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コムクドリ(Agropsar philippensis)の分類 ムクドリ科(Sturnidae)
コムクドリ(Agropsar philippensis)の概要 コムクドリ属(Agropsar)

コムクドリ(Agropsar philippensis)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Agropsar philippensis (J. R. Forster, 1781)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:14~17 mm
・翼長:101~109 mm
・跗蹠:23~26 mm
・尾長:46~52 mm
・体重:46~67 g
・卵:長径 21.5~27.8 mm×短径 16.5~19.5 mm 平均長径 24.2 mm×短径 17.3 mm 重量 3.7 g位

参考文献

  • 清棲幸保 1955 コムクドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 32-34.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分布

旧北区。日本には夏鳥として4月上旬から下旬にかけて渡来し、本州中部以北で繁殖する。

国外ではサハリン南部と南千島だけで繁殖する。冬はフィリピン、中国、ボルネオ島に渡って越冬する。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 コムクドリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 28.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

別名・方言名

ときに果樹園に害を与えることもあり、サクランボを好んでついばむので、ムクドリと同様にサクラドリなどの地方名などがある。

参考文献

  • 吉井正 2005 コムクドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 235.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

スズメ目 ムクドリ科

参考文献

  • 吉井正 2005 コムクドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 235.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

雄は背が光沢のある紫色がかった黒褐色で、頭はクリーム白色、頬に褐色斑がある。

胸から下腹は灰色、脇は黒みがかる。翼は黒色で雨覆に白色部があり、腰は褐色、尾は黒色。

足と嘴は黒色。雌は頭がクリーム色であるが、茶褐色の頬斑はなく、腹は灰色で背は褐色。

参考文献

  • 吉井正 2005 コムクドリ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 235.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉食の裸体のままで眼の上、後頭、上膊、前膊、背などの羽域にだけ灰色の初毛が生えている。

口中は美しい鮮橙色または黄色で、口角縁は黄白色である。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 コムクドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 32-34.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

生態

生息環境

本州中部では主に山地の村落および市街地に、東北地方や北海道では平地の落葉広葉樹の明るい林や村落近くに生息する。

本州中部以南では、9~10月の渡去の時期に通過する大群が見られる。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 コムクドリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 28.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

食性

動・植物を食べる。動物質ではクモ類と昆虫が主で、植物質ではサクラ、ヤマザクラ、カキ、ブドウなどの果実をついばみ、エノキやムクノキの果実なども食べる。

秋の渡りの時期には、ミズキやアカメガシワなどの木の実をよく食べる。

ムクドリと異なり、主な採食場所は樹上で、樹冠部で餌を探し、枝から枝へと移動しながら採食する。

親は雛に、育雛中期(孵化後10~13日)までは鱗翅類の幼虫・成虫やセミといった動物質の餌を与えるが、後期になるとクワ、サクラ、ヒョウタンボクなどの果実を給餌する(羽田・牛山, 1966)。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 コムクドリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 28.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は4月中旬から7月、年に1回ないし2回、一夫一妻で繁殖する。

樹洞、建築物の屋根および間隙、キツツキ類の古巣穴、巣箱などに営巣する。

営巣場所をめぐってムクドリとの争いがしばしば見られる(小笠原, 1976)。

営巣前に雄は巣の周辺でさえずり、ほか個体の侵入に対して巣穴となわばりを防衛する。

渡来初期に、雄はできるだけ多くの営巣場所を確保する傾向がある(小池, 1988)。

定着してから約2週間後に巣づくりを始める。

巣づくりは、まず古い巣材のもち出し行動から始まり、次に新巣材の運び込み行動を行う。

雌雄ともこれらの造巣行動を行うが、作業量は雄が全体の78%を受けもつ(羽田・牛山, 1966)。

参考文献

  • 中村雅彦 1995 コムクドリ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 28.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

鳴き声

ピューイ、キュキュ、ピィーヨなどと優しい声で囀鳴する。

樹梢で餌を捜し求めるときや飛び立つときなどにはキュル、キュル、キュルルと啼き、警戒時にはチョッ、ギャー、ギャーと喧しく啼き立てる。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 コムクドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 32-34.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

関連情報

その他

新巣材の運び込み行動の活発な時期に交尾が多く、雄が求愛さえずりをした後、雌は雄に近づき交尾をする(小池, 1988)。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 コムクドリ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 32-34.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

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