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ハブ(Protobothrops flavoviridis)の分類 Viperidae
ハブ(Protobothrops flavoviridis)の概要 Protobothrops

ハブ(Protobothrops flavoviridis)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Protobothrops flavoviridis (Hallowell, 1861)

基本情報

大きさ・重さ

・全長:100~200 ㎝(最大 240 ㎝を超える)
・頭胴長:80~160 ㎝

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

分布

日本固有種。奄美・沖縄諸島(喜界島、沖永良部島、与論島、伊是名島は分布しない)。

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

別名・方言名

現地では、全身が黄色っぽく斑紋があまり目立たないものを「金ハブ」、赤および黄色の色素が欠乏し斑紋だけが残ったものを「銀ハブ」と呼び、ほかにも「赤ハブ」「黒ハブ」などと色によって区別することがある。

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分類学的位置付け

有鱗目 ヘビ亜科 クサリヘビ科 ハブ属

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

人間との関係

毒性そのものはマムシよりもかなり弱いが、咬まれた際に注入される毒量が多く、何よりも性質が非常に攻撃的であることから、長い間、島民に恐怖を与えてきた。

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

形態

成体の形質

体色にははなはだ異変が多く、ある程度まで地域的に変わる上に個体による変異が重なってくるので、一定の標準を定めて包括的な記載を作るのが非常に難しい。

奄美群島に比較的多く見られる型のひとつとして、背面は黄褐色の基色に不規則な暗褐色の斑紋をそなえ、腹面は黄白色で褐色の斑点を散布している。

基色がもっと明るくて腹面に全く斑点のないものも稀ではなく、暗褐色の斑紋の非常に縮小した個体もある。

頭部の斑紋にも変異が多いが、眼の後角に始まって頭部の側面を後走する黒褐色の縦条だけはほとんどすべての個体にある。

頭部は非常に大きくて長い三角形を呈し、長さが最大幅の1倍半を越える。

吻端板はほぼ三角形で幅の方が高さよりも大きく、頂端は非常に幅が狭くて1枚または1対の頂鱗に接し、両者の間には稜線がない。

鼻板は前後2枚に分かれ、その間に背方に偏してやや斜めになった鼻孔が開いている。前鼻板は後鼻板より明らかに大きい。

鼻間板は後鼻板よりも多少小さく、前縁が吻端板に接していない。

鼻間板と眼上板との間では外縁がにぶい稜線になり、両板挟まれた大小2枚の鱗板があって、前方の大きい方の1枚はその長さが鼻間板の長さの2倍に近い。

頬板はほぼ四角形で小形、上下2枚の眼前板に接している。眼前板は2枚しかなく、上板の方が下板よりも広い。

頬窩は大きくて鼻孔と眼とのほぼ中央にあり、第2上唇板、下方の眼前板および窩下板によって囲まれている。

眼は大きくてその長径が吻端から眼までの距離の半分に近く、眼上板は非常に大形でその長さが眼の長径の1倍半に達する。

眼後板は普通2枚(ときには3枚)あっていずれも小形、眼下板は非常に細長くて弯曲し、第4上唇板との間を1列に並んだ鱗によって隔てられている。

窩下板は短くて眼に届かず、眼下板との間にも2~3枚の小さい鱗があって両板が接していない。

頭部背面の鱗は細かくて左右両眼上板の間で10~14枚ぐらいあり、頭部の前半では平滑、後半部のものは1対の鱗孔をそなえているが、隆条は非常に弱いかあるいはほとんど認められない。

側頭部の鱗はかなり大形で平滑であるが、背方にいくに従って背面の鱗と区別できなくなる。

上唇部は7~9枚(多くは8枚)あって、第3~4両上唇板が非常に大きく、第5枚目より後方のものは小形でほぼ等大。

下唇部は15~17枚あって、中央部の5~6枚は比較的大きい。

左右の第1下唇板は普通頣板の後側で互いに接し合っているが、頣板の後角によって両側に隔てられていることもある。

頣板はほぼ三角形で後角が細長くとがり、その後方には第1腹板に至るはっきりした咽頭溝があって、前咽頭板より後方の部分が6~9対の鱗で縁どられている。

前咽頭板は非常に長大で長さが幅の2倍半を越え、後端がとがり、左右の2枚が正中線上で広く接し合っている。

後咽頭板は小形で左右に離れている。体鱗は頸部の後方で31~33列、胴の中央部で普通に35列、ときには33列、37列または39列(ごく例外的には31列)、後部では23~25列ある。

最外側1列の体鱗は内側のものより大きくて平滑であるが、そのほかの各列のものは鱗の全長に及ぶ明瞭な隆条をそなえている。

鱗孔はそれぞれの体鱗に1対ずつあってかなり明瞭、腹板には側稜がなくて220~236枚あり、尾下板は対になっていて、その数は75~90ぐらいである。

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

幼生の形質

孵化幼体は約 35 ㎝。

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卵の形質

卵は白色で表面に菊状紋が散在する楕円形で、サイズは長径約 60 ㎜、短径約 30 ㎜。卵殻は皮革状で弾力がある。

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地理的変異

島ごとの色彩も知られ、久米島では背面の正中線付近に限って斑紋が見られるものが多い。

性質も島によって差があるといわれ、徳之島の個体が最も攻撃性が高いとされる。実際にハブ咬症人口も徳之島が最も多い。

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生態

生息環境

山地の森林から耕地、民家の周辺、ネズミを求めて人家にまで入ってくる。

地上から樹上まで幅広い環境に生息する。冬期の低温時は動きが鈍るだけで、冬眠はしない。

暖かくなれば活発に活動し、ほぼ1年を通し活動する。主に地上で活動するが雨季などの高温多湿な時期はよく樹上にも登る。

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食性

餌はネズミ類がほとんどであるが、鳥やカエル、ヘビなども食べ、変わったところではアマミノクロウサギやネコ(イエネコ)、オオウサギ、オオコウモリなどが食べられていた例もある。

幼蛇はトカゲなどの爬虫類や小型の哺乳類を主に食べる。

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ライフサイクル

地域によって多少ズレはあるが、2~5月に交尾する。交尾期には雌をめぐり、雄同士のコンバットダンスを行うこともある。

交尾を終えた雌は7~8月に産卵。1回の産卵数は5~17個。雌は産卵後一時期抱卵する。

孵化日数は約45日。生まれたときにすでに毒が備わっている。

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活動時間帯

夜行性で昼間は石垣の間、ソテツの葉の上、木の根元などに静止し、日が暮れるころから活動を始める。

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特徴的な行動

出血毒で咬まれた瞬間から激痛が継続。咬傷部が腫れて壊死を起こし、皮膚や筋肉が脱落。

重症の場合は手足の切断などの処置が必要となり、手遅れの場合は体内出血により死亡することもある。

現在は咬傷状態にもよるが、咬傷後40分以内の血清治療により後遺症を残さずに治療でき、一刻も早い治療が必要。

毒牙は長く、咬みついた後すぐに放すことから現地では「打たれる」という。特に交尾期は攻撃的になる傾向を示す。

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関連情報

その他

本種もマムシのように、1匹丸ごとを酒に着けた「ハブ酒」や皮を使った製品などにして利用されている。

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種・分類一覧