い黒色。

頭上の羽毛は長さ約 18 mmあり、毛冠を形成している。

背・腰・肩・上尾筒の羽毛は白色であるが、細い黒色の軸斑と縁とがあるために全体は多少灰色に感じる。尾羽は12枚。

外側5対は凸尾で、長短尾羽の差は 20 mm内外である。中央の1対はこれより遥かに長く 254~387 mmに達する。

色は白色で中央対は軸と両縁が黒く、そのほかの尾羽は軸と外縁が黒い。

初列風切は帯褐黒色で第3羽以下は外縁と内縁との基部が白く、その範囲は内側のものほど広く、次列風切に隣るものは白色縁は先端まで達する。

次列風切もこれに連なって内側のものほど白色縁が広くなり、最内側のものでは黒色部は細い軸斑に化している。

三列風切は白色で細い軸斑と縁とが黒い。小雨覆・中雨覆・大雨覆は白色で軸と縁は黒い。

初列雨覆は黒色で縁は白い。小雨覆は黒色で外縁のみ白色。下雨覆は白色。胸・腹・下尾筒は白色。

(白色型・夏羽)春の換羽はなく、また摩耗による変化も少ない。

(栗色型・冬羽)眼先がビロード黒色であること、頭全体・頸側・前頸が金属光沢が強い青黒色であること、毛冠があることは白色型と同じ。

背・肩は少し紫色光沢がある赤栗色を呈し、腰・上尾筒・尾羽(ただし軸は黒色)および雨覆(初列雨覆を除く)はすべて一様に赤栗色を呈し、風切および初列雨覆の白色型で白色である部分も赤栗色を呈する。

また胸および脇は灰色を呈し、腹・下雨覆および下尾筒のみ白い。

(栗色型・夏羽)春の換羽はなく、摩耗による変化も少ない。

【雌成鳥】
眼先は淡黒色。頭上・黒色は青色光沢ある黒色であるが、雄よりは光沢が少なく、また毛冠も短い。

そのほかの背面は栗色型の雄成鳥の冬羽に似るが帯紫赤栗色ではなく帯黄栗色を呈する。

翼の栗色部分も同様である。頬・耳羽・腮・喉はわずかに青色を帯びた暗灰色で、胸・脇は汚灰色を呈し、腹の中央と下尾筒のみは白色である。

この白色部はときにバフ色を帯びていることがある。

嘴形はやや長くて幅が広い。ヒゲは長くて嘴端より3分の1のところまで達する。嘴の色は淡青色。

眼瞼は羽毛がなく広い環状をなし淡青色を呈する。雄のものは雌のものの2倍の広さがある。脚は鉛灰色。虹彩は褐色。

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幼鳥の形質

上面はすべて栗色であるが、頭部は暗色で褐色を帯びている。翼羽は褐色で羽縁は栗色。

腮・喉・胸は褐色で栗色を帯び、次第に下腹と腹側の白色へ移行している。胸の羽毛はわずかな淡い中央班を有するが、上面には斑点がない。

ときには羽毛の先が濃い個体もみる。特に雨覆にこのようなものが少なくない。尾形は雌成鳥と同じ。

(第1回冬羽)換羽の範囲は不明であるが、恐らく体羽と一部の雨覆のみを更新すると思われる。

この羽衣で雄の頭上は青黒色となるが光沢は弱く、毛冠も短い。後頸・頭側・腮・喉・胸は暗灰色で次第に腹および下尾筒の白色に移る。

背面と尾とは雌成鳥に似るが多少濃色である。

(第2回冬羽)幼鳥は第2年の7月以後の全身の換羽で第1回冬羽と成鳥冬羽との中間の羽衣となる。

この羽衣では尾が短いものが多いが、ときに長いものもある。この羽衣で雄は白色型と栗色型と別れる。この羽衣で繁殖は可能である。

(第3回冬羽)第3年の7月以後の全身の完全な換羽により成鳥冬羽となる。ただしときに成鳥より短い尾羽を有するものもある。

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卵の形質

卵はサンコウチョウのものに似ている。地色は淡い淡帯橙紅色、上表斑は赤褐色で小斑点状をなし、殻斑は藤灰色で斑点状をなす。斑点は鈍半部に多い。

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生態

生息環境

森林に棲むが、中国東部では庭園などにも現れるという。

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食性

昆虫のみで大型の双翅目・脈翅目や軟らかい膜翅目を多く食する。

また 65 mmの大きいトンボが翅の付いたまま食道に入っていた例も報告されている。

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鳴き声

音楽的な vedd veddvetty, veddveddvetty, veddveddvetty, という3声であるという。

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特徴的な行動

巣の主材は根の繊維と草の茎よりなり、これを堅く固めてクモの糸で綴り合わせ、外面には鳥の綿羽・クモの卵嚢・地衣・繭・美しい色の蘚、ときとしては糸片などを貼り付ける。

巣の内部には細い毛のような細根を敷く。1腹卵数は3~4個で4個が多い。抱卵は雄雌ともに行う。

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その他生態

春季の渡りは、中国福建省へは4月の末に、揚子江下流には5月上旬に、直隷省には5月20日前後に、中国東北部および朝鮮東北部には5月末から6月のはじめに到着する。

秋季は8月末に繁殖地を出発をする。

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種・分類一覧