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- アカウミガメ(Caretta caretta)について

アカウミガメ(Caretta caretta)
【IUCN】絶滅の危険が増大している種
【環境省】IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
- 【 学名 】
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Caretta caretta (Linnaeus, 1758)
基本情報
- 分布
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太平洋、大西洋、インド洋の熱帯域から温帯域にかけての海域と地中海などに分布している。
ただし赤道付近の熱帯海域にはあまり生息していないため、分布は南北の半球で分断されている。
日本では福島県以南の太平洋沿岸、南西諸島などで産卵を行う。
ウミガメの仲間で本州や四国、九州などの沿岸で産卵を行うのは本種のみ。
参考文献
最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ
- 生息状況
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日本国内では、産卵地の海岸の砂地面積の減少化が進み、砂地の海岸保全が急務となった。
御前崎の個体及びその産卵地(静岡県)と大浜海岸の個体及びその産卵地(徳島県)は国指定天然記念物である。
参考文献
最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ
形態
- 成体の形質
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背甲は一般に赤褐色、背中線上の隆条と甲の周縁部とは淡赤褐色を呈することがあり、またときには全体に黄褐色のこともある。
腹甲は淡黄色または黄褐色、頭部は赤褐色ないし赤味を帯びた灰褐色で、鱗板の周縁が黄色く縁取られ、上眼瞼が黒っぽい。
咽頭部は黄褐色、頸部は黄色い。四肢の背面は頭部と同じ色かあるいはやや黒っぽく、前後両縁の色が淡くて黄褐色の腹面に移行している。
吻は短くて吻端がにぶく、上顎の前端はとがってかぎ状に曲がっている。
前額板は2対とも幅が広く、後方の1対は大形、額板は小さくて不対、前頭頂板も不対であるが大きく、長さと幅とがほぼ等しい。
眼上板も比較的大形、これらの鱗板は、一部が分割したり、ほかの鱗板と癒合したりしていることが少なくない。
甲は比較的長い卵形で、背中線上に不連続な隆条があり、その両側にも左右1本ずつのにぶい隆条がある。
これらの隆条は、老熟した個体では一般に不明瞭となる。背甲の前端は多少とも裁断状、後縁は多少とも鋸歯状。
中央部の椎甲板は細長くてほとんど長方形に近い。第1肋甲板は小形、第2対目より後方のものは大きくて幅が広い。
腹甲には不連続なにぶい隆条が左右各2本づつあり、前端と後端とはともに円く終わる。
腋下甲板は2~3対あり、その前に小形の鱗が並んでいる。一般に鼠蹊甲板がない。
前肢の前縁部と後縁部とには大形の鱗が並んでいる。
参考文献
最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ
生態
- 産卵
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交尾は産卵地域の沖合で行われていると推定され、産卵地域は5~8月中旬に茨城県以南の太平洋沿岸と南西諸島。
産卵はやや深いボディーピットを掘り、産卵穴を掘る。1回の産卵数は100~120個。孵化日数は50~75日。
1シーズンに1~5回産卵。雌は1~4年おきに産卵。孵化から性成熟までは30年以上と推定されている。
参考文献
最終更新日:2020-06-10 キノボリトカゲ