- 解説一覧
- スッポンモドキ(Carettochelys insculpta)について
スッポンモドキ(Carettochelys insculpta)
【IUCN】近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
- 【 学名 】
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Carettochelys insculpta Ramsay, 1886
基本情報
- 大きさ・重さ
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40~50 cm前後 (最大甲長 56.3 cm)
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 スッポンモドキ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 47.
- 大谷勉 2018 スッポンモドキ, 大谷勉(著) 川添宣広(編) 世界のカメ類. 文一総合出版. 180.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
- 分布
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ニューギニア南部と北オーストラリアに分布し、大きな河川や湿地に生息する。
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 スッポンモドキ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 47.
- 大谷勉 2018 スッポンモドキ, 大谷勉(著) 川添宣広(編) 世界のカメ類. 文一総合出版. 180.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
- 分類学的位置付け
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潜頸亜目(Cryptodira) スッポンモドキ科(Carettochelyidae) スッポンモドキ属(Carettochelys)
参考文献
- 大谷勉 2018 スッポンモドキ, 大谷勉(著) 川添宣広(編) 世界のカメ類. 文一総合出版. 180.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
形態
- 成体の形質
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表面のざらついた皮革質の背甲と、小さな白い腹甲をもつ淡水生種である。背面はやや長い楕円形で、ドーム状に持ち上がっている。背面の色彩は一様なオリーブ色や灰色で、外縁部は白色や淡黄色で細く縁取られる。頭部は大型で吻端は瘤状に突き出ており、色彩は背面と同様である。前肢はオール状で第1・2指には爪がある。全体の形状は、ウミガメ類に似たオール状をしている。
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 スッポンモドキ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 47.
- 大谷勉 2018 スッポンモドキ, 大谷勉(著) 川添宣広(編) 世界のカメ類. 文一総合出版. 180.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
- 幼生の形質
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孵化幼体では、甲は円形に長く扁平、中央部以外の背甲の表面はかすかなしわがあるものの、ほぼ滑らかである。
背甲の中央に沿って、小さなコブ状の突起がキール状に連続しているが、これは痕跡的な甲板と考えられている。
背甲の外縁部には、間隔の開いた鋭い鋸歯が存在するが、その鋸歯は中央部よりやや前方で特に顕著である。成長に従い、甲は細長くドーム状になっていき、表面の篆刻や小孔が顕著になる。そして、痕跡的な甲板や外縁部の鋸歯は不明瞭となり、やがて消失する。
参考文献
- 安川雄一郎 2004 スッポンモドキの分類と自然史, 安川雄一郎(著) クリーパー No.24. クリーパー社. 4₋22.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
- 卵の形質
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卵はほぼ球形で、表面は滑らか、鶏卵状の固い殻をもつ。こうした球形で、固い殻をもつ卵は、スッポン科に共通する特徴である。
参考文献
- 安川雄一郎 2004 スッポンモドキの分類と自然史, 安川雄一郎(著) クリーパー No.24. クリーパー社. 4₋22.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
生態
- 生息環境
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浅瀬や流れの緩やかな河川の砂地、堆積物のある水底を好み、前肢を使ってこうした底質を掘って隠れることもある。また、ときに河口域にも進出する。
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 スッポンモドキ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 47.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
- 食性
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植物質傾向の強い雑食性で、水草や藻類・果実や魚、巻貝などを食べる。
参考文献
- 越河暁洋 1996 スッポンモドキ, 長坂拓也、松本通範、富田京一、越河暁洋、池田純(著) 千石正一(監修) 長坂拓也(編) 爬虫類・両生類800種図鑑. ピーシーズ. 172.
- 大谷勉 2018 スッポンモドキ, 大谷勉(著) 川添宣広(編) 世界のカメ類. 文一総合出版. 180.
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- 活動時間帯
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本種は夜間に上陸して産卵するが、通常は昼行性である。しかし、夜間に水中で活発に活動していたという目撃例もある。通常、産卵期以外では上陸せず、野生状態では日光浴を行わないが、飼育下では浅い場所で甲の一部を水面に出し、バスキング用のスポットライトを浴びることがある。
参考文献
- 安川雄一郎 2004 スッポンモドキの分類と自然史, 安川雄一郎(著) クリーパー No.24. クリーパー社. 4₋22.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
- 生殖行動
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本種の生殖行動はほとんど分かっていない。
複数の雌雄が集まって集団で泳ぎ、その間に水中で雄が雌の背中に乗って頸部に噛みつきながら交尾を行うらしい。こうした雌の頚への咬傷は、成体の雌では頻繁に見られるが、幼体や雄では全く観察されない。
参考文献
- 安川雄一郎 2004 スッポンモドキの分類と自然史, 安川雄一郎(著) クリーパー No.24. クリーパー社. 4₋22.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
- 産卵
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乾季の後期や末期に、川岸の砂や泥の中に、球形の卵を一度に15~22卵産む。卵の中で完全に成長しても、雨季が始まり巣に川の水が溢れてくるまで休眠するという。
孵化日数は、孵化温度30℃の人工孵化で70日前後である。
参考文献
- 大谷勉 2018 スッポンモドキ, 大谷勉(著) 川添宣広(編) 世界のカメ類. 文一総合出版. 180.
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 スッポンモドキ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 47.
- 大谷勉 2018 スッポンモドキ, 大谷勉(著) 川添宣広(編) 世界のカメ類. 文一総合出版. 180.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
関連情報
- 飼育方法
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気性の荒いカメで、同居飼育は望めない。また大型種であり、十分な遊泳を必要とし、大規模なアクアリウムが必要となる。
参考文献
- 大谷勉 2018 スッポンモドキ, 大谷勉(著) 川添宣広(編) 世界のカメ類. 文一総合出版. 180.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン
- その他
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ニューギニアでは、1800年代に既に存在が知られていたが、オーストラリアでは1969年に初めて分布が明らかになった。
参考文献
- マーク・オシー, ティム・ハリデイ 2001 スッポンモドキ, マーク・オシー、ティム・ハリデイ(著) 太田英利(監修) 爬虫類と両生類の写真図鑑. 日本ヴォーグ社. 47.
最終更新日:2020-04-30 ハリリセンボン