- 解説一覧
- フトアゴヒゲトカゲ(Pogona vitticeps)について

フトアゴヒゲトカゲ(Pogona vitticeps)
【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種
- 【 学名 】
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Pogona vitticeps (Ahl, 1926)
基本情報
- 大きさ・重さ
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成体全長:40 cm前後。最大で 49 cmになる。
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 フトアゴヒゲトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 77.
- 鳥羽通久 1996 フトアゴヒゲトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 41.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
- 分布
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オーストラリア中東部に分布し、乾燥した森林や砂漠に生息する。
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 フトアゴヒゲトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 77.
- 鳥羽通久 1996 フトアゴヒゲトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 41.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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アガマ科
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 フトアゴヒゲトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 77.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
形態
- 成体の形質
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比較的扁平な体つきで、体色は黄色から黄褐色、赤褐色まで変異し、不明瞭な暗色の模様が入る。首の背面や後部はとげ状の鱗に覆われる。本種には整然と並んだ大きな円錐形の鱗の列が、胴体の側面(前・後肢の間)に沿って1列だけあり、大型のとげ状鱗のふさがのどの中央を横切る点で、同属の他種と区別できる。
雄には総排泄孔下部の膨らみがあったり、大腿孔と前肛孔と呼ばれる粒状の鱗が発達し、また雌に比べて幅広く大きな頭部などをしている点で判別ができる。
成熟していれば雌雄の見分け方は比較的容易で、ときに大腿孔と前肛孔が雄でははっきり見える。
また、全体的に雄は雌よりも大柄で、がっしりした体格をしている。下顎の髭状の鱗も、雄は茂るように発達する。雌は雄に比べて丸みのある優しい顔つきで、やや小ぶりであることがほとんどである。下顎の髭状鱗は雄に比べて発達しない。
参考文献
- 海老沼剛 2014 , 海老沼剛(著) フトアゴヒゲトカゲ:カラー写真と品種解説、飼育・繁殖情報が満載!!. 誠文堂新光社. 121₋124.
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 フトアゴヒゲトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 77.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
- 似ている種 (間違えやすい種)
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ヒガシアゴヒゲトカゲ(Pogona barbata)
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 フトアゴヒゲトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 77.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
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乾燥した場所に普通で、垣根の枯木の幹にとまっていたり、樹皮の間の昆虫を探したりしているのがよく観察されている。森林から砂漠まで、さまざまな環境に棲む。
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 フトアゴヒゲトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 77.
- 鳥羽通久 1996 フトアゴヒゲトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 41.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
- 食性
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主食は昆虫であり、小動物、果実、花なども食べる。
参考文献
- 海老沼剛 2004 フトアゴヒゲトカゲ, 海老沼剛(著) 爬虫・両生類ビジュアルガイド:トカゲ①アガマ科&イグアナ科. 誠文堂新光社. 40₋41.
- 鳥羽通久 1996 フトアゴヒゲトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 41.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
- 活動時間帯
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昼行性である。
参考文献
- 鳥羽通久 1996 フトアゴヒゲトカゲ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 41.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
- 生殖行動
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発情した雄は雌の前に立ちはだかるように回り込んで、頭部を大きく上下に振る。これはボビングと呼ばれる行動で、これにより雄は雌を交尾に誘っている。このとき、雄の喉は普段より色味が増し、多くの場合は真っ黒になる。これに対して雌は、腕をゆっくりと回すようなしぐさ(アームウェービング)をして応える。アームウェービングは交尾受け入れ可能を表すほかにも、より優位な個体に対する服従の意味で、同性間や幼体間でも行われる。
雌が受け入れ可能のサインを送ると、交尾が始まる。ただ実際には、雌がその気を見せずに逃げようとしても、雄が無理やり交尾を行うことも多い。
交尾が始まると、雄は雌の背後に覆いかぶさるようにして、まず首筋に噛みついて雌を捕定する。雌の首筋に噛みついて動きを押さえると、雄は下半身を雌の腹側に巻き付けるようにする。お互いの総排泄孔同士がくっつくような体勢になると、雄はへミペニスを出して雌の総排泄孔へ挿入する。こうして雄の精子が雌の体内に送られ、卵子と結合して受精が完了する。
参考文献
- 海老沼剛 2014 , 海老沼剛(著) フトアゴヒゲトカゲ:カラー写真と品種解説、飼育・繁殖情報が満載!!. 誠文堂新光社. 121₋124.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
- 産卵
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交尾後、1週間から2週間ほどで、雌の腹部には卵の膨らみが確認できるようになる。この時期になると、これ以上交尾を行うのを嫌がり、ときには雄を激しく攻撃して追い払う行動を見せる。さらにしばらくすると、腹部の膨らみはより目立つようになり、雌は頻繁にホットスポットに当たって体温を上げようとする。こうして雌の体内で卵が育って、やがて産卵に至る。
産卵直前の数日前には餌を食べなくなり、あちこちを掘るようなしぐさをして落ち着かなくなるため分かりやすい。交尾から産卵までは通常4週間ほどとされているが、個体差もかなりあり、早いものでは交尾後2週間ほどで産卵に至ってしまうこともある。
雌は固まった土にトンネルを掘るように進んでいき、産卵に適当な場所まで進むと体を反転させて産卵を開始する。一度の産卵数は個体によって異なるが、多くは20~30個前後である。初産の個体や若い個体は、それより少なく10個程度のこともある。
産卵を終えた雌は卵に土をかけてトンネルを埋め、最後に産卵床の表面を固めるようにならして産卵が終了する。掘り始めてからここまで、2~3時間がかかる。
参考文献
- 海老沼剛 2014 , 海老沼剛(著) フトアゴヒゲトカゲ:カラー写真と品種解説、飼育・繁殖情報が満載!!. 誠文堂新光社. 121₋124.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
- 特徴的な行動
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社会性のある一方で個体間の干渉は強く、雄同士は縄張りを争う。
危険を感じると口を開け、名前の由来でもある、ひげのようなとげのあるのどをふくらませるディスプレイを行う。
参考文献
- 海老沼剛 2004 フトアゴヒゲトカゲ, 海老沼剛(著) 爬虫・両生類ビジュアルガイド:トカゲ①アガマ科&イグアナ科. 誠文堂新光社. 40₋41.
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 フトアゴヒゲトカゲ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 77.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン
関連情報
- その他
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本種フトアゴヒゲトカゲは、アゴヒゲトカゲの流通の大半を占める、最もペット化されたトカゲである。飼育も難しくなく、繁殖は容易である。色彩にはバリエーションがあり、それらを品種として固定していく試みがなされている。
参考文献
- 海老沼剛 2004 フトアゴヒゲトカゲ, 海老沼剛(著) 爬虫・両生類ビジュアルガイド:トカゲ①アガマ科&イグアナ科. 誠文堂新光社. 40₋41.
最終更新日:2020-05-01 ハリリセンボン