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- マミジロアジサシ(Onychoprion anaethetus)について
マミジロアジサシ(Onychoprion anaethetus)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Onychoprion anaethetus (Scopoli, 1786)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:39~44 mm
・翼長:243~275 mm
・跗蹠:17~22 mm
・尾長:124~190 mm
・卵:長径 43.5~47.8 mm×短径 31~34.2 mm 平均長径 46.5 mm×短径 32.3 mm
参考文献
最終更新日:2020-08-21 キノボリトカゲ
- 分布
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インド洋、太平洋、大西洋の熱帯・亜熱帯にかけて局地的に分布し、海岸や岩礁にコロニーをつくって繁殖する。
とくにメキシコ湾付近、オーストラリア大陸北部の島々に多いが、ハワイ諸島など大陸から遠く離れた島には分布しない。
日本には従来は迷行するだけと考えられてきたが、1980年、八重山諸島の仲ノ神島で初めて繁殖が確認され(安部・真野, 1980)、その後、1981年に宮古島北方のフデ岩と同島東南部の軍艦島でも繁殖していることが確かめられた(安部ほか, 1982)。
仲ノ神島の海鳥繁殖地は天然記念物に指定されている。繁殖地以外では、函館、横浜、静岡などで迷行が記録されている。
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形態
- 成鳥の形質
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【雄雌】
頭上・後頭は暗灰褐色、額は白色で、眼の上の白色の眉斑に引き続いている。眼先から後頭まで暗灰褐色の過眼線が走っている。
頬・腮・喉は白色、背・肩羽・腰・上尾筒は暗灰褐色、胸・腹・脇・下尾筒は白色である。
下雨覆・腋羽は白色。初列風切は暗灰褐色、内弁の基部の羽縁は淡褐色である。
次列風切は暗灰褐色で、内弁の大部分は白色である。三列風切・雨覆羽は暗灰褐色である。
尾は暗灰褐色であるが、外側尾羽の内弁は一部分白色である。嘴色は黒色、虹彩は暗褐色、脚色は黒色。
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- 卵の形質
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卵は紅色を帯びたクリーム色、淡クリーム色、クリーム黄色などの地に赤褐色の粗大な斑紋のあるものと淡赤色の微細な斑点のあるものなどがあり、ときには淡青色で斑紋を欠くものもある。
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生態
- 生息環境
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海岸、洋上で生活するアジサシ類、島嶼の海岸や岩礁で集団繁殖する。
沿岸採食性で、繁殖期にはコロニー周辺の海上で見られ、島の周辺の比較的波の静かなところに多い。
本種は、ほかの Sterna 属のアジサシ類と同様に砂浜や背の低い草が生育する開けた平坦地などにも営巣するが、岩棚や岩石が積み重なっているような場所も好む。
地上にも下りるが、歩くことは苦手で、もっぱら岩や草地の上で休息している。
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- 食性
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海岸や海洋の上空をヒラヒラと羽搏いて飛び回り、獲物を見つけると上空から直角に急降下して海の表層にいる魚やイカなどの軟体動物を捕える。
また、尾羽を広げて翼をバタバタと激しく羽搏かせる停空飛翔を行いながら餌に狙いをつけることもある。
垂直にダイビングして餌を捕える方法以外に、水面に斜めに舞い降りて小魚などをついばむ方法も多用する。
餌を丸のみして集団繁殖地にもちかえり、吐き戻して雛に与えたり、くちばしで魚を横にはさみ、集団繁殖地にもちかえる。
雛には、特定の食餌動物に偏ることなく、さまざまな種類の魚類やイカ類を与えるが、トビウオ科、ニシン科などの魚類の体長 6 cm以下のものが多い(Kohno & Kishimoto, 1991)。
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- 特徴的な行動
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南西諸島では5~9月、年に1回、一夫一妻で繁殖する。
沿岸の草の疎生地に窪みを掘って巣としたり岩礁の上に直接産卵するが、いずれの場合も巣材を使用しない。
1巣卵数は1個、28~30日雌雄交替で抱卵する(Cramp & Simmons, 1983)。
雛は早成性で、孵化後数日で巣を離れる。雌雄共同で給餌し、雛は55~63日で羽が生えそろい、その後さらに約35日でコロニーを去る(Cramp & Simmons, 1983)。
同属のオオアジサシやセグロアジサシとは異なり、雛は集団でクレイシとよばれる託児所をつくらない。
日中、親鳥が飛び立って発する警戒声を聞くと、雛は岩と岩の隙間の奥にすぐ隠れてしまう(河野, 1986)。
親鳥は巣立ち後、繁殖地を離れてもいっしょに飛び続け、雛の採食技術が完成するまで空中給餌をして世話をする。
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- その他生態
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コロニーをつくって繁殖する。一般に、本種のコロニーは同じ場所で繁殖するセグロアジサシなどほかのアジサシ類に比べて小規模なことが多い。
番は、巣を中心に狭い範囲のなわばりを構えて分散する。
なわばりの中に隣の雛が迷い込んだりすると、なわばり所有者は激しくつついて攻撃する。
コロニー内では、各番の繁殖の進行は比較的同調している。
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