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- オサガメ(Dermochelys coriacea)について

オサガメ(Dermochelys coriacea)
【IUCN】絶滅の危険が増大している種
- 【 学名 】
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Dermochelys coriacea (Vandelli, 1761)
基本情報
形態
- 成体の形質
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現生種のうちではもっとも大型のカメ。全身がゴム状の革質で覆われている。
背面は暗褐色、青黒色または黒色、側方に向かって色が淡くなり、灰褐色、ときには黄褐色を呈するようになる。
また、部分的(とくに頭部)に淡黄色の斑点を散在している。頸部は黒くて黄色か桃色の斑紋がある。
腹面は暗い灰色で、不規則な白および黄色の斑紋をそなえている。
吻は太くて吻端が円く、上顎の前端中央には深い切れ込みがあってとがった下顎の前端に適合し、その両側が著しく突出している。
上顎の下縁は細かい鋸歯状、若い個体では前額板が2対あるが、後方の1対と額板とは細かく分割していることが多い。
また、前頭頂板は大きいが、ほかの鱗板は多少とも分割している。
背甲の前縁は多少ともえぐれてその両側が前方へ突き出し、後端は尾状の突起となって尾の上をおおうように伸長している。
背面の隆条は著しく隆起し、とくに背中線上の1本は尾端まで完全。
腹甲の隆条はにぶく、個体によってはほとんど消失してしまっていることもある。
前肢はかい状で非常に大きくて長く、特に幼時には長い。後肢は完全なひれ状、成体には爪がなく、幼時にも原則として爪はない。
参考文献
最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ
- 幼生の形質
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幼時は全体に黒っぽいかあるいは暗黄褐色で、成体の隆条に相当する鱗列が黄色、頭部の斑点と咽頭部とも黄色く、また四肢の前縁が黄色に縁どられている。
参考文献
最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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主に外洋に生息し、遊泳能力が強く、高緯度の低温域(約10℃)まで回遊する個体が確認されている。
産卵期には繁殖地の沿岸部に集まるようだが、日本での産卵は確認されていない。その生態は不明な点が多い。
参考文献
最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ
- 産卵
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日本国内では産卵は確認されていない。雌が砂浜に深さ 1 mにもおよぶ深い穴を掘って、1シーズンに4~7回産卵。合計産卵数は450~600個。
正常卵を産卵の後、約2ダーズほどの胚のない小さな卵を産む。孵化日数は50~78日。
参考文献
最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ
- その他生態
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産卵場所から 4,800 kmもの距離を主要な餌であるクラゲ類を探して放浪する。またときには 1,000 mもの深さに潜ることもある。
参考文献
最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ