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アオダイショウ(Elaphe climacophora)の分類 Colubridae
アオダイショウ(Elaphe climacophora)の概要 Elaphe

アオダイショウ(Elaphe climacophora)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Elaphe climacophora (Boie, 1826)

基本情報

大きさ・重さ

・成体全長:110~200 ㎝
・孵化幼体全長:30~40 ㎝
・卵の大きさ:白色の楕円形で長径約45 ㎜×短径約30 ㎜

参考文献

  • 関慎太郎 2018 有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.39.
  • 大山勉 2010 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科ナメラ属, 大山勉(著) 川添宣広(編) 日本の爬虫類・両生類 飼育図鑑. 誠文堂新光社. p.21.
  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. p.18.

最終更新日:2021-04-22 と。

活動時期

昼間は日光浴をする姿がよくみられるが、暑くなりすぎると日陰や水場に移動してクールダウンする。
10~4月ごろに土中や岩の隙間、倒木の下で冬眠し、3~5月に冬眠から開ける。

参考文献

  • 大山勉 2010 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科ナメラ属, 大山勉(著) 川添宣広(編) 日本の爬虫類・両生類 飼育図鑑. 誠文堂新光社. p.21.
  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. p.18.

最終更新日:2021-04-22 と。

分布

日本固有種。
北海道、本州、四国、九州とその周辺の島々、国後島、奥尻島、
佐渡島、伊豆大島~神津島、隠岐、壱岐、対馬、五島列島、薩南諸島。南限はトカラ列島の口之島。

参考文献

  • 大山勉 2010 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科ナメラ属, 大山勉(著) 川添宣広(編) 日本の爬虫類・両生類 飼育図鑑. 誠文堂新光社. p.21.
  • 疋田努 2018 有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.166.
  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. pp.17-18.

最終更新日:2021-04-22 と。

和名の解説

和名は全長が青っぽく見えることに由来。

参考文献

  • 疋田努 2018 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.167.

最終更新日:2021-04-22 と。

人間との関係

・かつては民家に普通にみられ、穀物をかじるネズミを食べてくれる「家の主」として重宝(放置)されていた。しかし、最近はこのような話は減り、格段にヘビを見る機会が減っている。飼い鳥やその卵を捕食するため、愛鳥家に敬遠される。
・山口県岩国市の「シロヘビ」は、本来目立つので自然淘汰されてしまうようなアルビノ個体が、通常色の個体よりも保護される(初めての発見から250年以上維持されている)ことで遺伝子率が高くなったことによると考えられる。
(ただ、この地域にのみシロヘビが多く出現した理由については不明な点が多い。)
なおこの生息地は1924年に国の天然記念物に指定され、(財)岩国白蛇保存会によって保護増殖されている。
市内5か所の飼育場と2か所の観覧施設で焼く1000頭が飼育されており、屋外施設では自然に近い環境下で良好に管理されている。

参考文献

  • 疋田努 2018 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.167.
  • 執筆者不明 2007 ヘビ亜目ナミヘビ科COLUBRIDAE, 内山りゅう、前田憲男、沼田研児、関慎太郎(著) 決定版日本の両生爬虫類. 平凡社. p.270.
  • 執筆者不明 1987 爬虫類, T.R. ハリデイ、K. アドラー(編) 動物大百科〈全20巻〉 第12巻 両生・爬虫類. 平凡社. p.162.

最終更新日:2021-04-22 と。

形態

成体の形質

瞳孔は丸く、目の後ろにある黒い眼線は辺縁が不明瞭で、老熟するにしたがって消失する個体もいる。また幼蛇は灰色や灰褐色の地に暗褐色の黄斑(尾部では不鮮明)を持ち、成長するにつれて黄斑は薄れて全身が緑がかっていく。うっすらとした縦条が四本入ることが多いが、まれに全く縦条が見られない個体も存在するといったように模様や体色の個体差が激しい。顔は角ばった印象で眼はオリーブ色がかった褐色をしている。腹板に目立つ模様はない。
体鱗列数は23か25列。

参考文献

  • 大山勉 2010 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科ナメラ属, 大山勉(著) 川添宣広(編) 日本の爬虫類・両生類 飼育図鑑. 誠文堂新光社. p.21.
  • 疋田努 2018 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. pp.166-167.
  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. pp.16-17.
  • 大谷勉 2009 日本のヘビの飼育ポイント, 大谷勉(著) 爬虫・両生類飼育ガイド ヘビ. 誠文堂新光社. p.95.

最終更新日:2021-04-22 と。

地理的変異

・国後島の個体は特に青みが強くクナシリラットスネークと言う名で販売されることもある。山口県岩国市の個体はアルビノが多く、「岩国のシロヘビ」として天然記念物に指定されている。このシロヘビの特徴としては、目は赤色で、体鱗がたがいに重ならず地肌が露出するなどもあげられる。
・北海道では150㎝を超える個体は少ない。また、100㎝を超える個体でも幼蛇時の横斑を残す個体が良くみられる。

参考文献

  • 川添宣広 2018 有鱗目ヘビ亜目, 川添宣広(著) 見分けられる!種類がわかる!日本の爬虫類・両生類生態図鑑. 誠文堂新光社. p.32.
  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. pp.16, 21.
  • 執筆者不明 2007 ヘビ亜目ナミヘビ科, 内山りゅう、前田憲男、沼田研児、関慎太郎(著) 決定版日本の両生爬虫類. 平凡社. p.271.

最終更新日:2021-04-22 と。

似ている種 (間違えやすい種)

本土において成体が同じぐらいの大きさになる種類としてはシマヘビがいる。
また模様や色の個体差によりシマヘビかアオダイショウか迷うほどよく似た種類も稀にいる。
幼蛇が独特な模様をしていることからシロマダラやニホンマムシと間違えられることも。

参考文献

  • 疋田努 2018 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.167.
  • 川添宣広 2018 有鱗目ヘビ亜目, 川添宣広(著) 見分けられる!種類がわかる!日本の爬虫類・両生類生態図鑑. 誠文堂新光社. p.22.

最終更新日:2021-04-22 と。

生態

生息環境

主に丘陵地から山地の森林に生息するほか、畑や草むら、人家付近でも見られる。
北海道では寒冷地のためか、一年を通して気温の安定する渓流や温泉地などの水辺付近で多く見られる傾向にある。

参考文献

  • 疋田努 2018 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.167.
  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. p.18.

最終更新日:2021-04-22 と。

食性

主に幼体は鳥のひなやネズミの子供、時にはトカゲやカエルも食べるが、大きくなるにつれて小鳥や鶏卵、小型哺乳類を食べる。捕食時は獲物を絞め殺してから丸呑みにする。
卵を捕食する際は、転がらないように地面に押し付けるようにし、それでも安定しないときは胴体を引き寄せて卵を中心にとぐろを巻いてから呑み込んでいく。卵は、呑み込んでいく途中で食道に出っ張っている脊椎骨の下突起で割って食べる。
飼育下ではマウス、ラット、ヒナウズラ、ひよこ、鶏肉、鶏手羽、鶏ハツなども食べる。

参考文献

  • 疋田努 2018 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.167.
  • 執筆者不明 2007 ヘビ亜目ナミヘビ科, 内山りゅう、前田憲男、沼田研児、関慎太郎(著) 決定版日本の両生爬虫類. 平凡社. p.270.
  • 大山勉 2010 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科ナメラ属, 大山勉(著) 川添宣広(編) 日本の爬虫類・両生類 飼育図鑑. 誠文堂新光社. p.21.

最終更新日:2021-04-22 と。

活動時間帯

昼行性だが、幼蛇は夜間に活動するのがしばしば見られる。

参考文献

  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. pp.17-18.

最終更新日:2021-04-22 と。

発音(鳴き声)

通常は声を上げないが、威嚇時は気管から噴気し、シューッと音を出しながら口を大きく開ける。

参考文献

  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. p.18.

最終更新日:2021-04-22 と。

変態・脱皮

最初に吻端を何かにこすりつけて皮をめくり、そこから靴下を脱ぐように行われる。

参考文献

  • 執筆者不明 2007 ヘビ亜目ナミヘビ科, 内山りゅう、前田憲男、沼田研児、関慎太郎(著) 決定版日本の両生爬虫類. 平凡社. p.272.

最終更新日:2021-04-22 と。

参考文献

  • 大山勉 2010 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科ナメラ属, 大山勉(著) 川添宣広(編) 日本の爬虫類・両生類 飼育図鑑. 誠文堂新光社. p.21.

最終更新日:2021-04-22 と。

産卵

産卵は6~8月で、一回の産卵数は4~17個。
44~75日で孵化。幼蛇は鼻先にある卵歯で殻を切り開いて出てくる。
北海道では9月ごろから新生幼蛇が野外でみられるようになる。

参考文献

  • 大山勉 2010 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科ナメラ属, 大山勉(著) 川添宣広(編) 日本の爬虫類・両生類 飼育図鑑. 誠文堂新光社. p.21.
  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. p.19.
  • 執筆者不明 1981 爬虫類, 倉本満(著) 学研の図鑑 爬虫・両生類. 学習研究社. p.51.

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特徴的な行動

掴まれると総排出孔から独特な刺激臭を放つ。

参考文献

  • 疋田努 2018 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.167.

最終更新日:2021-04-22 と。

その他生態

・樹洞に住み着く哺乳類や鳥類のひなを狙ったり、産卵にやってくるカエルを待ち構えるために木登りをすることがある。また水に入ることを嫌がらず泳ぎもうまい。
・怒ると尾を周囲に打ち付け音を立て、身体の前半部を浮かしてS字に曲げる。
・妊娠中や脱皮前は攻撃性が増すこともある。
・木登りが得意で、「クライミングキール(側稜)」と呼ばれる腹板の両端にある鱗を引っ掛けるようにして樹木や垂直な壁、さらには電線や電話線を登ることができる。
・無毒だがあごの力が強く噛まれると血が出てかなり痛い。

参考文献

  • 疋田努 2018 爬虫綱有鱗目ヘビ亜目ナミヘビ科, 疋田努(監修) 関慎太郎(編) 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑. 緑書房. p.167.
  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. p.18.
  • 大谷勉 2009 蛇の攻撃姿勢と攻撃, 大谷勉(著) 爬虫・両生類飼育ガイド ヘビ. 誠文堂新光社. p.56.
  • 大谷勉 2009 日本のヘビの飼育ポイント, 大谷勉(著) 爬虫・両生類飼育ガイド ヘビ. 誠文堂新光社. p.95.

最終更新日:2021-04-22 と。

関連情報

飼育方法

飼育温度は18~24℃で風通しの良い場所で飼育する。
比較的性格が穏やかでハンドリングもしやすいが、個体によっては気が荒くハンドリングのできないものもいる。

参考文献

  • 大谷勉 2009 日本のヘビの飼育ポイント, 大谷勉(著) 爬虫・両生類飼育ガイド ヘビ. 誠文堂新光社. p.95.

最終更新日:2021-04-22 と。

持ち方・触り方

躊躇せず手のひらをヘビの真上から優しく降ろし包み込む。持ち上げたら素早く逆手を添えて安定させる。できるだけ腹部に当たる面積が増えるよう、手のひらに乗せるか指に絡ませる。もし噛まれて放さないときはアオダイショウが放してくれるのを待つか、水などを顔にかけて話すように仕向ける。

参考文献

  • 徳田龍弘 2015 爬虫類, 徳田龍弘(著) 改訂版 北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑. 北海道新聞社. p.17.
  • 大谷勉 2009 ヘビの飼育, 大谷勉(著) 爬虫・両生類飼育ガイド ヘビ. 誠文堂新光社. p.52.

最終更新日:2021-04-22 と。

種・分類一覧