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クロサンショウウオ(Hynobius nigrescens)の分類 Hynobiidae
クロサンショウウオ(Hynobius nigrescens)の概要 サンショウウオ属(Hynobius)

クロサンショウウオ(Hynobius nigrescens)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

準絶滅危惧種 (NT)

【環境省】現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

【 学名 】
Hynobius nigrescens Stejneger, 1907

基本情報

大きさ・重さ

・全長:120~190 ㎜
・孵化直後幼生全長:約 15~18 ㎜
・変態時幼生全長:約 70 ㎜

参考文献

最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ

分布

東北地方、北関東、中部地方北部、福井県北部まで広く分布し、平野部から亜高山帯にかけて生息する。佐渡島にも生息。

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最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

有尾目 サンショウウオ科 サンショウウオ属

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最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ

形態

成体の形質

比較的大形の種で、体の背面は暗褐色または青味を帯びた黒褐色、個体によって褐色の斑点を散布しているものもある。

腹面は灰色か暗黄褐色で、微細な褐色の点を密布していることが多い。

頭部は卵形で大きい眼をそなえ、幅よりも長さの方が少し大きい。

鼻孔の位置は吻端に近く、耳腺は扁平で、その上縁を区切る溝線もあまり深くはない。

鋤口蓋歯列は原則としてU字形であるが、個体によってはV字形のこともある。

胴は比較的短くて、背面に11本(12本のものもある)、腹面に10本(11本のものもあり、稀には9本しかないこともある)の肋条をそなえている。

4肢は目立って長く、体側に沿って伸長すると2肋条分ほど重なり合う。後肢は5趾性で、第5趾はよく発達している。

尾は胴よりも明らかに長くて著しく側扁し、先端が多少とがっている。

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最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ

卵の形質

卵嚢は紡綞形で大きく、透明な外層と乳白色で不透明な内層とからできている。卵の上半は黄褐色、下半は黄色。

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最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ

似ている種 (間違えやすい種)

エゾサンショウウオ

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最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ

生態

生息環境

海岸近くの平地から標高 2500 mの高山までの森林内やその中の湿地に広く生息する。

非繁殖期は産卵場所を中心に広く分散し、日中は比較的湿潤な林床の石や落葉下、腐葉土の中、倒木の下などに潜む。

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食性

成体はクモや小型の多足類(ヤスデなど)、昆虫類、甲殻類、ミミズなどを捕食している。

幼生は動物性プランクトンや小型の水生昆虫、甲殻類、軟体動物、カエルの幼生などや同種の幼生も捕食。

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天敵

テンやイタチ類、サギ

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産卵

繁殖期はその生息地によりかなり異なる。北陸地方の低地では2~3月、北関東では4~5月、北アルプスでは6~7月である。

産卵場所は森林内の沢や細流などの澱みや、池沼、森林に隣接した池沼、沢の澱みでも行われる。

繁殖は夜間に行われ、水中に垂れ下がった枝先や水中の枯れ枝などに、雌がつかまり、尾を振って雄を呼ぶ。

雄は産卵と同時に卵や雌を抱え込み、受精させる。1匹の雌と卵嚢にボール状になるほど多数の雄が集まることもある。

産卵後、卵嚢は水を吸い楕円球状に拡張し、白濁するが、地域や場所によって透明になる場合もある。

1卵嚢内の卵は40~140個だが、高地ほど卵数は少ない。

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最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ

種・分類一覧