- 解説一覧
- コクマルガラス(Coloeus dauuricus)について
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:26~32 mm
・嘴高:13 mm
・翼長:211~240 mm
・跗蹠:42~48 mm
・尾長:118~140 mm
・体重:154~275 g
・卵:長径 32.6~36 mm×短径 24.2~27 mm
参考文献
- 清棲幸保 1955 コクマルガラス, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 10-12.
最終更新日:2020-06-09 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸東部のバイカルからウスリー、中国北・中央部にかけて分布する。
ユーラシア大陸の西部に分布するニシコクマルガラス(Corvus monedula)とは置換種とされ、本種はニシコクマルガラスの亜種とする説もある(Cheng, 1987)。
日本では繁殖しておらず、冬に各地に現れるが、個体数は少ない。とくに、九州によく現れる。
参考文献
- 中村登流 1995 コクマルガラス, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 44.
最終更新日:2020-06-09 キノボリトカゲ
- 分類学的位置付け
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スズメ目 カラス科
参考文献
- 吉井正 2005 コクマルガラス, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 217.
最終更新日:2020-06-09 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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雄雌同色。頭上は紫色の金属光沢のある黒色で、眼の後方と耳羽は石盤黒色で、各羽の先端は灰白色である。
腮と喉は藍黒色で、後頸、頸側にかけて汚白色の幅の広い頸輪がある。
背と腰は金属光沢のある黒色で、羽縁は灰白色、肩羽と上尾筒は紫の金属光沢のある黒色である。
胸、腹は汚白色で、ときには白色に近いものもある。下尾筒は石盤黒色。
翼は黒色で、初列風切には藍色の金属光沢があり、次列風切の外弁は紫色の金属光沢を放ち、内弁は緑色の金属光沢を帯びている。
三列風切、大雨覆の外弁と中、小雨覆、小翼羽は紫色の金属光沢が強い。
下雨、腋羽は石盤黒色。尾は黒色で、外側尾羽の外弁には藍緑色の金属光沢があり、内弁には藍色の金属光沢がある。
嘴毛は黒色で灰白色の軸斑がある。嘴色は黒色、虹彩は乳白色、脚色は黒色。
参考文献
- 吉井正 2005 コクマルガラス, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 217.
- 山階芳麿 1980 コクマルガラス, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅰ. 出版科学総合研究所. 24-27.
最終更新日:2020-06-09 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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孵化直後の雛は暗肉色の裸体のままで淡煤灰色の短い初毛が眼の上(ときには欠く)、上膊、前膊、背、腿などの羽域に極僅か生えている。
口中は紫紅色、口角縁は淡黄色である。幼鳥の幼羽は成鳥と同様であるが、黒色部は光沢が少なく、かつ灰色の羽縁がある。
頸環および下面は淡色型の場合は淡灰色、暗色型の場合は汚灰色である。
【第1回冬羽】
幼鳥は秋季に体羽・中雨覆・小雨覆およびときとして内側の大雨覆を換羽して第1回冬羽となる。
新羽は成鳥と異ならない。
【第2回冬羽】
幼鳥は翌年の夏季より秋季にわたり、風切および尾羽をも含み、全部を換羽して成鳥となる。
参考文献
- 清棲幸保 1955 コクマルガラス, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 10-12.
- 山階芳麿 1980 コクマルガラス, 山階芳麿(著) 日本の鳥類と其生態Ⅰ. 出版科学総合研究所. 24-27.
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- 卵の形質
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卵は緑青色の地に暗褐色の斑点が一面に散在
参考文献
- 清棲幸保 1955 コクマルガラス, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 10-12.
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生態
- 生息環境
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本邦には稀に渡来するにすぎないが、低地、海岸地方の農耕地、干拓地、村落周辺で見られる。
繁殖地では平坦地の草原、農耕地、人家集落、その周辺の樹林などにすむ。
参考文献
- 清棲幸保 1955 コクマルガラス, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 10-12.
- 中村登流 1995 コクマルガラス, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 44.
最終更新日:2020-06-09 キノボリトカゲ
- 食性
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地上を歩きながら、ついばんだり、ほじくったりして採食する。牛糞もほじくる。
マイマイカブリ、ガガンボなどの昆虫や穀類、鳥類の雛、ネズミ、カエル、イチゴやクルミなどを食べる雑食性である。
参考文献
- 中村登流 1995 コクマルガラス, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 44.
- 清棲幸保 1955 コクマルガラス, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 10-12.
最終更新日:2020-06-09 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は5~9月、一夫一妻で繁殖する。巣は樹洞につくり、集団繁殖である。樹洞内に雌雄で内装だけ運び込む。
1巣卵数は4~6個、主として雌が抱卵する。雛は18~20日ぐらいで孵化し、両親に養われて、28~35日ぐらいで巣立つ。
参考文献
- 中村登流 1995 コクマルガラス, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 44.
最終更新日:2020-06-09 キノボリトカゲ
- 鳴き声
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キャ、キャ、キャと短く啼き、飛翔中にも啼く。
参考文献
- 清棲幸保 1955 コクマルガラス, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 10-12.
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- 特徴的な行動
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常におびただしい数で群棲し、両脚を交互にして足速やに活発な動作で歩みつつ餌を漁り、ハシブトガラスやワタリガラスの様に悠々と落ち着いていない。
飛翔時には翼を頻繁に羽搏いてやや波形を描いて迅速に飛翔する。しばしば滑翔して崖などから舞い下りることがある。
ときには旋回飛翔を行い、単独で空中を旋回飛翔したり、舞い降りたり飄々と飛んだり反転したりして飛翔することがある。
樹上や建築物、岩上などにとまることもある。ミヤマガラスなどと混じって群れることが多く、森林、樹木、建築物、崖などを塒として群れ集まる。
参考文献
- 清棲幸保 1955 コクマルガラス, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 10-12.
最終更新日:2020-06-09 キノボリトカゲ